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施設生活で直面した課題 認知症の母の「その人らしさ」を守る方法

母が老健施設に入所して1ヶ月が経ちました。

家では当たり前だった日常の習慣が、施設で意外なトラブルを引き起こすこともあります。

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認知症ゆえに

認知症の母にとって、新しい環境に馴染むのは簡単ではありません。

自室が分からなくなり、他人の部屋に間違えて入ってしまうこともしばしば。
そんなとき、他の入所者の方とのトラブルになることもありました。

それでも、施設のスタッフの方々が母をしっかりサポートしてくださり、今では少しずつ落ち着いてきています。
特に、食堂から自室へ戻る際にスタッフが先に誘導してくださることで、トラブルを未然に防いでくれています。

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母が手放せない「手洗い」と干す場所問題

とはいえ、どうしても変わらない母の習慣があります。

それは「汚れた下着を自分で手洗いする」ということ。
問題はその行動に伴う場所選びです。

母は、自室の洗面台ではなく、なぜか他の部屋の洗面台で下着を手洗いし、洗った下着を自室ではなく隣の空き部屋や廊下の手すりに干してしまいます。

家にいたときの母の生活を思い出すと、この行動にも理由があるように感じます。
母は家では毎日、自分の下着を手洗いしていました。
その際、リビングを通り、ドアを経て洗面所に行くのが習慣でした。

施設内でも、この延長で「洗う場所」を選んでいるのかもしれません。
また、自室には干す場所がないため、廊下の手すりが「格好の干し場」に見えてしまうのでしょう。

物干しスタンドの導入で安心を得る

この話を姉に報告したところ、「そんなに洗って干したいなら、家の物干しラックを持っていけば?」と提案されました。

確かに良い案だと思いつつ、「施設に余計なものを持ち込んでいいのだろうか?」と少し躊躇していました。

そんな私の気持ちを見透かしたかのように、スタッフの方から「家で使っていた物干しスタンドのようなものがあれば、持ってきていただけますか?」とお願いされました。

「あります!あります!」とすぐに答え、家で使っていた小さな物干しスタンドを施設へ持ち込みました。

すると母は、今ではそのスタンドに毎日せっせと下着を干しているといいます。

家族として「その人らしさ」を支える大切さ

施設に入所したら、その環境にある程度合わせて暮らさなければなりません。
しかし、母の生活スタイルを理解し、受け入れてくださるスタッフの方々には心から感謝しています。

おそらく、廊下の手すりに毎日下着が干してある状況は、スタッフにとっても困りごとだったのでしょうし(笑)。

それを解決する方法を提案してくださった柔軟な対応に、頭が下がる思いです。

家で当たり前だった習慣は、施設に入っても変わらないものなのだと、この1ヶ月で改めて感じました。

母を尊重して家族として支える

母が大切にしている「自分の普通」を守ることは、母が安心して暮らせるための大切な要素です。

そんな母の姿を見て、「その人らしさ」を尊重することの大切さを実感しています。

家族としてできることは、母がその人らしい生活を続けられるよう寄り添いながら支えること。

これからも、母が穏やかに暮らしていけるようにサポートしていきたいと思います。

 

【補足】

母が入所時、施設ではコロナ感染者が出たとのことで、面会は当分の間禁止となっていました。

そろそろ面会制限も解除されると思っていた矢先、今度は母がコロナに感染しました。

症状は軽く、母もすぐに元気になったそうですが、いまだに面会はできない状況が続いています。

それでも、母の様子を事細かに伝えてくれるスタッフのおかげで、安心しておまかせすることができています。

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