90代の母がグループホームで暮らすようになって2か月。
面会に行くたびに、安心する気持ちと、ちょっぴり胸がぎゅっとなる感情が交差します。
今回は、季節の変わり目に合わせて、夏の寝具と衣類を持っていきました。
衣替えの必要がないありがたさ
面会の前に、母の部屋に寄って、持参した衣類を洋服ダンスに収めました。
夏用の薄手の掛け布団も持参しましたが、部屋の収納スペースはたっぷりあります。
衣類や寝具を季節ごとに入れ替える必要がないのは、とてもありがたいことです。
引き出しには、夏用の下着、スラックス、クローゼットには七分袖のブラウス、スカートもしまいました。
でも、引き出しの中はごちゃごちゃしていて、下着や靴下、ブラウスが混在していました。
今の母もかわいらしい
ホールに行くと、母はいつもの場所に座っていました。
少し伸びた白髪はストレートで前髪もあり、なんともかわいらしい印象。
私が幼い頃から母の髪型といえば、短めのパーマにおでこを出した“昭和のお母さん”スタイル。
「パーマをかけないとボリュームが出ないのよ」と言っていた母ですが、年齢のわりに毛量は多く、今のストレートヘアもよく似合っています。
会話は相変わらず
母との会話は、これまでとあまり変わりません。
子どもや孫の名前を一通り連呼したあと、私の問いかけにはしっかり答えてくれました。
・ごはんは用意してくれるから全部食べている
・お風呂には「お風呂だよ」と声をかけてもらって入っている
・膝や腰にはサポーターをしているので、痛くない
・今はみんな年寄りを大事にしてくれるから恵まれている、ありがたい
そう語る母は、顔色も良く、血色も良好で、元気そうでした。
ただ、私のことはもう娘としては認識できていないようで
「お寺さんには、お盆とお正月にうちの◯◯(←私の名前)がお布施を渡しているんじゃないかな?」と、まるで他人のことのように話していました。
ポータブルトイレの設置
今回、前回と違ったのは、母の部屋にポータブルトイレが置かれていたこと。
スタッフの方によれば、夜間に何度かトイレに行くこと、そして「トイレが遠い」と母が話したことから設置したそうです。
母本人は「夜中にトイレに起きることはない」と言っていましたが、スタッフの方々がそのあたりをしっかりカバーしてくださっていることに感謝するばかりです。
手洗いのこだわりも今はなく
在宅時や老健入所中は、母はずっと下着を自分で手洗いしていました。
老健では、洗濯物を他の部屋や廊下の手すりに干してしまうこともあり、洗濯物スタンドを持ち込んだこともありました。
でも今は、スタッフの方がすべてお世話してくださっていて、母も手洗いはしていないそうです。
きっと、安心して任せられる環境にあるからこそ、そういう変化が生まれたのでしょう。
洋服を引っ張り出してはまたしまう
帰り際、スタッフの方が教えてくれました。
「洗濯物は私たちがきれいに畳んでタンスにしまっているんですが、お母さまがそれを引っ張り出して広げてしまうんです。
最後には自分で引き出しに突っ込んじゃって(笑)」
ときには、ベッドの上に下着や洋服が広げられていることもあるそうです。
「でも今日は、(お部屋は)とてもきれいなほうですよ」と笑顔で教えてくれました。
もしかしたら、母なりのファッションショーでもしていたのかもしれません。
穏やかに暮らせる場所があることへの感謝
母の表情や言葉の端々から、グループホームでの暮らしに安心していることが伝わってきました。
時折せつなさも感じつつ、今の母の「日々の穏やかさ」をなによりも大切に思います。
そして、認知症が進んでも、母らしさはちゃんと残っていることも確認できました。
サポートしてくださっているスタッフの皆さんへの感謝の気持ちを胸に、また母のもとを訪れたいと思います。
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