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物忘れを自覚しだした母 認知症の薬の効果やいかに

「私もボケてなんにもわからなくなったわ」

最近の母は、よくこういった言葉を口にするようになりました。

自分の物忘れを自覚するようになったということは、なんだかいいことじゃないですか。
だって、以前の母ならば「知らない」「聞いていない」「わからない」と言って怒り出していたのですから。

認知症に効果のあるとされるレミニールを内服し出してまだ10日。

認知症は治る病気ではありませんが、薬を飲みだしたことは大きな一歩なのかもしれません。

 

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レミニールの効果

レミニールは、軽度~中等度のアルツハイマー型認知症に効果があるとされる薬。
日本では2011年から認可された薬なので、比較的新しい薬なんですね。

より早期から本人に合った薬を内服することで、認知機能の障害の進行を遅らせることができるそうですが、早期であればあるほど、単なる高齢による物忘れなのか、認知症初期によるものなのかは判断しにくいので、認知症の薬を飲み始めるタイミングが難しいところであります。

 

アルツハイマー型認知症の場合、神経伝達物質であるアセチルコリンが脳内で減少していることがわかっていますが、レミニールは情報の通り道を開き、さらに脳内のアセチルコリン濃度を高めるという作用があります。

通り道を開くことで、情報伝達が効率的に行えるというわけです。

 

先日、母のかかりつけ医からレミニールを処方していただき、現在1日8mg(1回4mg×朝晩2回)を内服しています。

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初期の認知障害はわかりにくい

父が急逝してからの数日間は、母の物忘れが本当にひどかったのですが、これも父が突然亡くなったことで混乱するのも無理はないなぁ・・・と思っていました。

  • 何度も同じことを聞く
  • 時間の感覚がわからない
  • 数時間前の出来事を忘れている

 

例えば、葬儀の時に母がお坊さんへお布施と戒名料を手渡ししているのに、それから1か月間は「戒名料は払った?」「戒名料はいくらだ?」「お寺さんにいくら包む?」などということを毎日数十回と聞いてきて、そのたびに私は

「とっくに払ったよ!」
「お母さんが自分で手渡ししたじゃん!」
「だーかーらー、葬式の時に払ったじゃん!」

と、呆れたように返答していました。

日常生活行動には特に支障がなく、母は自分の身の回りのことは自分でできるので、この時は私も「少しボケてきているけれど、認知症の始まりかも・・・?」とは深く考えていなかったのです。

お金の計算などは、私よりもはるかに早く暗算できますしね。

しかしその後、私が母に対して判断力や決断力を求めるようなことを次々に提案したことから、母はパニックになりました。

そして私を「泥棒だ」とか「財産相続争いをしている」などという暴言で傷つけました。

 

認知症の始まり?私を泥棒だと言った母・・・そりゃないよ
抑えようとしても込み上げる嗚咽は、父が亡くなった時とはまた別の感情が入り混じっていました。 悔しさ、悲しさ、情けなさ・・...

 

これをきっかけに、私も認知症についていろいろ調べるようになりました。

今思えば異変は1~2年前からあった

こうなると、母の言動でおかしいな・・・と思うことは1~2年前からあったなぁ・・・と思います。

 

①料理が不味くなった

2年前、父がボソッとつぶやいたことがあります。

「お母さんの料理の味がなんかおいしくないんだよ」と。

子どものころから母の手料理はおいしくて私も大好きでした。

「オレが今まで健康で暮らしているのも、お母さんの料理のおかげなんだよなぁ」と、父はよく話していましたが、それがまさかの「おいしくない」発言。

高齢だし料理をつくるのもだんだん億劫になってきたのはわかりますが、健康のために薄味にしているのかな・・・くらいに、当時は思っていました。

初期認知障害や認知症の始まりの場合、料理などの手順をふんだことがわからなくなると言いますから、もしかしたらこの頃から母の場合は症状が出ていたのかもしれません。

 

②聞いていないと怒り出す

昨年のお正月のこと、母が血相を変えて私のところへやってきて言いました。

「あんた!お姉さんがくること、私に言ってなかったでしょ!」

その時の様子がこちら。
http://nettosyuunyuu2012.blog.fc2.com/blog-entry-860.html

 

この時も私はひどく憤慨したのですが、高齢だし忘れてしまうこともあるよね・・・ということで、自分を納得させていました。

 

この他にも、母のおかしな言動はもっとあったと思われますが、父がうまく対応していたのでしょうね。

認知症の始まりなのか、高齢による物忘れなのかは、初期の場合はなかなかわかりにくいものです。

レミニールを飲んで10日

 

さてさて、母がレミニールを内服して約10日が過ぎました。

もともと血圧の薬を朝晩飲んでいましたので、それに薬(レミニール)がひとつ増えただけ。

母は時々思い出したように「なんで薬が増えたんだろう?」「なんの薬だ?」と聞きますが、「血流を良くする薬だって」と私が言えば、それ以上は聞いてくることもなく、きちんと薬を飲んでいます。

医師によれば、レミニール1日8mgという量は、効果があるとは思えないそうですが、最初は副作用の出現に注意しなければならないので、1か月は初期導入として様子をみるのだそうです。

その後は症状に応じて増量するそうですが、内服をやめてしまったり減量したりすると、急激に認知症の症状が悪化することもあるので、薬はきちんと飲んでいるか確認しなければいけません。

 

来週、市の要介護認定調査員の方の自宅訪問があります。

「明日、市役所の人が健康調査に来るんだよね」と母が言うので、
「明日じゃなくて来週だよ」と言うと

「えええっ!今日何日なの?」と聞きます。

毎日、新聞にくまなく目を通して、日付を確認するためにカレンダーにチェックをしているのに、今日は日付の認識がわからなくなった模様。

そして「私もボケてなんにもわからなくなったわ」と、笑いながら言うのです。

 

自分で自分のことを「ボケた」と認めるなんて、なんだか素直になったではありませんか。

私が認知症についていろいろ勉強し、関わり方を少しずつ手探りで学んでいることで、少しは母に対して良い方向へ影響が出ていると思いたいけれど、もしかしてレミニールの効果かも?と淡い期待を抱いてしまいます。

 

だって、私が一番困っていることは、母が物忘れや置き忘れをすることではなく、そこから波及して私を一方的に責めるということなのです。

母が怒ったり責めたりすることも、自分が物忘れをしたという不安を打ち消したいがための自己防衛なのだと思えば、それも大根役者演技で笑い飛ばすこともできるかもしれない。

でも、今の私の願いは、母の攻撃的な言葉が少しでも丸くなり、私が心穏やかに過ごせること。

 

レミニール8mg/日じゃ、効果はないと先生もおっしゃっていたけれど、藁にもすがりたいのが今の気持ち。

どうかどうか、母が怒り出しませんように。
穏やかに暮らしていけますように・・・。

コメント

  1. えりあママ より:

    そらはなさんの「どうかどうか怒りませんように。穏やかに暮らしていけますように・・」 めっちゃ共感します。(うちは父のが酷かったですが)
    私も母からいきなり「あんた、これどうなっとんの!!」と喧嘩腰で来られるのが嫌です。
    喧嘩腰で来られたらこちらも防御態勢になりますよね。

    そらはなさんもお母さんも穏やかに暮らせるといいですね。
    お母さんがデイサービスに出かけて気分転換して、毎日楽しく暮らせたら幸せだよね。

    • そらはな より:

      えりあママさんへ♪
      言葉って言いかたひとつで、印象もガラリと変わりますよね。
      そうそう、なんで最初から喧嘩腰で来るんだってこと!
      ほんと、身構えちゃいます(^-^;
      しかし、薬のおかげなのか、なんとなく、なんとなく・・・ですが、うちの母はいい感じになってきたような・・・。
      薬の効果か時間の経過とともに・・・なのかはわかりませんが、私も母も願いは同じなんです。
      毎日楽しく穏やかに暮らすってこと。

  2. kumakuma より:

    いざ、取り掛かると、とても詳しく調べて、こちらがぼんやりそんな感じ、っていうことをちゃんと文章にしてくれる、そらはなさん、素敵です。
    うちでは、メマリーというのを朝一粒飲んでいます。時々、飲み忘れているけど。。。
    近所の人など、親類など、良くなったね。って、言ってくれます。
    でも、ちょっと、(だいぶ笑)おかしかった時期、大変だね、がんばれ、年寄りだからしょうがない、何とか、面倒見てやってくれ、もっとおかしくなったら、施設に入れる事も考えれ、年金で、入れるだろうから、と言葉をもらいました。
    でも、人ってこの人おかしいって思っていても、ばあさんが、言葉巧み、というか、お金とか、貯金 孫の、大学に、全部使った。。。って、言いふらしていたみたいで、そのことは、聞いた人は信じているようで、あなた達も、助かっているべ~みたいにいわれます。うちでは、奨学金を借りているのに。。。
    奨学金借りてますけど、大人の休日クラブで出かけたりしちゃいます。(笑)
    ばあさん、個人情報なんて関係なく、家電話が、ばあさんの携帯状態 お出掛け情報が、だだ漏れで、出かけるなんて、金あるぅ、って、近所、親類に思われる訳です。面倒くさい、ですね。

    • そらはな より:

      kumakumaさんへ♪
      人間のストレスってほぼ人間関係のことによるもので、傷つくのはすべて相手の言葉なんですよね。
      ご近所の方にとっては、結局は他人事でみんな好き勝手を言いますもんね。
      人のふりみて・・・せめて自分は相手のことを傷つけないよう気を付けたいと思っていますが、そんなつもりで言ってなくとも、相手がどうとらえるかで、またちがってくるんですよねー。
      ああ・・・・言葉って難しいですね。
      大人の休日クラブ、いいなぁ・・・。
      私は娘が高校を卒業したら入ろうと思ってます(#^^#)

  3. とも より:

    そらはなさん、こんにちは。
    お薬がうまくいくとよいですね。
    義父は、通常服用で3〜4錠の薬を半錠だけ服用してました。脳に作用する薬は、一日中体をめぐるので、飲み忘れても慌てることは無いですが、急な中断は反動で症状が悪化する場合があるそうです。

    日付は、目にとまる所に大きな日めくりカレンダーを置いてました。めくり忘れたり、めくり過ぎて混乱することもありましたが。笑

    お年寄りは時間がある分、同じことばかり考えてるようです。不安になると、そればかり。
    懐かしい話などを話たりすると、穏やかになられるようです。お母様にお料理のレシピなんかを聞かれたらどうでしょう?
    今のことは忘れても、昔のことは鮮明に覚えていたりします。不思議なことに。

    • そらはな より:

      ともさんへ♪
      日めくりカレンダーはいいですね(#^^#)
      でも、めくりすぎるってこともあるんですねー。あははは。
      たしかに、母は1日中どうやって何を考えて過ごしているんだろう・・・って思います。
      ただ最近、畑に出て伸びた木の枝など自分で切るようになりました。
      仏壇のお花も今まで自分で変えたことがなかったのに、先日から畑の草花を切って花瓶に生けるようになりました。
      なんだか進歩だわー。
      昔話を聞くというのは、脳の活性化になりそうですね。
      ほんとによく覚えていますよね。不思議なもんですねー。