休日の午後。
午前中は、老健にいる母のもとへ面会に行き、そのあと用事をすませて買い物まで済ませてきた私。
なんとなくバタバタしていたせいか、お昼ごはんのあとに部屋でゴロゴロしていたら、うとうと夢の世界へ…。
そこへ、在宅ワーク中の夫がリビングにやってきて一言。
「誰か来たよ」
「え?誰?」
「えーっと…ケンコウ? いや、ロウケン?だったかなぁ…」
――ロウケン!!?
老健から!?さっき行ったばかりなのに!?
まさか母に何かあったの!?と、心臓が一気にバクバク。
私は飛び起きて玄関へ猛ダッシュしました。
休日午後の訪問者
我が家は二世帯住宅で、実家側の玄関がメインです。
お客様もほとんどそちらへ来ます。
夫の仕事部屋はその玄関のすぐ横なので、来客対応はたいてい夫の役目。
私が急いで実家側の玄関に出てみると、そこに立っていたのは見知らぬ女性。
薄手のジャンパー姿で、なんとなくフットワークの軽そうな印象。
一瞬、「選挙の人かな?」と頭をよぎりました。
「こんにちは〜!ケンコウ◯◯で〜す!」
「はぁ…」と一応笑顔で返したけれど、すぐに察しました。
これは…勧誘か訪問販売ですね?
「私たち、ハッコー食品の◯◯で、パンを作って販売してるんです〜!」
ああ、やっぱり。
「パンは、自分で作ってるので、大丈夫です〜」とこちらも笑顔で返答。
(ホームベーカリーだけどね)

すると今度は、「お味噌も作ってるんですよ〜」ときた。
「味噌も作ってるので、大丈夫でーす」
(実は大豆の水煮缶で作る“なんちゃって味噌”だけど、一応手作り!)

「味噌まで作っちゃうんですね!なんか、そういう雰囲気ありますもんね〜」
…どんな雰囲気だよ?と内心つっこみつつ、笑顔はキープ。
さらに彼女、「今度、公民館で薬膳鍋を作るイベントがあるんですけど、よかったらどうですか〜?!」
ここで私、最後の切り札。
「薬膳鍋も作ってるので、大丈夫でーす!」
(これはさすがに作ったことないけど…嘘も方便。早く帰ってほしいのよ)
すると彼女、「あ、そうなんですね〜。それなら必要ないですね!」と、あっさり退散。
「わざわざ来ていただいて、ありがとうございました〜」と、なぜか私がお礼を言ってしまう始末。
まどろみタイムを一瞬で吹き飛ばした訪問販売事件。
でも一番の衝撃は、やっぱり夫のひと言。
「ロウケンって言ったら、そりゃ私、焦るじゃない!」
「今度からは、ちゃんと名前を確認してよね!」
って、あんたは子どもか!
…と、夫も思わぬトバッチリを受けたのでした。
それにしても――
薬膳鍋ってどうやって作るんだろう?
ちょっと調べてみよう。
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