ふきのとうを見つけたら、ぜひぜひ作ってほしいのがふきのとう味噌です。
1個からでも作れますし、ちょっとくらい蕾が開いていても大丈夫。
ふきのとうのほろ苦さと甘めの味噌ダレで、春が感じられる一品です。
しかし、手間を省いて時短で作ると、痛い目にあいます。
ふきのとう味噌の作り方
秋田ではふきのとうのことを「ばっけ」と言います。
そして、ふきのとうで作るばっけ味噌は、春を感じる最高の贅沢な食べ物です。
ちょっとくらい花が咲きそうになっていても大丈夫です。
摘み取ったふきのとうは、流水で洗ったあと、しばらく水につけておきます。
こうすることで、細かい砂やゴミが浮いてくるほか、ふきのとうの苦みもマイルドになります。
1時間ほど水につけておいたふきのとうを、今度は熱湯にさっとくぐらせるのですが、お湯を沸かしている間に、味噌ダレを作っておきます。
味噌ダレの分量は
▪味噌 大さじ2杯
▪砂糖 大さじ2杯
▪みりん 大さじ2杯
▪酒 大さじ2杯
これらをよく混ぜておきます。
お湯が沸いたらふきのとうを入れますが、30秒ほどで十分です。
茹でるのが目的ではなく、アク抜きをするのが目的です。
庭に自生しているふきのとうの消毒も兼ねています。
また、お湯にくぐらせることで、色もきれいな緑色になります。
湯がいたふきのとうは、ザルにあけて水で冷やします。
そして水気をギューッと、これでもかっ!ってくらい絞ります。
そして、ふきのとうを細かく刻みます。
フライパンにサラダ油を入れて、刻んだふきのとうをさっと炒めます。
全体に油が回ったところで、味噌ダレを投入。
このまま水分が飛ぶまで炒めます。
5分以上炒めてると水分がほどよく飛んできます。
あとはお好みの固さになるまで炒めます。
一塊になってほどよくテリが出たら完成です。
つやつや、ピカピカのふきのとう味噌。
最初に味噌のやさしい甘さが口の中に広がり、遅れてふきのとうのほろ苦さが、ほわん、と鼻に抜ける感じ。
これはたまりません。
まさに春を味わう最高の食べ物です。
今しか味わえないものをいただけるって、最高の贅沢です。
ふきのとうの天然毒
実は先日、ふきのとうを茹でずに、生のまま刻んでフライパンで炒めてふきのとう味噌を作ってみました。
ふきのとうは1時間ほど水にさらしただけですが、わざわざ茹でなくてもフライパンで炒めて火を通せばいいんじゃないか…?と考えたわけです。
これなら時短でふきのとう味噌が作れますから簡単です。
できあがったふきのとう味噌は、ほろ苦で春の味!
この苦さがいいのよね!
と、思ったのですが・・・。
そのあと、舌に残る苦み成分のピリピリ感。
それがずーっと口の中で続く不快感。
調べてみてわかったのですが、どうやらこれはふきのとうに含まれる天然毒の成分らしいのです。
ピロリジジンアルカロイド類という毒は、植物自体が動物や昆虫に食べられないようにするために自ら作る天然毒です。
しかし、水にさらしたり茹でこぼすというあく抜きにより、この天然毒は減らすことができます。
私は、ふきのとうを水にさらしたけれど、茹でこぼすというひと手間を省いたために、昆虫でさえ食べない天然毒を食べたのですよっ(;・∀・)
日本国内では、これまでに食品によるピロリジジンアルカロイド類による健康被害の発生はないそうですが、危うく最初の一人になるところでした( ;∀;)あっぶねー!
もっとも、ふきのとう味噌なんて一度に大量に食べるものではないし、旬の時期は短いため、これまで大々的な健康被害の報告はないのでしょうけど、私が感じた舌のピリピリ感は、小規模な健康被害なんだろうな…。
なんでも時短、簡単が良いわけではなく、日本人が従来より行ってきた伝統的なあく抜き方法は、やはり理にかなっていることなんだと、再認識しました。
結論
ふきのとうは
①流水で良く洗い
②たっぷりの熱湯で茹でこぼし
③その後流水でよく冷やしたあとしばらく水にさらしておく。
天然毒は水にさらす時間が長ければ長いほど、水に溶け出すので減らすことができます。
みなさんも、毒のないおいしいふきのとう味噌を作ってみてくださいね。←オマエが言うな
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