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老健からグループホームへ|初めて見た“母の暮らし”と心の変化

母が老健施設からグループホームへ引っ越しました。
約4ヶ月お世話になった老健を後にし、また新しい生活が始まります。

持っていく荷物は多くありません。けれど、母にとっては大きな転機。
ようやく慣れてきた場所を離れる不安もきっとあると思いますが、これからの日々が「安心できる暮らし」へとつながっていってくれたらと願っています。

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初めて見た、“母の暮らす部屋”

老健では感染対策のため、母の部屋に一度も入ることができませんでした。
限られた面会時間の中、どんな空間でどんなふうに過ごしているのかを、ただ想像するしかなかったのです。

けれどグループホームでは、面会が自由。

先日、入所申し込みの際に、母のこれからの“住まい”となる部屋を初めて見ることができました。

窓からやわらかい光が差し込む、小さな個室。
ベッドとクローゼットだけのシンプルな空間ですが、母の寝具や衣類が並ぶだけで、「ああ、ここで暮らすんだな」と思えました。
やっと“母の暮らし”を自分の目で見ることができた気がして、ほっとした瞬間でした。

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新しく用意したもの、そして必要なくなったもの

今回の引っ越しに合わせて新しく準備したのは、寝具一式。
備え付けのベッドに、自分の布団やシーツを敷いて使います。

それから、スリッパも新調しました。
老健では転倒防止のため、かかとのある介護用シューズが必須でしたが、母はそれをとても嫌がっていました…。
グループホームでは「スリッパでも大丈夫ですよ」と言っていただき、自宅と同じような履き物で過ごせるのはありがたいことでした。

食事用に、茶碗・汁椀・湯呑み・マグカップ・お箸も用意しました。
老健では共通の食器が使われていましたが、グループホームでは“マイ食器”が基本。
「家庭の暮らしの延長」を感じられる、あたたかな配慮です。

一方で、今回の引っ越しで不要になったものもありました。
それが、母専用の洗濯物干しスタンド。

母は自宅でも下着を手洗いする習慣があり、老健でもそれを続けていました。
ただ、施設内の手すりや空き部屋に干してしまうことがあったため、スタッフの方に「専用スタンドをご用意ください」と言われたのです。

グループホームでは、「共用のスタンドもありますし、手すりに干しても全然構いませんよ」と。
その柔らかい対応に、ありがたい思いがしました。

今だからこそ感じる、老健で過ごした時間の意味

「最初からグループホームに入っていた方がよかったのかな」
そんな思いがふと頭をよぎることもあります。

でも、老健での4ヶ月で、母は毎日のリハビリを重ね、歩行がとても安定しました。
そのおかげで、無理なくグループホームへ移ることができたのだと思います。

老健は“リハビリのための場所”。
グループホームは“日常を取り戻す場所”。

この順番には、やはり意味があった…と、そう思いたいです。

新しい暮らしが、穏やかなものでありますように

引っ越しは、ケアマネジャーさんにお任せしました。
その日の夕方、グループホームを訪れると、母は他の入所者さんたちと一緒に食堂の椅子に座っていました。

背筋をしゃんと伸ばし、まっすぐに前を見つめる母。
少し緊張した表情にも見えましたが、不穏な様子はなく、帰りたいとも言わず、静かにその場に馴染もうとしているようでした。

ケアマネさんによれば、引っ越しの際にうまく声かけをしてくださったようで、母は「(新たな部屋に移ることを)もったいないねえ」「申し訳ないねえ」と話していたそうです。
きっと、まだ自分の立場や状況をどこかで気にしているのでしょう。

私のことはもうわからないかもしれない。
それでも、母のその姿を見届けて、安心して家に帰ることができました。

母の暮らしが落ち着いたら、面会に行こうと思います。
そして次は、帰省した子どもたちを連れて。

 

 

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