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どうせ覚えていないのだから母が言ったことにいちいち腹を立ててはいけないと毎度思う

ようやく、固定資産税を納めてきました。
支払ってきたことを母へ伝えると
「はいはい、ありがとう」と言っただけで、それ以上は何も言いませんでした。
あんなに激高していたのは、なんだったんだろう。
そして、母の言葉に傷つき、うんざりし、腹を立てていた自分が馬鹿みたいに思えてきます。

認知症の母の言葉を鵜呑みにしてはいけません。
どうせ言ったことすら覚えていないのだから、受け流して聞いておけばいいのです。
なのに、いまだに学習能力のない自分が情けない・・・。

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母の言動3連発

父が亡くなり、土地の名義変更をしたため、これまでのように固定資産税が母の通帳から引落しできなくなりました。
5月には、納税通知書が封書で届いていたのに、母はそれをしまい込み、固定資産税を納めていなかったがために、督促状が届いたのが先週のこと。

その時の様子がこちら。

督促状が届いて母パニック!母宛ての郵便物の管理の仕方を考えなくては
母の元へ市から督促状が届きました。 固定資産税が未納となっているため、至急納付するようにとのハガキ内容。 母は怒り心頭で...

固定資産税を納付し、今後は今まで通り母の通帳から引落しになるよう銀行で手続きをすることにしたのですが、私も仕事があるので来週にならないと銀行へ行くことはできません。
何度母へ説明しても、母は理解できず、話は堂々巡り。
10回以上同じ話をしたところで、いい加減疲れてきたので、「とにかく!ちゃんと手続きするから大丈夫!」と話を切り上げ、私は自室に戻ってきました。

晩ごはんの支度をしていると、母の足音が近づいてくるのがわかりました。
嗚呼・・・、母がこっちにやってくる時は、不安や心配事がある時。
結局、固定資産税の話も理解できないから、また何か言いにきたんだろうな・・・と、内心うんざり。

ちょっと!ちょっと!
固定資産税払ってなくて、土地が差し押さえになったらどうするの!
あんた、明日払いに行ってちょうだい!

 

「6月末までに払えばいいって書いてあるから大丈夫。土地も差し押さえにならないから大丈夫だよ」
と、私が説明すると、母はその後3回同じことを言ってきたので、私も最後は
「大丈夫だから!」と大きな声を出してしまいました。
不服そうに首を傾げながら自分の家へ戻っていく母。

やれやれ。
理解力も判断力もなくなるのが認知症なんだから、仕方がないけれど、我が娘を信じて任せてくれないのも認知症のせいなのかしらね。

再び夕食の準備をしていると、また母がやってきた!

ちょっと、ちょっと。
あんたが明日払いにいけないなら、〇〇くん(←夫のこと)に払ってきてもらったらどうだ?

 

夫は、自宅でも仕事ができるよう会社のパソコンや電話を自宅へ設置し、簡易事務所として自宅で仕事をしていることがあります。
外回りも多いし、本社で仕事をすることもあるので、自宅の事務所にいるのは週の半分くらい。
だからといって、家にいるときは仕事をしているのだから、夫が固定資産税の支払いや銀行の手続きに行けるなんてことはありません。

「〇〇(夫)は遊んでいるわけじゃなくて、仕事してるの!銀行なんか行けるわけないよ!
私が来週、ちゃんと手続きしてくるから、大丈夫だってば!」

母へそう伝えると、母は再び首を傾げながら戻っていきました。
ああ、疲れる。
晩ごはんの準備がいちいち中断してしまうわぁ。

すると5分後、再再度母の足音が聞こえてきた時には、ぞっとしました。

あんたもひどいね!
なんで払ってなかったのよ!
今まで督促状が届いたことなんて一度もなかったのに!

「はっ!?私のせいなの?なんでよ!」
私、ブチ切れです。

だいたい、いつも膝が痛い、腰が痛いと言っているのに、よくもまぁ5分おきにこっちに歩いてくるよね。
まさか5分前に来たことも忘れているのか?

何か新しい出来事が起こると、母は必ずパニックとなり、私を責めるのです。
だから余計なことは極力母の目に触れぬよう、耳に入らぬよう、努めてきたこの2年。
父が亡くなり、いろんな手続き関係もひと段落し、最近はとても穏やかに過ごしていたのに、まさかの固定資産税にヤラレテしまいました。

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何事もなかったかのような母の態度に拍子抜け

翌週、催促手数料100円とともに固定資産税を払いました。
同時に、今後の固定資産税は母の通帳から引落しになるよう、銀行で手続きを済ませました。

必要書類に記入して印鑑を押して、時間にして5分で終わるのですから、どってことありません。
貴重な休みの日に、銀行へ出向くのもしかたがありません。

家に帰って、母へ通帳を手渡し
「ちゃんと固定資産税払ってきたからね。引き落としになるよう手続きしてきたからね」と言いました。

「はい、はい、ありがとう」と、母。
通帳を開いて確かめるでもなく、納税証明書を見るわけでもなく、何かを聞くわけでもなく。
あんなに「差し押さえになったらどうしよう」とか、「明日すぐに払いに行ってこい」と騒いでいたのに。
「払っていないなんて、ひどい」と私のことを責めたのに。

拍子抜けするくらい、何事もなかったかのように穏やかでいる母。
それに対して、母の言葉に傷つき腹が立ち振り回された私は、いったいなんだったんだろう。

喉元過ぎれば熱さ忘れる

アルツハイマー型認知症は、記憶の中枢からダメージを受けるので、「物忘れ」という症状から始まります。
新しい記憶は覚えられないため、今言ったことを、次の瞬間に忘れてしまうのが認知症なのです。

母の場合は、何か新しい出来事が起こると、それを理解できないため不安が増強し、私に対して一方的に責め立てます。
怒りの抑制が利かなくなり、感情をあらわにするのも、認知症の特有症状なのでしょう。

しかし、感情の高ぶりは一時なんです。
どんなに鬼の形相で怒っていても、次の日にはケロリとしている。
喉元過ぎれば熱さ忘れるとは、まさに認知症の人のようではありませんか。

だから私も、母に何を言われようとも、いちいち反応したり、怒ったり、落ち込んだりする必要もないのですよね。
何があっても淡々とやり過ごす。
何を言われても、「はい、はい」と受け流す。
だって母は、自分が言ったことを覚えていないのですからね。

私も喉元過ぎれば熱さを忘れるような、図太い神経が欲しいものです。

認知症の症状はゆるやかに進む

数日前、離れて暮らす姉が実家にやってきました。
私は仕事で不在でしたが、姉が来ることは姉から聞いて知っていたので、夕方家に帰って母に聞いてみました。

「今日は誰か来てた?」
すると母は、いつものように
「ヘルパーさん来て、掃除していってくれた。ありがたいね。冷蔵庫の中みて、いろいろ作ってくれるよ」と答えました。
週に3回来てくれるヘルパーさんのことは、記憶としてすっかり定着しています。

「他に誰か来なかった?」
姉がきたことを引き出そうとして母に尋ねたのですが、母は「誰も来てないよ」と言います。

私はなんとか母の口から、姉がきていたことを引き出したくて、質問を変えながらヒントを出し続けたのですが、無駄でした。
認知症の場合、ヒントを出したところで、その記憶自体がスッポリと抜け落ちているのだから、なんにもならないことを知っているのに、我が娘が会いにきたことすら覚えていない母が、なんだかかわいそうになりました。

しばらくして母は、自分が書いたメモを見て言いました。
「27日、〇〇子(姉の名前)って書いてるけど、今日何日だ!?」

「今日は27日だよ。今日、お姉さん来ていたの?」
そう聞く私に対して、母は言いました。

「今日じゃない。27日に来た」と。

少しずつ、ゆるやかに、母の認知症の症状は進んできています。
だから私は、もう母の言動にいちいち怒ったり腹を立てたりするのは、やめようと思いました。
いや、毎回何かあるたびに、毎度こう思うのですけどね。
ほんと、進歩しない私・・・。

カッとした感情も、すぐに飲みこんで腹の中に落としてやれば、きっと大丈夫。
喉元過ぎれば熱さ忘れる。
肝に命じなくては・・・ね。

 

コメント

  1. mrsP より:

    大変でしたね。
    自分の親だからこそ、対応に苦慮されているのだと感じました。
    先日のNHKあさいちで遠距離介護についてやっていました。
    遠くても近くても、介護にはプロの手が必要なのだと思いました。
    冷静に状況をとらえ対応するには、スキルが必要ですからね。

    • そらはな より:

      mrsPさんへ♪
      遠距離介護も大変ですよね。
      そして近くにいても大変。
      つまり、おっしゃる通り介護は家族だけでは無理なんですよね。
      いろいろな制度や人の手を借りて、やっていかなければならないと、つくづく感じています。

  2. ちーすけ より:

    こんにちは、はじめまして。

    ブログ村経由で立ち寄らせていただきました、介護初心者のちーすけと申します。
    埼玉に住む要介護4の実母を、千葉の我が家に呼び寄せて8カ月となりました。
    長男は就職活動中、次男は高校3年で大学受験を控えています。
    20年以上姑と同居していましたが、3年前に他界、実は昨年他界しました。

    現在、「どうしても優しく接してあげられない自分」に悩んでいる最中です。
    病気なんだ、どうせ覚えてないんだ、理解できていないんだ・・・とはわかっているのですが、どうもその時の流れに負けてイライラしてしまう・・。
    そして、母の様に忘れることができないので、「またか・・」と思ってしまいます。
    暴言こそはないけれど、どうしてもそっけない態度をとってしまいます。

    切り替えることが必要と、打開する方法が分かっていながら、それができない自分の未熟さ・・。

    時々、椅子で転寝する母を台所で眺めながら、自分が情けなくて泣けてきます。
    今まで、仕事でも社会活動でも褒めれれ、認められ頑張ってきて自分ですが、そんな人生経験を一切生かせていない介護生活に、ふがいない自分を猛烈に感じさせられました。

    ただいま絶賛介護格闘中です。
    いつか吹っ切れて、心から優しく接してあげるられるようになるのかな・・。

    今はまだ自宅にいる子供たちと夫に支えられて奮闘しています。

    なんとなく、そらはなさんの状況に共感してコメントさせて頂きました。
    お互い、心穏やかに介護生活が送れると良いですね。

    • そらはな より:

      ちーすけさんへ♪
      はじめまして(#^^#)
      千葉にも埼玉にも住んでいましたので、なんだかなつかしい・・・。
      私も介護初心者ですので、お気持ちものすごーくよくわかります。
      私も「やさしくできない自分」に情けないやら、哀しいやら。
      そう思っているのに、やっぱり母と接するときは、極力余計なことを言わぬよう、必要以上の会話はしないようにしています。
      だって、どこで急に怒り出すかわからないんだもの。
      最近は、これでいいんだと自分に言い聞かせています。
      淡々と接する。人としてやれることはやる。それだけですかねぇ。
      母が、もっとにこやかに朗らかにしていてくれたら、私も構えないで接することができるのになぁ・・・といつも思います。

  3. 白雪さくら より:

    そらはなさん、お疲れ様です。
    ブログから、そらはなさんの切なさや苛立ちや悲しみや傷やお疲れが、たくさん伝わってきました…。
    本当に、頑張っておられると思います。我慢しないで、こうしてブログに書いたり、誰か(お姉様とか、ケアマネさんとか、保健師さんとか、認知症コールセンターとか。機会があれば家族の会や認知症カフェとか)に話して発散していいんじゃないかな。
    ご自分責める必要は全然ないですよ~!受け流せないのは、そらはなさんがお母様を大事に思っておられるからだと思います。どうでもいい他人のことだったらいくらでも受け流せると思いますし。
    そらはなさんが悪いんじゃない。お母様が悪いんでもない。病気(認知症)のせい、病気が悪い。病気がそうさせているんです。

    督促状のこと、よっぽどショックで不安で怖くて混乱されたのでしょうね。督促状なんて来たら誰でもショックだけど、プライド高い田舎の高齢者にはとんでもないことですものね。その上説明が理解不能で、不安が募って悪循環だったのでしょうね…それをぶつけられたそらはなさん、本当に大変だったと思います。

    「明日払って!!!」と言われても、どうしても明日は無理で来週じゃないと行けない…そんなときに、「わかった。明日払うから安心して!」と言ってもいいものかどうか……??迷うところですよね。親に嘘つきたくはないけど、きっとお母様の気持ちとしては「何とかして!!!!」という叫びなのだろうから、その不安を鎮めて落ち着かせてあげたい。次の日、払ってなくても「払ってきたよ」って言うべきなのか…?これが正解ってないんでしょうけど、難しいところですよね。

    理不尽に怒鳴られれば誰だって傷つきますよ。それが積み重なればだんだん傷は深くなるし、それを何事もなかったかのようにされたらますます傷つきます。
    そういうご自分の気持ちを、無視しないで、大切にしてあげてくださいね。
    激しい感情をぶつけられて耐えられなくなったら、黙ってその場から逃げ出す(立ち去る)ことも一つの手だと思います!って、夕食準備中だとそうもいかないですけどね…

    優しくできなくても、受け流せなくても、同じこと繰り返しちゃっても、いいんですよきっと。ご自分責めないで、ご自分否定しないでくださいね。そんな時こそ、ご自分に優しくしてあげてほしいと思います。転んだら(そして、ちょっと落ち込んだら)、また立ち上がればいいんです。
    そして、お母様のせいでもご自分のせいでもなく、病気や他のことのせいにしちゃいましょう。今回は固定資産税が悪い、制度が悪い!って(笑)

    相談機関も、上手に利用されるといいと思います。
    上にも書いたけど、ケアマネさんが忙しくてなかなか相談できないなら、市町村の保健師さんとか、認知症コールセンターとか。
    「認知症の人と家族の会」や「認知症カフェ」は、同じ立場・同じ悩みを抱えた介護家族の
    先輩の知恵も聞けると思いますし、自分だけじゃないって思えれば心強いです。
    もっとも、「これが正解!」ってものはないのが、人間同士の関係なんでしょうけどね。
    とにかくとにかく、穏やかな日々が戻りますように。そして、そらはなさんの心が癒されますように。

    • そらはな より:

      白雪さくらさんへ♪
      いつもありがとうございます。
      ブログに書くことで、自分の気持ちをクールダウンさせることができますし、客観的にみることもできます。
      そしてたくさんの方からのコメントは、本当に私の心を癒してくれます。
      嘘も方便なのだから、白雪さくらさんがおっしゃるように「明日払ってくるね」と言えばいいのですよねー。
      でも、私がそう言えないのは、母に「私だって仕事をしている合間にいろんなことをやっているのだ」ということをわかってほしい・・・という気持があるからだと思います。
      そんなことも乗り越えることができたら、自分ももっと楽になるのに・・・とも思うのですけどね・・・。
      「これが正解」ってないのですよね。
      その時、その時、真剣に向き合えば、それでいいのかな・・・とも思っています。

  4. とも より:

    認知症は、ホントにさっき話したことを全く覚えてないですね。
    先日、両親がうちに遊びに来ました。夫と会うのは久しぶりだったので、母も嬉しそうでした。でも、するんですよ、同じ話を。やっぱり4回以上になると、イラッときてキツイ口調になってしまいます。そして、反省。
    いつも父が私に愚痴ってくると、忘れる病気だから仕方ないよ。お父さんが理解しないと。と、言ってた私。後日、父にお前も気が短いなと笑われてしまいました。
    家事はスムーズにこなせるのに、記憶がとどまらない。毎回、初めて話したかのように同じことを言う。父は、こっちの方がおかしくなると言ってます。
    お医者さんは、認知障害もあるが、母の元々の性格もあるからねと言われてます。
    感情的になっても、何も解決しないことは重々わかってるんですよ。でもね、でもなんです!抑えられないんですよ、この気持ち。人間だからね。と思っております。

    • そらはな より:

      ともさんへ♪
      同じ話・・・しますよね(^-^;
      飽きるほど。
      黙って聞いていればよいとは言いますが、それができたら苦労はしないわけで・・・。
      ともさんのお父様は、出来たお方ですね。
      人間だもの。お互いにね。
      だから時には、感情をぶつけてもいいのかな・・・とさえ、最近思います。