先日、お食事処で出された前菜に、こごみの胡麻和えがありました。
こういった季節の旬のものを食べると、なんだかうれしくなるのは、やはり歳をとったからなんでしょうね。
こごみは山菜の中でもクセがなく、めんどうな下処理も必要ないので大好きなのですが、スーパーで買うと一握り数百円とけっこういいお値段。
かといって、自分で山に採りに行くのは、近頃の熊の被害を考えると、ちょっとね・・・。
・・・と思っていたら、なんと自宅の庭にこごみが自生しているのに気が付いたんです。
庭に生えるこごみ
庭の隅に、クルクルと巻かれたシダ植物に気付いたのは、休日のある朝。
この場所は、大きな椿の木があって、その下に剪定した木の枝や落ち葉などを、大量に積み上げていたところでした。
先月、シルバー人材センターの方に庭木を伐採していただいた際に、長年ため込んでいた木の枝を片付けていただきました。
幾分、すっきりしたものの、まだここには細かい枝や落ち葉が幾層にも積み重なり、いずれここもきれいにしたいと考えていたところでした。
このクルクルとしたシダ植物が、こごみ。
若かりし頃の私ならば、たぶん見向きもしなかったでしょうけど、なんせついこの間、ちょっと上品なお店で、こごみの前菜をいただいたばかり。
ほら、ほら。素敵な器に、ちょこっとこごみの胡麻和えがあるだけで、貴重な旬の食べ物で、ありがたさが倍増するではありませんか。
それが、自宅の庭の片隅にこごみが生えていたんですよ。
なんだかテンション上がっちゃいました。
こごみの収穫
こごみは、草丈が10~15cmくらいで葉が巻いた状態の若芽を根元から摘み取ります。
まったく手入れもせずに、勝手に生えてきたので、やや細めのヒョロヒョロとした感じ。
枝をかきわけると、こちらは出たばかりの新芽。
それにしても、1週間前にこのあたりの落ち葉を片付けていた時は、まったくこごみの存在に気が付きませんでした。
なんでもこごみは、一晩に数センチ単位で伸びるそうなので、あっという間に葉が開き、収穫時期を逃しやすいんだそうです。
今年は、庭の片づけに徹しようと思っていた矢先の、思わぬ収穫でありました。
こごみの食べ方
こごみは、クルクルと巻いた部分にゴミが入りやすいので、水に放って巻いた部分のゴミを取り除きます。
庭で収穫できたのは、一握り分。それでもありがたい。
こごみの根元を切って、わずか数分でこのように茶色に変色してきます。
山菜は鮮度が命。
もし、スーパーで売られている山菜などを買うときも、なるべく根元の部分が茶色になっていないものを選んだほうがいいんだろうなぁ・・・・ということがわかりました。
やっぱ、天ぷらでしょ。
天ぷら粉をつけて揚げただけですが、まったくクセがなく、サクサク。それでいて噛んでいるとねっとりとした食感が、ものすごくおいしい。
庭で山菜が収穫できるなんて、こんな贅沢ってないですよねぇ。
庭で育てるこごみ
こごみはクサソテツと呼ばれるシダの仲間。
食用だけではなく、葉が開いたときの美しさから、日本庭園にも植えられ観賞用として楽しむことができます。
高温に弱いので、直射日光の当たらない、湿った保水力のある土地で良く育つそうです。
我が家でこごみが繁殖していた場所は、大きな椿の木の下で、あまり日が当たらない場所。
そして、ここには長年、枝葉や落ち葉を積み重ねており、常に湿っている場所でもありました。
こごみを育てるには、最も良い条件だったのですね。
しかし、父がいったいいつからここにこごみを植えていたのかは不明。
そして、実家の食卓にこごみが上がったという記憶もないので、父も母も観賞用として楽しんでいたんでしょうか?
私は、花より団子で、こごみをおいしく食べる方に走るけれど・・・。
足るを知る
この場所は常にジメジメとしていて、私は近づくのも嫌だったのですが、以前からここにシダ植物が生えているのは知っていました。
だけど、それがこごみだとわかったのは、庭の草木に感心を持つようになったからこそ。
山菜は大好きなのに、目の前にそれがあっても、見えていなかったし、見ようともしていなかったのです。
自分に与えられているものに幸せを見る
君の手に与えられたものがたとえどんなにわずかでも、君がそこに幸せを見つけるなら「足るを知る」充足感で心はきれいに澄んでいく。
「超訳 ブッダの言葉」より
自分に与えられた環境で、どう生きていくかは、心がけ次第で良くも悪くもなるんでしょうね。
文句ばかり言う前に、まずは現状をしっかりと見つめることが大切で、そこからどう変えていくかは、自分次第なんです。
こごみが育つには、湿った土壌で最も良い場所なのでしょう。
ここは、このまま落ち葉を積み重ねておいて、それでももう少し周囲は片付けたいなぁ。
こごみの成長を楽しみに見るためにも、せめて蜘蛛の巣など張らないよう、周囲はきれいにしていくつもりです。
与えられた環境を楽しもう。
「足るを知る」=満足することを知っている者は、心が豊かであり幸福である。
コメント
え!お庭で山菜が採れるって凄い!しかもこごみって、さすがだわーと感心しまくりです
しかし写真を見て衝撃が!!!
そのくるくるしたのうちの庭にもあるの!!
ついこのあいだ庭掃除で何本か見つけたから間違いなく同じもの!
こごみだったんだ。朝から目が覚めました
うちはすでに大きくなってるけどね
えりあママさんへ♪
おおおっ!えりあ家にも、くるくるしたものが生えていましたかー!
こごみとわかれば、来年から食材にできますね。
そちらは暖かいですから、4月には収穫できるのではないでしょうか。
地下茎でどんどん増えるらしいので、邪魔にならない程度に、かつ、食材にできる程度に庭に繁殖させたいです。
そらはなさん、こんにちは。シナモンです。
子どもの頃、家族で、山菜採りに近くの山に行ったことや、10年前に亡くなった父は、今頃の季節、お休みの日に早朝から山菜採りに行って、ナップサックいっぱいにゼンマイやワラビを採ってきて、家族総出で綿毛を取ったなあ、ってブログを読んでいて、ふと懐かしい光景を思い出しました。
あと、実家付近の田んぼのあぜ道に野フキが生えてて、それを母が摘んできて、食べたり、ヨモギをいっぱい摘んで草餅を作ったこととか。。子どもの頃は、それほど有り難ことと思わなかったけど、貴重な体験だったのかなとふと思います。
シナモンさんへ♪
私も子どものころ、家族で山菜採りに行きました。
わらびをたくさん採ったこと、途中の木に蛇が巻き付いていたことなど、今でも強烈に印象に残っています。
お金はかけなくとも、そんな思い出が貴重な財産となるんですね。
そんなことを考えたら、ふと、私は子どもたちに何を残せたかなぁ・・・と、考えてしまいました(^-^;