舞浜アンフィシアターで劇団四季のミュージカル『美女と野獣』を観てきました。
舞浜での観劇は2回目、旧バージョンも含めるとなんと7回目となります。
毎回新しい発見があって、観劇するたびにワクワクしています。
進化した舞台セット
昨年観劇した際には、舞台セットがかなり簡素化された印象を受けました。
デフォルメされたセットには、観客の想像力に委ねる意図があったのかもしれません。
しかし、今回観てみると、まったく違う印象を受けました。
舞浜アンフィシアターの半円形の舞台で展開されるデフォルメされた舞台セットが、まるで「飛び出す絵本」のように見えたのです。
なんて素敵な演出!
『昔々あるところに…』と始まる物語だからこそ、絵本をめくるような舞台にしたのかと想像が膨らみました。
印象に残ったキャスト
1. 飯田ビースト
飯田ビーストの魔法に完全にかかってしまいました。
飯田達郎さんといえば『ノートルダムの鐘』のカジモドが印象的ですが、「醜い鐘つき男」が今度は「野獣」となり、魔法がとけると「王子様」になるのです。
野獣として登場した飯田さんは、カジモドと同じ人物とは思えないほど、声も動きも野獣そのもの。
特に、1幕最後のソロパートは本当に圧巻で、切なく、激しく、悲しい気持ちをこれほどまでに歌に込められると、見ている側は息をのむばかりでした。
涙が頬を伝わって初めて「ああ、私は今感動しているんだ」と気づいたほどです。
飯田カジモドの「石になりたい」でも同じく感情を揺さぶられましたが、飯田さんは苦悩や悲しみの歌を歌わせたら右に出る者はいないのではと思います。
ところが、2幕になると急におふざけモードに入り、ルミエールやコッグスワースとの掛け合いが漫才のようで楽しい。
ベルの前では子どものようにはしゃいだり怒ったりする無邪気さが、エスメラルダを前にしたカジモドと重なる場面もありました。
魔法がとけて王子様になると、今度はその表情たるや、威厳と堂々とした佇まいで、再びカジモドとはまったく異なる人物に見えます。
飯田ビーストはもう一度観たい!
同時に飯田カジモドも観たい!という、わがままな感情が芽生えてしまいました。
飯田さん、ぜひ定期的にビーストとカジモドを演じてほしいです。
2. 平田ベル
昨年観たときも平田ベルでしたが、表情豊かでかわいらしいベルです。
ちょっぴりイタズラ心もあって、勝ち気な雰囲気もあり、どこか現代的な女子のようにも見えました。
平田ベルなら、王子様と結ばれて「めでたしめでたし」で終わるのではなく、きっとお城の改革や町の人たちの偏見をなくしていくのでは?と想像してしまいました。
3. 酒井ガストン
歴代ガストンの中で1番“おバカ”っぽいガストンです(良い意味で!)。
どうしてこんなにバカっぽく見えるのだろうとずっと考えていたのですが、きっと酒井さんの表情や動きがそれを表現しているのですよね。
酒井ガストンは「男の中の男」ならぬ「役者の中の役者」だと感心しました。
4. 大木ルミエール
大木ルミエールは、しゃべる時にクイッと右の眉毛を上げるので、アニメのルミエールを彷彿とさせます。
また、ちょいちょい客席に向かってウィンクするんですよね。
その色気たっぷりの演出が斬新で、いやらしいルミエールが好きな私にはたまりませんでした。
アンサンブルあっての劇団四季
『美女と野獣』の最大の見せ場である「ビー・アワ・ゲスト」では、旧バージョンのような大掛かりな舞台セットはなくなりましたが、キャストとアンサンブルのすばらしい歌声と表現力だけで夢のような世界に引き込まれます。
これこそ劇団四季の真骨頂です。
アンサンブルがあってこその劇団四季だと改めて感じ、幸せな時間を過ごしました。
欲を言うならば
リニューアルバージョンではいくつかのシーンがカットされ、特に2幕はあっという間に終わってしまいます。
「えっ?魔法がとけたら、もう終わり?」と、少し物足りなさも感じます。
みんな人間に戻ったのだから、もっとウキウキして踊り明かしたりしても良いのでは?
ビーストのソロももう一曲あっても良いのでは?と思います。
もう少し余韻に浸りたかったですが、きっと、魔法の時間はどんなに長くても、あっという間に過ぎてしまうんでしょうね。
次の観劇が待ち遠しいです。
また素敵な舞台に出会えますように!
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