劇団四季【エビータ】を観てきました。
秋田公演は都合によりどうしても行くことができないので、仙台まで遠路はるばる出かけたというわけです。
実は、最初はエビータなんて観る気は全然なかったのですよ。
しかし、エビータの音楽は、オペラ座の怪人やキャッツなどのミュージカルを作曲したアンドリュー・ロイド=ウェバーだと知り、俄然観たくなりました。
そんな劇団四季【エビータ】観劇の感想です。
エビータあらすじ
エビータとは、アルゼンチンに実在したエバ・ペロンという女性の愛称。
アルゼンチンの片田舎に私生児として生まれた彼女が、若干15歳で野心を抱き、男たちを次々に乗り換えながら、ついに大統領夫人にまでのし上がっていく・・・そんな彼女の夢と野望を描いた物語です。
そして、エビータの半生を、客観的に、時には皮肉めいて、時にはエビータと対峙しながら、物語の進行役として登場するのがチェ。
このチェの存在が、非常におもしろいスパイス的な役割を担っていました。
また、【エビータ】はほとんどのセリフが歌で構成されているので、ミュージカルが苦手な人にとっては不評だったとも聞きますが、私は鳥肌モンでした。
だって、いつもの事ながらキャスト全員のすばらしい歌唱力は圧巻でしたもの。
33年間というエビータの短い人生を通して、当時のアルゼンチンの状況なども垣間見ることができ、いろいろなことを考えさせられる作品でした。
劇団四季エビータキャスト
エビータ仙台公演のキャストです。
チェ:芝清道
ペロン:北澤裕輔
マガルディ:日浦眞矩
ミストレス:平木萌子
芝チェ、キタ――(゚∀゚)――!!
仙台公演の数週間前、芝さんがトリトンをやっているのはチェックしていたので、ずっと念じていたんですよ。
芝さん、お願い。海にもぐるのもいいけれど、仙台には絶対に来てね!・・・って。
そうしたら、仙台公演の前の週には、芝さんは海にもいないし、ノートルダムの大聖堂にもいない。
いったいどこへ行ってしまったの?と探し回りましたよ。
まさか、裸になって王様やってないよね?とも思ったし。
だから、仙台に芝チェが来るとわかった日には、そりゃあもう大興奮ったらありゃしない!
以下、感想を箇条書き。ネタバレ含みます。
〇オープニングはいきなりエビータの葬儀から。
アンサンブルのエビータコールが次第に大きくなって、割れんばかりの大合唱は鳥肌もん。
〇そんな鳥肌最中に、客席通路をスタスタ歩く人影。
遅れて入ってきたのになんて堂々と歩くお客なの?と、いささかムッとしたけれど、それがまさかの芝チェ登場。
芝さんの腰回りが超細くて驚いた!
〇エビータの葬儀で悲しみの大合唱から一転。
芝チェがノリノリで陽気に踊って歌い出した。
芝さんは、気品に満ちたフロローの印象が強かっただけに、「芝さん、踊るんだ。。。」とにやついてしまった。
それにしても、芝さんの声がステキすぎてうっとり。
〇タンゴ歌手マガルディは日浦さん。初めてお目にかかります。
日浦マガルディは、お腹に響くすばらしい歌声です。
で、調べてみたら日浦さんってテノールの声楽家なのですね。
「星降る今宵」に聞き惚れました。
〇15歳のエビータとして登場した江畑さん。
ウィキッドのエルファバ役でお目にかかったことがありますが、江畑さんの歌唱力には度肝を抜かされた記憶が蘇ります。
15歳のエビータを演じた江畑さんは、若さ弾けんばかりの、それでいてまだ垢抜けない田舎娘といった雰囲気を見事に演じていました。
〇エビータが男を次々に取りかえていくシーン。
小さな家が回転するたびに、扉から出てくるエビータの衣装が変わっていくので表現されていて、舞台演出家って本当によく考えるなぁと感心しきり。
それにしても江畑さん、一人で早着替えしているわけじゃないよね?
ならばあの小さな家の中に着替えを手伝う人たちがいるってことだよね?(←余計なお世話だけど)
〇平木ミストレスが初々しい歌声だった。
ペロンがエビータを家に連れて帰ると、部屋にはペロンの愛人のミストレスが待っている。
でもエビータは堂々とその愛人を追い出しちゃうんですよね。
平木ミストレス、高音がちょっと不安定な感じで、それがまた追い出された悲しみを表現しているようで、かわいそうに思えました。
〇ペロンが地位をあげていくシーンは、椅子取りゲームで表現されているところがおもしろかった。
しかも、ペロンの卑怯な手段も笑えるように表現されていて、なんだかペロンって小心者で腰抜けなんだなぁ・・・って思ってしまった。
それにしても、蹴落とされた軍人さんたちも全員歌うま!
北澤ペロンは、美女と野獣の北澤ビーストでお目にかかったことがあるんだけど、北澤さんも年をとったなぁ・・・という印象。
相変わらず声は紳士的でステキでしたが。
〇1幕最後の「New Argentina」は、まさに江畑さんの真骨頂発揮。
力強い歌声で民衆を扇動していくエビータ。
高音もひとつもブレることがない江畑さんの迫力と、アンサンブルの歌声は半端ない。
劇団四季の大好きなところって、ここなのよね。
全員が歌唱力半端なくて、震えるほどの感動。
私もアルゼンチンの国民になって「エビーター!」て叫びたいくらいだったわ。
〇共にいてアルゼンチーナ。
エビータが最も輝いていた頃ですね。
15歳の野暮ったいエビータはもういなくて、美しく着飾って化粧をした大人のエビータが、民衆に語りかけるように歌う姿は、まさに聖母のように見えました。
ほんと、江畑さんって歌うまいよねぇ。
〇エビータの慈善活動に批判が出てきたころ。
江畑さんが真っ赤な口紅をつけて、むくれて唇を突き出す表情がなんともかわいらしくて。
それを、芝チェが皮肉をこめて踊って歌うんだけど、芝さんの踊りがなんとも昭和チックで笑えた。
いや、そういう演出なんだろうけど、高貴で狂気に満ちた芝フロローが、こんなおどけたチェになるかと思うと、それがますますギャップ萌えで惚れる。
〇エビータとチェのワルツ。
エビータの中でここが一番好きだった!
ここは、どちらかの歌唱力が劣っては絶対ダメな場面で、両者譲らない歌の駆け引きと、その先の想像もつかないメロディに、目と耳が釘付けに。
やっぱり江畑さんと芝さんって、すごいの一言!
〇プロローグに驚いた。
最後はエビータが亡くなるんだけど、それが尻すぼみ的な感じで終わるので、えっ?これで終わりなの?と思ってしまった。
例えばノートルダムのカジモドもエスメラルダも最後は亡くなるけれど、ガツンと一発声高らかな大合唱で感動の渦に巻き込んで終わり・・・といった演出だけど、エビータの終わり方はあまりにも寂しい。
野望を持って夢を叶えたエビータが、最後は33歳という若さで病魔に倒れ、ペロンにも見捨てられて亡くなるのを象徴していたんだろうけど、ちょっと肩透かしを食ったような印象でした。
〇カーテンコールはやっぱり芝さん。
●回目のカーテンコールの時に、キャスト全員で手を振ると決めていたんだろうけど、芝さんはその前の回のカーテンコールで一人手をあげてしまって、会場を笑わせてくれました。
やっぱり芝さんってオチャメ。
芝チェを観たあと、芝フロローを観ることができたら、どんなにステキだろうなぁ。
ノートルダムの鐘が観たくなりました。
浅利慶太さんの追悼記念公演でもあるエビータ。
浅利さんが初めて訳詞を手掛けた作品でもあります。
特に『共にいてアルゼンチーナ』の歌詞は、劇団の仲間たちへの想いを重ねていたといいます。
そんなことも、エビータを観終わったあとに知って、やや後悔。
もしも、これからエビータを観劇される方は、浅利さんの想いを重ねながら聞いてみてくださいね。
コメント
そらはなさんのブログのファンで、劇団四季のこと、家計のこと、子育てのことなど、大変参考になり、興味深く読ませていただいております。初めてコメントいたします。エビータは初めて観ますが、そらはなさんの感想を読み、ますます明日の秋田公演が楽しみになりました!素晴らしい歌と演出、満喫してきます!
月の光さんへ♪
わぁー!秋田公演行かれたんですね(#^^#)
どうでした?どうでした?
芝さん、ノリノリで踊っていたでしょ?
そして江畑さんの歌はサイコーだったでしょ?
アンドリューさんの曲調も、天才でなければあんなメロディー生まれないですよね。
エビータ、また観たい作品のひとつとなりました。
行ってきたわよ❗️秋田公演。
キャストはそらはなさんが観た回と同じでした。
舞台から市民役のキャストが降りてきて、目の前で歌声や、ダンスを観れたのでラッキー
芝さん素敵っ。
コーラスラインも楽しみですよね。
水仙さんへ♪
秋田公演も仙台とまったく同じキャストでしたねー。
ああー。秋田公演も行きたかったなぁ。
私の横でも、市民役のキャストが歌ったり踊ったり手をふったりして、なんだか私もアルゼンチンの国民になった気分でした(#^^#)
そらはなさん、こんにちは。
あぁ、エビータ。
広島公演もあるのですよ。
だけど今回はチケットを買わなかったという、、、。
先日ノートルで京都に行ったし、
来年早々、フィギュアスケートのショーにQUEENのコンサートと立て続けに散財しちゃうので見ないふりしてたの。
でも、そらはなさんのレポを読んだら胸がザワザワするわー。
うぅ、、。
るり玉さんへ♪
えっ!!クイーンのコンサートに行かれるんですか?
いいなー!私も行きたい~!
ほんとに、自分の欲望のままに生きていたら、観たいもの、行きたい場所がたくさんありすぎて、お金がいくらあっても足りませんね(^-^;
優先順位をよーく考えなければねー。
私は、芝さんが出てるってだけでエビータが万々歳でしたから、きっとるり玉さんなら野中さんが出てればなんでも観たいって気持ちと一緒かなぁ?
だけど劇団四季ってキャストで公演を選べないのがもどかしいよね!