スポンサーリンク

突然亡くなった時に家族が困らないように伝えておきたいこと

父は具合が悪いと訴えてから2時間も経たずに逝ってしまいました。

1日も入院することもなく、私たちに介護させることもなく、父らしい実に潔い逝き方だったと思います。

突然の親の死に直面したとき、困ることはなんだと思いますか?

葬儀なんてやったこともないし、やり方もわからない。
実は、このことに関してはあまり困ることがありません。

私が本当に困ったことは、「ご臨終です」と言われた直後にやってきました。

スポンサーリンク

父が急逝した当日

私にとっては、病院に着いてから父が亡くなるまで、長い長い時間が経過したと思っていたのですが、あとで考えてみると2時間も経っていなかったのですよね。

それくらいめまぐるしくいろんなことが劇的に起こった1日でした。

「ご臨終です」
と、医師に告げられた時も、ドラマのように「わぁぁぁぁーっ!お父さーん!」と泣き叫ぶようなことはなく、ただただハラハラと涙が頬を伝うという状態。

人間って、本当にショックで哀しいときは、声も出ないんだなー・・・なんて、どこかで客観的に自分をみている自分もいたりして。

隣にいる母が、毅然とした態度で
「ありがとうございました」と医師たちに頭を下げるのを見た時、(なんて強い人なんだ)と、心底びっくりしました。

後で聞いたら、母はこの時のことがまったく記憶にないそうで、父が病院で亡くなったのか家で亡くなったのかわからないと言っていましたが・・・。

まぁ、それくらい私たちはパニックだったということでしょう。

スポンサーリンク

葬儀屋をどこにするか

「葬儀屋さんに連絡してください」

父が亡くなったことがまだ信じられずにいる私に、看護師さんが言った言葉。

え?葬儀屋?
葬儀屋って・・・どこに連絡すればいいの?

これが私を最初に困らせたことでした。

父は前日まで元気に庭仕事をしていましたし、80代後半ではありますが車の運転もしています。そんな父と生前、葬儀屋をどこにするかなんて話すことは一切なかったわけで・・・。

困っている私に、看護師さんが持ってきたのは「葬儀屋一覧表」。

「よろしかったら、こちらを参考にしてください」って言われても、たくさん並んでいる葬儀屋さんの中からひとつを選ぶのは至難の業。

「葬儀屋さん、どこにする?」と母に聞いても、母はさっきからずーと同じことをつぶやくばかり。
「今朝、(おじいさんが)苦しいってソファーにすわっていたのに・・・」
「今朝、座っていたよねぇ・・・」

ああ、ダメだ、こりゃ。
母に聞くのは無理だと諦めた矢先、母が突然言いました。

「そういえば○○ホール(葬儀屋)の互助会に入っていた気がする」と。
○○ホールに電話をかけて、状況を説明して、時間の打ち合わせをして・・・
この時にはもう涙はすっかり乾いていました。

泣いているヒマを与えてくれないようになっているんですよね・・・。

病院からどこに連れて帰るか

○○ホールのスタッフが病院へ父を迎えに来たときに言われた言葉。

「お父様は、どちらにお連れいたしますか?」

えっ・・・?どちらって・・・?

  • ○○ホールに直接向かい、そのまま火葬から葬儀までそこで過ごす。家族も寝泊りできる部屋がある。
  • いったん自宅へ連れて帰り、しばしの時間を家で過ごしてから、○○ホールへ向かう

という選択肢。

結局、葬儀屋を○○ホールに決めた時点で、葬儀が終わるまでいっさいのことを、家族は○○ホールにゆだねるということなのです。

しかしゆだねるにしても、結婚式のように事前に打ち合わせをしているわけでもないので、この時になって初めて、私たち家族も○○ホールにずーっと寝泊りするんだ・・・ということがわかったのです。

母が「おじいさんを家に連れて帰りたい」というので、病院から自宅へ父を連れていき、1時間ほど父がいつも使っていた布団に寝せてあげました。

 

訃報の連絡先

自宅の布団に寝かせた父を○○ホールに連れてきたのは、病院で亡くなってから3時間が経っていたころでしょうか。

今後の日程をホールのスタッフが事細かく説明してくれ、私たち家族はそれに従って動くだけ。何一つ余計なことを考えなくてもよいのは、大変助かりました。

ただし、父が亡くなったこの日、最も困ったことが、「父の訃報を誰に連絡をするか」ということ。
こればっかりは、ホールのスタッフの方もわかりませんものね。

親戚などは私たちもわかりますが、父の友人関係、社会的なつながりのある方々が、どの程度いるのかは、母にすら正確にはわかりません。

しかし、父は電話の横に手書きの名簿をちゃんと作っていました。

町内関係、△△の会、××サークルメンバー、中学校同期会などなど、グループ分けをしての名前と電話番号が載っている連絡帳なるものがあったのです。

この名簿の存在に途中で気づいたおかげで、その後の連絡はとてもスムーズに行うことができました。

家族が困らないよう伝えておくこと

父が急逝したことで、生前家族と話をしておいたほうがいいなぁ・・・と、私が思ったこと。

  • 葬儀屋はどこにするかそれとなく家族と話し合っておく
  • 葬儀までどこで過ごすのか決めておく(家で一連の儀式をするのか、ホールに一任するのか)
  • 亡くなった時に連絡してほしい方々を事前に伝えておく

最低限、これだけを確認できれば、あとはプロの方がすべて段取りをしてくれるので、本当に困ったことはありませんでした。

実は私は、中途半端ではありますが「エンディングノート」なるものも作っています。

しかし、うちの父のように急逝した場合は、家族がエンディングノートなんてみるヒマもないのですよね。

記録に残すことも大切ですが、やっぱり生きている間の家族間のコミュニケーションは大切なんだなぁ・・・と、つくづく思いました。

私も、子どもたちが困らないように、葬式はこうやってほしいとか、連絡してほしい人は誰なのか、会話のところどころに盛っていかなければなりませんね。←うざいか?

父がそばにいる感覚

葬儀が終わり、ようやく自宅へ戻ってきました。

遺影の父は、相変わらずニコニコと笑っていて、最初は父をみることができませんでした。
父と目が合うと、どうしようもない感情があふれてきて、哀しくて悲しくて、情緒不安定になるからです。

私、このまま父の写真は見ることができないかも・・・そう思っていました。

父が亡くなって1週間が過ぎたある朝、いつものように出勤前に父に挨拶に行きました。
それまで、遺影の父を正面から見ることができなかったのに、その日は不思議な感覚が体の中にフッと入ってきて、初めて父の目をまっすぐ見つめることができました。

なんというか、父が右肩のほうにいて見守っていてくれる感覚。

私、ふだんは霊とか超常現象とかまったく信じないのですが、この時は「父がそばにいる」って本当にそう思いました。

50年間生きてきて、今が一番父が身近に感じられる。そんな不思議な感覚。

 

仕事にいってきます。
お父さん。

 

 

コメント

  1. しろみ より:

    そらはなさん
    お父様が 近くにいて見守ってくれてる感覚が私にはわかります。
    主人の母と同居してて 亡くなってから49日まで
    本当に ここにいて すれ違った様な気持ちになったりしたのを思い出しました。

    本当に急なことだったのですね
    あっけなくて 辛かったでしょ
    ご家族の寂しさを思うと 胸が痛みます。
    でも、うちの母をみてると
    何年も患って辛いのも可哀想なのですよ

    家族皆が 前を向いて 幸せに生活するのが お父様にとって1番嬉しい事だと思うので
    これからも はつらつそらはなさんの
    記事を楽しみにしてますね^ ^

    • そらはな より:

      しろみさんへ♪
      しろみさんのお母さんに対する接し方に元気をもらっています。
      どんなに親に尽くしても、どんなにいろんなことをやっても、親が亡くなるといろんな後悔が必ずあるものなんですよね。
      遺されたものが、いかに心の整理ができるかということが、これからの永遠の課題のような気がします。
      私も父にパワーをもらって、自分の人生を楽しみたいと思いました。

  2. みぃ より:

    初めまして。
    私も、昨年10月に父が67才で亡くなりました。
    その後の様子、ひと段落してからの父への想い…
    どれも、私と同じだ!と思い拝見致しました。
    私は今37才ですが、エンディングノート作ろうかなと思ったぐらいです(^_^;)

    若い頃は鬱陶しがったりもしたけれど、亡くなってからのほうが、感謝したり父の愛情を感じたりしてます。
    そんなもんですかね^ ^

    • そらはな より:

      みぃさんへ♪
      はじめまして。
      お父様、67歳の若さで亡くなられたんですね。
      まだまだたくさんやりたいこともあったでしょうね。
      本当に、亡くなってから改めていろんなことを考えるようになり、これが父が遺してくれた私への課題かな・・・とも思っています。
      そんなものなんでしょうね・・・。

  3. ハンナ より:

    そらはなさん
    お父様お亡くなりになられたのですね。お悔やみをもうしあげます。
    それにしても、お父様はご立派な最後でしたね。
    私もこんなふうでありたいと思いました。

    無事にお葬式を終えられ、仕事へと出られる日常に戻られたご様子ですが、
    お疲れが出ませんように。ご自愛下さい

    • そらはな より:

      ハンナさんへ♪
      葬儀まではバタバタと時間に追われ儀式を次々と執り行うので精一杯なのですが、そのあと自分の生活が日常に戻ってからのほうが、ずーっと大変なんだと、今になって実感しています。
      私も父のように生きたいと思いました。
      コメントありがとうございます。

  4. マギー より:

    そらはなさん、大変でしたね。
    お父様、お悔やみ申し上げます。
    私の父は認知症になり持病をこじらせ五年前亡くなりました。
    認知症の始まりの頃、自分の誕生日に私達姉妹の家族、親戚を集めて自分の葬儀について語ったのです。色々申し送り最後に喪主は私の旦那にお願いしたいと言いました。
    そして認知症も悪化し、家族の顔もわからなくなり、亡くなる数日前に私の旦那に、「あなたの顔も名前も存じませんが、何か大切な事を頼んでいた気がする。どうぞよろしくお願いします。」と手を握りしめたんです。旦那は号泣しうなづいてました。父が亡くなり
    旦那は立派に喪主を務めてくれ、父も喜んでいたと思います。
    そらはなさんのブログ読んで父の事思い出しました。
    人って、予知能力とかあるのかな〜。

    • そらはな より:

      マギーさんへ♪
      お父様、立派ですね。
      自分の葬儀について語るなんて、なかなかできないこと。
      そのようにしてくれた方が、遺された家族にとっても本当にありがたいことなんでしょうね。
      お父様の最後の言葉・・・涙が出ました。
      マギーさんのご主人も家族を守っていくという責任感が増したと思います。
      言葉できちんと遺言できることって、その時は考えたくないことでも、とてもとても大事なことなのだと思いました。
      自分の人生を後悔しないように生きていると、逝き方まで後悔しないようにできるものなのかも・・・なんて、今思っています。

  5. あさママ より:

    そらはなさんへ

    この度は 本当にお辛いお気持ちお察し申し上げます。
    哀しむ暇もないぐらい お亡くなりになられた後は 目まぐるしく
    押し流されるように 時が経っていきますよね。自分が思っている以上に とても心労が重なってます。お身体 気をつけて大事になさってくださいね。

    私も 父のこと しばらくの間 いや 随分 、もしかしたら 今でも 思い出しては 後悔したり 納得してみたりの日々です。
    時が 癒してくれるといいますが なかなか
    難しいのが …私の実感です。
    でも 夢に出てくる父は だいぶん少なくなって来ました。
    御家族の皆様 お身体に気をつけて、
    ご自愛くださいませ。

    • そらはな より:

      あさママさんへ♪
      ありがとうございます。
      たぶん親が亡くなるということは、一生後悔したり納得したりを繰り返しながら、自分の心を少しずつ整理していくしかないのでしょうね。
      それは解決することのない心の問題でしょうけど、時間は癒しにはなっていくんでしょうね。
      実は、今が一番忙しいです。
      父のやりかけの仕事の引継ぎで、関係者の方との連日の相談。
      ああー、歳をとったらいろんな責任あることからは、退く勇気も必要だよー・・・と、父にちょっとだけ愚痴を言ったりしています(^-^;

  6. ぽんきんかぼちゃ より:

    私の父も先月亡くなりました。今は遺品整理に明け暮れています。すごい量で、五トン分のごみを捨てても、片付きません。
    もっと困ったことに、同居していたのに…父の大切な書類が見つからなかったのです
    例えば生命保険証書 年金証書 母の実印 すべて再発行 再登録しました。はがきや通帳の引き落としの記録をたどり、大変な作業でした。
    でも、父はやはり 遺影だけは用意していました。16年も前に撮っていた…。
    なんか、いろんなことを考えましたね。

    • そらはな より:

      ぽんきんかぼちゃさんへ♪
      ああーーーー。
      まさにぽんきんかぼちゃさんの状況が、まもなく私にもやってくるんですよね。
      膨大な遺品・・・。
      そして書類上の手続き。
      大事な書類は、一か所にまとめていなければならないと、つくづく思っています。
      ゆっくりぼちぼちやっていくしかないですねぇ・・・(^-^;

  7. うさこ より:

    そらはなさん。
    いつもブログを楽しみにしています。
    そして、お父様の事をお悔やみ申し上げます。
    まだ近くにいる感覚、分かります。
    私も3年前に61歳だった父が3ヶ月闘病生活で亡くなりました。
    でもきっと近くにいらっしゃるんですよ!
    私は嫁いで両親とは離れて暮らしていたので余計近くに感じだけどものでした。

    「親を失って初めて子は親になれる」あまり話さない父が珍しく私に教えてくれた言葉。
    こんなに寂しい思いをするのならば親になりたくない!と何度思った事か。
    そして、そんな父は祖父母より先に亡くなったので親になる事なく。。。なんでしょうか。

    そらはなさん。とても苦しいでしょうがどうかご自愛ください。

    • そらはな より:

      うさこさんへ♪
      うさこさんのお父様は、61歳の若さでお亡くなりになったのですね。
      「親を失って初めて親になれる」まさにその通りだと思いました。
      親を見送って、今まで知らなかったことがたくさんありました。本当に勉強になりました。
      こればっかりは予行練習なんてできませんし、ひとつの経験がまたひとつ成長させてくれるんでしょうね。
      父ののこした仕事の整理で、今はとても大変ですが、父がそばにいると思うので、父が困らないようにきちんと引継ぎをしたいと思います。