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子育てが楽しいと思えなかった自分へ今だから言えること

旧ブログ(現在は非公開)にいただいたコメントより、自分の子育てについての雑感を綴っています。

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ベビーシッターという選択

長男が生後10か月になった時、ベビーシッターにお願いしたことがあります。
当時、夫の転勤で千葉市に住んでおり、長男が10か月になった時、私は育休明けで職場復帰しました。
幸い、職場の近くの保育園に長男を預けることができたのですが、保育園へ通い出してから2週間目に、長男は水ぼうそうになってしまいました。

共働きで核家族、実家は遠くてアテにできない。
そんな我が家の選択肢は、ベビーシッターしかなかったのです。

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集団保育の宿命

水ぼうそうの潜伏期間は2週間なので、保育園に預けてすぐに長男は水ぼうそうにり患したことになります。
しかたがない・・・。これが集団保育の宿命です。

仮に水ぼうそうにならなかったとしても、保育園に預けて最初の1年間は常に鼻水を垂らし、月に1~2度は必ず「お熱があるので迎えにきてください」コールが保育園からかかってきました。

職場復帰した初日、上司に言われました。
「あなたは核家族で実家も遠いから、子どもが感染症(水ぼうそうなど)で長期に休まなければならない場合の預け先を考えておくように」と。
女性上司でしたが、なんて冷たい人なのかしら・・・と、その時は思いました。

でも、働く以上は当たり前のことです。
子どもが突発的な発熱などで1日~2日休まなければならないときは、夫と交代で休んだりしてなんとかなりますが、水ぼうそうのように1週間~10日も休まなければならない場合は、なんとかならないのです。

私が休むことによって、同僚には迷惑をかけることになりますし、私も心苦しくて休んでいられません。
上司の言うことはもっともだと思いました。

保育園などの集団保育に預ける以上、子どもは必ずや何かの病気にかかります。
それを繰り返すうちに免疫力も体力もつき、子どもは元気にたくましく育っていきます。
これはしかたがないことなのだとわかっていても、私のように実家も遠く、子どもが病気になった時も誰にも頼めない時は、本当に途方に暮れてしまいます。
そして、そのころ実家の母は入院しておりました。

これ以上、仕事は休めない。
ならばお金を払ってベビーシッターを頼むしかない。
そんな結論に至るまでは、そんなに時間はかかりませんでした。

ベビーシッターにかかった費用

もう30年近く前のお話なので、ベビーシッターの費用も今とはちがうかもしれません。
当時はインターネットもまだ普及していない世の中でしたので、ベビーシッターは電話帳を開いて探しました。

詳細な情報もわからず、ベビーシッターの相場もわからず、不安なまま、それでも藁にもすがる思いで何件か電話をかけ、自分の条件ともっとも合うベビーシッター派遣会社へ依頼することになりました。

●生後10か月の子どもが水ぼうそうであること
●平日7時30分~17時30分までシッターさんにお願いしたいこと

そして、自分の住所を伝えると、ベビーシッターに登録している方で一番近くに住んでいる方が派遣されることになりました。
とはいえ、バスを乗り継いで自宅まできてくれるシッターさんの交通費は、こちらで負担しなければなりません。

ベビーシッターの基本料金は、平日時間内(8時~17時)であれば時給1,200円。
それ以外の時間になれば時給1,500円。
私は朝の30分と夕方の30分が時間外となるので、1日にかかる費用は12,300円です。

他に入会金10,000円。年会費2,000円。
そしてシッターさんの交通費。

夫も2日間は会社を休んでくれたので、ベビーシッターにお願いしたのは平日の5日間。
総額73,500円+交通費

当時の家計簿なんて残っていませんが、「ベビーシッター頼んだら8万円もかかった!」なんて友達に言っていた記憶がまだ鮮明に残っております。

ベビーシッターのメリット・デメリット

ベビーシッターのメリット

1.私が安心して仕事ができる

なんといってもこれに尽きます。
シッターさんは40代くらいの女性でしたが、とてもやさしい雰囲気の方で、安心して長男をお願いすることができました。
初日は、私が出勤するときは泣いていた長男ですが、2日めからはシッターさんにも慣れ、泣かずにバイバイしてくれました。
今にして思えば、長男の順応性の高さにもびっくりします。

またシッターさんは、その日の長男の様子をこと細かくノートに記録してくださるので、1日どんな風に過ごしていたのかがよくわかりました。

2.子どもの離乳食を栄養バランスを考えて作るようになった

シッターさんは基本的火を使ったりする料理はしません。
電子レンジで温めるくらいのことはしてくれます。
なので、私が長男の昼食やおやつを用意しなければなりません。

当時10か月の長男。
離乳食まっさかりの時期でしたが、よそ様に食事を食べさせてもらうとなれば、めちゃくちゃ気を遣いました。
瓶詰のベビーフードを置いていくには、少しばかり気が引けましたので、朝から長男の離乳食を作りました。

そうめんを茹でたり、鶏ささみにホワイトソースをからめたもの。
人参をコンソメで薄味に煮てすりつぶしたもの。
バナナは冷凍しておいてのヨーグルトあえ。
おやつには、赤ちゃん用おせんべいと赤ちゃん用りんごジュース。

人に見られるとなると気をつかう。
出勤前の大仕事でした。

「お母様の愛情あふれるバランスのよいお食事」
なんてシッターさんには毎日ほめられていましたが、内心とっても大変だと思っていました。

3.部屋がとてもきれいになった

出勤前の朝はドタバタしていて、部屋はちらかったまま出ていくことが多かったのですが、家にシッターさんがやってくるとなれば、そうはいきません。

離乳食作りをして、さらに部屋も掃除する。
おかげで部屋がとてもきれいになりました。

そして、そのときの習慣が身につき、部屋は常に(ある程度は)片づけるようになりました。

ベビーシッターのデメリット

なんといっても費用がかかる。
ベビーシッターのデメリットはこれしかありません。

5日間お願いして8万円です。
友人たちにも、「私、今の仕事辞めたらベビーシッターやる」なんて話をしていました。
もっとも、ベビーシッターさんに渡るお金はどれくらいなのかわかりませんが。

また、長男をみてくださったベビーシッターさんはとてもやさしく気が利く方で、本当に助かりましたが、昨今のいろいろなニュースを耳にするたびに、他人に我が子を預けるという怖さも、今ならばよくわかります。

ただ、あの時のベビーシッターさんに今お会いできるのなら、私がどんなに感謝していたか伝えたいです。
あの頃は、言葉にして十分伝えきれなかったと思うのです。

子育てが楽しいと思えなかった当時の自分

子どもが生まれる前までは、自分の考えで自由に行動できていたことが、子どもが生まれたその日からは、すべて子ども中心で動かなければならず、行動も制限されるようになります。
これってものすごいストレスです。

「子育ては楽しいですか?」
当時、乳児健診の問診票にあった質問ですが、「はい」に丸をつけないと、なんだか自分は母親失格のような気がしていました。
だって私は、当時子育ては決して楽しいとは思えなかったから・・・です。

母親業は24時間営業で夜も授乳のため眠れない。
長男は完全母乳で、夜中も2時間おきに泣くので、自分がいつ眠っていつ授乳しているのか、時間の感覚もないまま朝を迎える。

日中もアパートの一室でわが子と二人っきり。
どんなに眠くても子どもが泣けば抱っこするし、自分が食べることは二の次で、授乳&おむつ替え。
しかも、その頃はまだ「布おむつ神話」なんてものがあり、布おむつは赤ちゃんにとってベストな選択だ、という情報があふれていました。

授乳、食事の介助、お散歩、遊び、入浴、そして布おむつの洗濯まで。
いったい私はいつ眠っていたんだろう?

そんな子育てを「楽しい」って心から思うことはできませんでした。

育児が楽しいと思える瞬間は、たまには夫や実家の親などに子どもを預けて、一瞬でも解放される時。
その時こそが子育ての楽しさを噛みしめる瞬間なのではないかと思っています。

そして、多くの人たちがわが子にかかわってくれることで、我が子が周囲の人たちから愛されていると感じること。
それが、母親にとって心が満たされる瞬間であり、「子育てが楽しい」と思えるんじゃいかと思います。

私が、子育ては楽しいと思えるようになったのは、職場復帰して子どもを保育園に預けるようになってからでした。

育休中の、アパートの一室で我が子と2人っきりの、今でいうワンオペ育児は、本当に辛かったです。

ちなみに、夫は育児には協力的でしたが、仕事の日の帰宅時間は、子どもが寝入ってから。
イクメンなんて言葉がン十年後に出てくるなんて、その頃は想像すらしていませんでした。

子どもは社会の宝です

そんな中でも、何とか私が発狂せずにやってこられたのは、毎日積極的に外に出るようにしていたから。
ベビーカーに長男をのせて、毎日1時間歩いてのお散歩や買い物は、閉鎖的な気持ちから開放してくれました。

近くの割烹料理屋のお店の前には大きな水槽があって、魚が泳いでいる姿を、毎日長男と眺めていたっけ。
少し離れた場所の公園に行くのは、乗り物好きの長男に電車を見せるため。
抱っこしてないとすぐに泣く長男でも、ベビーカーにのせるとご機嫌で、帰り道は必ず爆睡していたよなぁ。

そんな何気ない毎日の光景は、今でも鮮明に覚えていて、それが本当にキラキラ輝いていた宝物のような時間であったと、今、心の底から思っています。

子育ては大変です。
でも、私が子どもを育てたのではなく、子どもが私を親にしてくれたのだと思っています。

「異次元の少子化対策」が話題となっていますが、国もようやく本格的に力を入れ始めましたね。

子育ては一人でするものではありません。
いろいろな行政サービスをどんどん利用して、周囲の人たちにどんどん頼って、みんなで子育てを支えていけるような世の中になればいいなと思っています。

 

 

*2013年12月に公開した旧ブログの記事を加筆修正いたしました。

 

いただいたコメントです。

 ~ひろさんより~

私も11ヶ月の子を保育園に預け、今年4月からフルタイムで仕事復帰しました。うちの子は、保育園の誰よりも保育園を休んでいます。体調は良い時の方が少ないです。
これについては、私はもう本当に悩みに悩んでいるとこです。

ただ、今は確かに助成など制度の面では前より恵まれた時代だと思います。これは、そらはなさんのような先輩の働くお母さん達が頑張って作ってくれた道を歩かせてもらっているんだと思いました。
私の悩みも、20年後のお母さん達が歩く道を良いものにするのかもしれないと思うと、頑張ろうと思えました。

病児保育の帰り道、子供が可哀想やら、仕事を休みすぎて肩身が狭いやら、色々な想いが溢れて子供を抱きながら泣いて帰ったこともありました。
私の作る食事のバランスが悪いから熱を出しやすいのかと、あらゆる工夫をして睡眠時間を削った挙句、自分が肺炎で倒れたこともありました。

楽しいと思える時もあるけれど、今は辛いと思う時も多いです。でも、この記事で、私の悩みが20年後のお母さん達が歩く道を作るかもしれないと思うと、なんだかまだまだ頑張ろうと思いました。
私も後の世代のお母さんを励ますことがいつかできるといいなと思います。ありがとうございました。

 

あれから28年。
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