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たとえ一緒に暮らしていても高齢の親を24時間見守ることは不可能

母は80歳代後半になります。
4年前に父が急逝してから、記憶力、判断力などの低下が著明となりましたが、幸いなことに今も自分の身の回りのことはなんとかできる状態です。

そんな高齢の母とは、二世帯住宅で暮らしていますが、時によからぬことを想像したりするものです。

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いつもとちがう朝

そろそろ出勤時間も近づいてきた頃。
母の暮らす部屋のほうの廊下を見ると、なんだか部屋が薄暗いということに気が付きました。
そういえば、いつもはうるさいほど聞こえてくるテレビの音が聞こえません。

我が家は二世帯住宅で廊下でつながっているのですが、部屋の中にいると母の家のほうの生活音は聞こえない距離にあります。
実家とのつなぎ目部分の廊下へ出て初めて、母がいる居室のテレビの音が聞こえてきます。

ところがその日の朝は、テレビの音も聞こえなければ、カーテンも開けていないせいなのか部屋も薄暗い様子。
毎朝母は7時過ぎには起きるので、私が家を出る8時にはテレビの音が鳴り響いていて、それで母が今日も元気だということがわかるというのに。

いつもの朝となんだか違う。
廊下を歩きながら母のいる部屋に近づくにつれて、急に心臓がトクトクしてくるのがわかりました。

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なんでこんなに早く出かけるの?

想像していた通り、実家のリビングはまだ遮光カーテンが閉められていたので薄暗いままでした。
その隣にある母の寝室を覗くと、やはりカーテンが閉まっているので暗いまま。

「お母さん?」と呼んでみる。
しかし返事がない。

母のベッドへ近づきながら、もっと大きな声で「お母さん!おはよう!」と呼び掛けてみる。
このわずか数秒の間に、私の頭の中では一気にいろんな想像が駆け巡りました。

母は具合が悪くて起きられないのだ。
母の容態を確認したら、場合によっては救急車を呼ばなければならないかもしれない。
同時に職場のスタッフに連絡して、今日は仕事に行けないということを伝えなければ。

4年前、父が具合が悪くなった時も、私が出勤する前のことでした。
ドキドキして、でもそんなことはないと頭の中で否定しながらの「お母さん!おはよう!」

すると即座に「ハイ!」という母の返事に、一気に全身の力が抜けるのがわかりました。
「どうしたの?」と驚いたように聞く母。
思わず「生きてるの?」と冗談で返した私は、安心して笑ってしまったほど。

「仕事に行ってくるよ。そろそろ起きたら?」と母に言うと
「なんで今日はこんなに早く出かけるのか?」と母。

母の枕元の目覚まし時計は、5時30分で止まっていました。

高齢の親を24時間見守ることはできない

離れて暮らす親の安否確認のために、近年ではさまざまな見守りサービスがあります。

例えば、部屋の中にカメラを設置し、高齢の親の様子をスマホで見ることができたり、センサーを設置し緊急時にはセキュリティ会社の方が駆けつけてくれるサービスなど。
また、電気ポットを使うとその信号が家族に送られて安否確認になるといったもの。

毎日親へ電話をかけたりメールをしたりして、様子を確認している方もいると思います。

我が家のように二世帯住宅の場合は、お互いに距離感を保ちながら、必要時に声をかけ様子をみることができます。

しかし、今回の出来事で思ったことがあります。
それは、どんなに近くに住んでいても、たとえ一緒に暮らしていても、親を24時間見守るのは無理だということ。

私が仕事に行っている間に何かあるかもしれない。
母が眠っている間に何かあるかもしれない。
だからといって、24時間母を監視することはできないのです。

離れて暮らす高齢の親が心配だという方もたくさんいると思いますが、それは近くに住んでいても一緒に暮らしていても同じです。

親が安心、安全に暮らせるために自分が出来ることをやったら、あとは見守るくらいの距離感で丁度いいのだと思いました。
たぶん、どんなにあれこれやったとしても、親に何かあったときは少なからず自責の念は必ず沸き起こるものですから。

そして、親の死を想定するようになる年齢まで、親が生きていることに感謝しなければならないのだと思いました。
なぜなら親の死について、覚悟というものが少しずつ出来上がっていきますから。

母の目覚まし時計の電池は新しいものと交換しました。
止まっていたのが時計でホントによかった!

 

 

コメント

  1. けんたま より:

    そらはなさん、おはようございます。
    いつも色々なお話ありがとうございます。
    日常の些細な事、親のこと、子供のこと・・・・・
    自分もそらはなさんと一緒で二世帯住宅で母85歳(父は昨年亡くなりました。)と同居しています。同じ思いです。
    父親の介護で悩み、亡くなってから後悔の念・・・・・母親はそうしたくないと思っていましたが、なんか元気をもらいました。
    ありがとう!

    • そらはな より:

      けんたまさんへ♪
      こんにちは(#^^#)
      親が亡くなった時には、どういう形であれ後悔は必ずついてくるものですよね。
      なので「割り切る」姿勢も大事かな・・・と思っています。
      あとは、日々感謝。いろんなものに、いろんなことに、いろんな出来事に感謝。
      それが心穏やかに過ごせるコツですかね。
      親にも、穏やかに暮らしてほしいと願っています。