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「これ、どうやって食べるんだ?」と聞く認知症の母の手に握られていたものは

認知症の母は要介護1で、週に3回ヘルパーさんに昼食の用意をお願いしています。
簡単な食事は自分で準備することができるので、冷凍庫の中にはレンジで温めればいいものだけを常に切らさずに入れておくようにしています。

しかし最近、冷凍食品の扱い方もわからなくなってきたようで、今後の対応の仕方について考えなければならないと思っています。

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母の食事状況

朝食は、パンと牛乳、そして果物。
母の朝食のスタイルは、私が子どもだった頃から変わっていないため、今も母は自分でパンを用意しレンジで牛乳を温め、りんごの皮をむいて朝食をとっています。

昼食はヘルパーさんが用意してくれた食事。
それ以外の日は、カップラーメンや前日の残り物で済ませているようです。

夕食は、私が作った食事を母のところへ持っていきます。
すでに母が食事を済ませている時もあるので、その時は翌日の昼食として食べているようです。

私も、仕事や所用で毎回母の晩ごはんを作ることができない時もあるので、そんな時のために冷凍庫の中にはレンジで温めるだけの冷凍食品を常に入れています。

冷凍ドリアだったり、牛丼だったりコロッケだったり。
以前ならば、母はそれらをレンジでチンして活用していましたが、今年になってからそれらもいよいよ怪しくなってきました。

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どうやって食べるんだ?と聞く母の手には・・・

半年くらい前から、母は時々「これ、どうやって食べるんだ?」と聞いてくるようになりました。
今まで通り、温めるだけの冷凍食品なのですが、私が「レンジでチンするだけだよ」と言うと、「文字が見えないからわからない」と言い返します。

確かに冷凍食品のパッケージに書かれている文字は小さくて、私ですら見えにくいと感じますから、母が見えないと言うのは当然のこと。

それでも、今までと特に変わった冷凍食品は置いていないのですから、単に文字が見えないと言う理由だけではなく、判断力も衰えてきたのだということを切に感じます。
わからないならわからないと素直に言えばいいのに、「文字が見えないから」と取り繕うところも、やっぱり認知症なんですよね。

しかし、先日のこと。
母が「これ、どうやって食べるんだ?」と手にしたものを見た時には、いささかギョッとしました。

母が持っていたものは、アイスクリームだったからです。

食べ物の失認と失行

認知症が進行すると、食べ物を認識できなくなるといいます。
目の前に食事が用意されても、食べるものなのかどうかがわからない。
食べ物だと言われても、今度はどうやって食べていいかわからない。

認知症の症状のひとつである「失認」や「失行」です。

こういった場合は、目の前で一緒に食べたり声掛けをすることで、認識したり安心したりしますが、母はこれまで一人で食事をとってきたので、いよいよ母への対応ももう一歩踏み込んで考えなければならない時がきたのだと感じました。

「それ、アイスクリームだよ」と母へ言うと、「アイス?」と言った母の表情は、アイスクリームがなんなのかわかっていない様子。
「そのまま食べればいいんだよ」「ご飯じゃないよ、甘いお菓子のようなものだよ」と母に言ったところで、母の答えは「へぇ~・・・」。

昨年の夏は「暑いときはアイス食べるとさっぱりする」と喜んで食べていた母だったのに。

まぁ、アイスが食べ物なだけ、まだマシだと思うことにしましょう。

認知症と満腹中枢

さらに最近、もうひとつびっくりしたことがあります。

先日、姉夫婦が遊びに来て、お土産にシュークリームを持ってきました。
みんなでいただいて、残ったシュークリームを母の冷蔵庫に入れておきました。

翌日のお昼前に、母のところへ行って冷蔵庫を開けると、シュークリームがどこにもない。
箱に入ったシュークリームは3個あったはずなのに、箱ごとなくなっていました。
どうやら母は3個のシュークリームを半日で全部食べてしまったようです。

当然のことながら、母はシュークリームを食べたことを覚えてないばかりか、昨日姉夫婦が訪ねてきたことも、覚えていませんでした。

私が驚いたのは、元来小食の母が、短時間にシュークリームを3個も食べれるんだ!ということ。

認知症になると満腹中枢機能が働かなくなり、ご飯を食べても「食べていない」と何度も要求するというエピソードはよく聞きます。
しかし、母からこれまでそんな要求をされたこともなかったので、まだ食事面は(人の手を借りながらも)自力で行えると思っていました。

今後は、冷蔵庫内のものやお菓子の量の残り具合をよくチェックしなければ・・・と思った出来事でした。

ちなみに、先月病院で一通りの検査をした母の検査データは、いたって良好。
大きな病気もなく内臓系は健康らしいので、それはそれで幸せなことかもしれませんが、脳の老化のほうが一歩先行くということが、果たして良いのか悪いのか・・・。

今後も手探りでいろんなことに対処していかなければならないことに、一抹の不安・・・。

 

コメント

  1. はる より:

    はじめました。そらはなさんと同年代で、いつもは読ませてもらうばかりでしたが、今回はお母様の認知症の件で、うちの母の経験をお伝えしたくコメントいたしました。
    うちの近くに母が住んでいて、私が週一回行っていたのでしたが、昨年より、少し言動がおかしいなと感じ・・でももう年だしこんなもんかな、内科の診察では健康だし・・と思っていましたが、段々ひどくなる感じがありました。知人の勧めで、脳外科へ行き検査をしたところ、認知症の初期の段階であると診断されました。おっしゃる通り、悲しいかな脳の老化のほうが一歩先に行っていましたね。少しでも進行を遅らせるためにと、貼るパッチの薬を1日一回処方されました。それのおかげか、認知の進行が止まった感じがします。私は母のため以上に自分が厄介なことにならないようと、早めに手を打つようにしています。
    お互い色々頑張りましょうね。これからもブログ楽しみにしています。

    • そらはな より:

      はるさんへ♪
      こんにちは(#^^#)
      はるさんのお母さんは、素直に脳外科で診察を受けられたのですね。
      そして、認知症のお薬で貼るタイプのものもあるとは、知りませんでした。
      うちの母はレミニールをかれこれ4年飲んでいますが、まだ一人で自分の身の回りのことができるだけ良しと思わなければなりませんね。
      私も早め早めに対処したいと思っていますが、なかなか母が「うん」と言わず、それが一番困っていることですかねぇ。
      その時、その時できる最善のことができればいいのですが・・・。
      子どもの成長とは逆に、老化というのは先が見えないですからね。
      ほどほどに気を抜きながら、母とお付き合いしていきたいと思っています。