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父の葬儀でのありえない出来事から 葬儀社選びは事前にリサーチするべき

いつかは親を見送らなければならない立場にあるのが子ども。
50代ともなれば、親の死についても現実味をおびてくる世代なのだと思います。

親がまだ元気なのに、そんなこと具体的に考えられないわ!と、多くの方が思っていることでしょう。
しかし、いつかはその時がやってくるのだし、避けては通れない出来事です。

昨年父が急逝しましたが、これだけは考えておけばよかったと思った私の経験談です。

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亡くなった直後に決めること

「胸が苦しい」と言う父を病院へ運んでからわずか1時間で、父は逝ってしまいました。
なにがなんだかわからないまま、そして悲しむ暇もないうちに、病院側から最初に言われたのが「葬儀社を呼んでください」という言葉でした。

えっ?葬儀社?

葬儀社って家族が決めて、家族が連絡するんですね。
そんなこと、冷静に考えれば当たり前のことなのに、その時の私ったら「葬儀社は病院で手配してくれるんじゃないの?」なんて思ってました。

小さな田舎町ですから、葬儀社の数もたかが知れていますが、ふだん葬儀社とはまったく関わりのない生活をしているのですから、どうやって選べばいいのか途方に暮れる私。

見かねた看護師さんが、葬儀社一覧表を貸してくれたのですが、この時になって初めて、隣にいた母が「そういえば互助会に入っていた」と思い出してくれたのです。

父はA葬儀社に会費を払って互助会の会員になっておりました。

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父の葬儀会場

父の葬儀を行ったA葬儀社は、地元では大きな規模の葬儀社で、しかも数年前に新たに施設が建てられた場所。

父がこの葬儀社の会員になっていたことから、自動的にここで葬儀をすることになったのですが、施設の設備やスタッフの対応、葬儀までの一連の儀式などなど、申し分のないすばらしい葬儀社でありました。

放心状態の家族に代わって、葬儀社のスタッフが親切に適切に導いてくれるので、教えられた通りにやっていれば、なんの心配もすることがなく葬儀を終えることができ、本当に感謝してもしきれないくらいお世話になりました。

ただし、これほどまでの至れり尽くせりの葬儀社でしたから、費用もびっくりするくらいの請求がきました。
もちろん事前に何度もスタッフと打ち合わせをしながらの進行でしたが、例えば祭壇のグレードは最低価格〇万円と決まっていて(この最低価格ですら高い!)、カタログを見せられて「どれにしますか?」と聞かれるのです。
すると、なんとなく心理的に(一番安いやつだと父に失礼だろうから、ここは真ん中くらいのグレードにするか)という、人間の平均的思考が働いてしまうのですよね。

祭壇を飾るお花も同様、白装束や棺も同様、なんでもグレードがあるんです。
で、なんでも真ん中あたりのグレードを選ぶという結果に。

ものすごくいやらしい言い方ですが、葬儀社って、人間の最期の儀式にお金は値切れないという心理作戦をうまく突いた商売だな・・・、と、葬儀が終わってからつくづく思ったものです。

葬儀社選びは事前にリサーチ

葬儀を執り行うなんて、一生に1度か2度。
だからこそ、後悔のしないよう、葬儀社は事前にリサーチしておくべきだと思います。

そんなことは、数年前から薄々思ってはいましたが、親が元気でいるうちは、なかなか踏み切れないものです。
病気療養中であれば、なんとなくその先もイメージできますから、葬儀社も考えておかなければなぁ・・・という気持にもなるんでしょうけどね。

前日まで庭の草刈りをしていた父でしたから、そんなことはまだまだ先だと思っていたのですが、考えてみれば父も80代ですから、想定しておかなければならないことだったんですけどね。

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お葬式当日の出来事

実はお葬式の当日、本当に残念で今でも唯一心残りな出来事があったんです。

まもなく葬儀が始まるという時に、葬儀社の責任者の方が私たち親族を集めて説明をしてくださいました。
「お父様との最期のお別れになりますから、焼香の仕方をきちんとお伝えしたいと思います」
そう言って、その責任者の方は我が家の宗派である〇〇宗の正式な焼香の仕方を教えてくださいました。

それは、今まで私が父から教えられていた焼香の仕方とは違ったものだったので、驚いたのなんのって!
思わずその場で「うっそ!」と声を出してしまいましたが、それ以上は何も言えず。
だって50何年生きてきて、今までちがった焼香のやり方をやってきたんかい!という自分へのツッコミと、父がやっていたのはなんだったんだい!という、父に対するツッコミ。

周りの親族もややざわついたものの、その場はみんな黙って従ったのです。

宗派がちがっていた

父のお葬式が済んで数日経ったころ、姉が憤慨したように電話をかけてきました。

姉の話によれば、なんとお葬式の時の焼香のやり方は、我が家の〇〇宗のものではなく、他の△△宗のものだったんだとか!

そういえばあの時の責任者の方が
「〇〇寺(←我が家のお寺)さんは、△△宗なので」と言った時、私の頭の中に一瞬疑問符が浮かんだのですが、すぐに(〇〇宗って、別名△△宗とも言うんだ)と勝手に消化してしまったのですよね。

うちの夫も、姉も甥っ子も、誰もが、アレ?と思ったのですが、なんせお葬式が始まる直前のあわただしさの中で、だれもそれ以上口を挟まなかったんです。

 

んががあああああああーーーーっ!

お父さん、ごめんなさいーーーー。
最期のお別れの時に、ちがう宗派のお焼香で見送ってしまったことを、許してーーーーっ!

父のことだから、「おい、おい、それ違うけど、しょうがねぇなぁー」って笑ってると思うけど。

過ちは誰にでもあるけれど

このことを、A葬儀社に伝えようかどうしようか悩みました。
だって、担当してくれたスタッフは本当に誠心誠意やってくれて、本当にお世話になったのですから。

しかしです。
葬儀社が同じような過ちをしないためにも、ここはきちんとお話しておこうと思いました。
それが、今後の葬儀社のためでもあり、うちのように同じような思いをする家族がいないようにとの思いもあったからです。

直接、その責任者の方には言いにくかったので、我が家を担当してくれたスタッフの方へ電話でお話をしました。
きっとすぐにでも、責任者の方から電話がくるか、もしくは直接家に訪ねてくるか・・・と思っていたのですが・・・。

結局、その後一度も連絡がくることはありませんでした。

 

間違いは誰にでもあると思います。
だけど、間違ったときに、いかに誠意を込めて対応するかが大切なんだと思うのです。
誰も、責めたりするつもりもないし、心から申し訳ありませんという気持が伝われば、それで終わりにしようと思っていました。

「また互助会の会員になりませんか?」というお話も、断りました。
葬儀社側の誠意がわかれば、母の時のことも考えて、会員になってもいいなと思っていたのですが、向こうが一切音信不通なのであれば、しかたがありません。

 

こんな経験があったので、今年の私のやるべきことは、葬儀社は自分でリサーチをして、事前に情報を集めておくことなんです。

 

日陰にはまだ雪が残っていますが、今年もお彼岸の時期がやってきました。
お墓を掃除しながら、父にいろんなことを報告に行ってまいります。

 

コメント

  1. T M ♪ より:

    心中お察し申し上げます。
    ご遺族の方に直接 宗派を尋ねずに
    あのお寺さんなら◯◯宗と決めてかかって教えるのは
    善意からだとしても、かなり僭越な行為ですね…。なにか上から目線すら感じます。
    手厳しいお客さんだったらそこで大激怒しかねないですよ。
    お葬式を執り行うような立場で自分ちの宗派がわからない人っているかしら?と思うの。

    電話の件は、
    これから葬儀をするわけじゃないからそこでオシマイと思ったのかもしれませんね。本人、その先の謝罪など思いつきもしなかったのかも。ひどい話ですが。
    ひょっとすると、その責任者には伝わってさえいないかもしれません。部下から責任者へ間違いの指摘って面目をなくさせることで気まずいから、その先に何か打つ手が必要でない限り止めとくっていう…。
    私も若干イタイ思いもして、
    後からのクレームは ( 褒める場合も!)
    できるだけ 責任者に直に伝えるのが得策だと認識しました。

    仰る通り お父さまは笑って許してくださることでしょう。むしろご遺族の気持ちが傷ついたことを心配なさったのでは…。
    このことを生かして、きっと納得のいくように備えがおできになりますね。
    それもお父さまからの教えになりますね。

    • そらはな より:

      TM♪さんへ♪
      想像の域を脱しないのですが、私が伝えたスタッフの方は、おそらく上司には報告しなかったのだと思っています。
      でも、そういう体質の会社だとしたら、なおさらガッカリしました。
      なにか問題が生じたら、やはり組織全体で情報を共有して、改善策をとらなければ、どこかで綻びが生じますよね。
      TMさんがおっしゃるように、これも父からの教えだと思うようにします。

  2. ハンナ より:

    葬儀の費用についてですが、
    わたしの友人は、お兄様二人とお母様を五年ほどの間に続けて亡くされ、
    お母様の闘病中に、自分も癌で余命宣告を告げられていたそうです。
    お母様を見送って間もなく彼女も亡くなってしまいました。
    成人された娘さんが二人いるのですが、お兄様の奥様が葬儀を実質仕切られました。
    私がお手伝いにうかがったとき、ちょうどそのお義姉様が葬儀社の方との打ち合わせ中でした。4人共同じ葬儀社ですから言葉は悪いですが、お義姉様は勝手がわかっておられるのだなと感じました。選ばなければいけない部分はすべて一番下のところを選ばれ、
    更にあれもいらないと付け加えられて、打ち合わせは五分程度で終了でした。

    お式は葬儀場こそ小さいホールでしたが、祭壇も立派で、友人が大勢訪れ、葬儀自体が貧弱なかんじは全くしませんでした。

    後日別の友人から、本人が葬儀にお金をかけないでほしいと言い残していたという話を聞きました。彼女には本当に最後までいろいろなことを教わりました。
    亡くなった人への敬意や弔慰は、葬儀の費用には関係ないと割り切る覚悟は
    私にできるかどうかは別として、葬儀社のリサーチは必要ですね。

    • そらはな より:

      ハンナさんへ♪
      ハンナさんのお義姉さんは、すばらしいですね。
      ちゃんとわかった上での判断だと思います。
      私は初めてのことで、一番下のところを選択する勇気がなかった・・・。
      結局、終わってしまえば、高いお金をかけたかどうかは問題ではなく、気持ちの問題なのですよね。
      お友達、本当に潔い方でしたね。
      私も、そのようにありたいと思いました。

  3. kumakuma より:

    T M ♪さんの書いてたこと、私も、同感です。
    思っていたこと、文章にしてくれて、すっきりしました。

    ノートルダム行ったんですね。
    私、内容わからなかったんですが、興味持ちました。
    名前など、覚えたり、良く勉強してるなと感じました。

    • そらはな より:

      kumakumaさんへ♪
      秋田に帰ってきてから、ノートルダムのCDを聞いて、さらにあーだこーだと想像を巡らせています。
      劇団四季を観て、CDを聞いて、また観にいきたくなる。
      このループから抜け出せそうにありません(^-^;