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軽度認知障害 症状を進ませない母との関わり方

認知症について図書館で調べていると、どうやら母は「軽度認知障害」なのではないかと思うようになりました。

健康な人と認知症の人との中間に位置する軽度認知障害。
認知症の予備軍でもあり、グレーゾーンでもある。

認知症の初期は、適切な関わり方によってその後の症状の現れ方が大きく変わってくるそうですが、母と関わるうちに適切な関わり方とは、こういうことを言うのかなー・・・というのが、なんとなく見えてきました。

毎日手探り状態なのですが、今は母もとても落ち着いています。

 

 

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軽度認知障害とは

軽度認知障害(MCI/Mild Cognitive Impairment)とは、記憶、決定、理由づけといった認知機能に問題は見られるけれど、日常生活には支障がない状態のこと。

対する認知症とは、記憶力や判断力に障害が起こり、体験したことがすっぽり記憶から抜け落ちるために、いろいろな問題行動を引き起こすようになります。

例えば、どこへ行こうとしていたか忘れて道に迷うとか、料理などの手順をふんだ作業ができなくなる、食べたこと自体を忘れてしまう、物をどこにしまったか忘れて盗まれたと思い込んでしまう・・・などなど。

ならば、母はなにか問題行動を起こしているだろうかと考えてみると・・・

毎日決まった時間に起床し、仏さまにお水をあげる。
NHKの朝ドラをみながら朝食をとる。
自分で簡単な食事は用意するし、食器も自分できれいに洗って片付ける。
お風呂だっていつも通りに入っている。

母の日常的な行動は、父が亡くなる前と大きな変化はないように思うのです。

しかし、明らかな違いは記憶力、判断力の著しい低下。
数日間の新しい記憶がとてもあいまいになり、覚えていないこともしばしばなのです。

母は、今まさに認知症の一歩手間か、もしくは入口か・・・ってところなんだと思います。

 

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母の問題行動

もともと母は、新しいことを覚えるのが苦手。

新聞は隅々まで読むのに、新しい家電、新しい手続き、新しい考え方など、今までとちがったことを取り入れることを、かたくなに拒否するのです。

それでも父がいたころは、母に代わって父がすべてをカバーしてきたので、家電製品を買い替えても、年金や保険証の手続きも問題なくやってこられたのだと思います。

父が亡くなったことで、母の言動は顕著になりました。

何十回と同じことを聞いたり言ったりする。
次の日には、前日と真逆のことを言う。
それを問うと「知らない、言っていない」と言う。

父が亡くなったことで、精神的ショックで一時的にパニックになる気持ちもわかります。

しかし、母が先日私を泥棒呼ばわりしたことは、まるでラスボスに会心の一撃をくらったような衝撃でした。

母と一番関わるのは私なのですが、私が耐えられないような言葉を母に言われることが、母の最大の問題行動なのです。私にとって。

母のスイッチを知る

ところが、私も冷静になって考えてみたら、母が問題行動をとる起動スイッチがわかるようになりました。

父が家電製品の取り扱いや、諸手続きをすべてやってきたように、母は家計をすべて管理していました。
どこの口座にお金がどれくらいあるかというのを、何十年と管理してきたのです。

父の口座のお金の相続手続きをして、今度は新たにどこにいくら振り分けるか・・・という選択肢を提案したとき、母はパニックになりました。

軽度認知障害は、記憶力、判断力が著しく低下します。

父の通帳の定期預金のお金が凍結され、別のところへお金を分散させるという新たな提案を、母はまったく理解できず、それが恐ろしく不安になり、そして私を泥棒だ、相続争いだと言った暴言につながったのだと思います。

さらに、窓口で手続きをした私名義の口座に、一時的に父の預金が振り込まれたことも、母の混乱に拍車をかけました。

私は、手続き関係をすべて細かく母に報告することが、母の不安を取り除く一番の方法だと思っていたのですが、それが逆効果だったということを、後になって知りました。

新たな手続き関係のお金の話は、母の認知症の起動スイッチだったのです。

 

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残高証明書の発行

銀行窓口で、父の口座の残高証明書を発行してもらいました。

母がこれまでずーっと管理してきたお金の残高が、一目でわかる証明書です。

「ちゃんとお父さんのお金、手続き済んだからね」と言って母に渡すと、母は数字を確認して安心した様子。

すごいな・・・。
毎日「なんにもわからない」「覚えていない」と言っているのに、お金の計算だけは瞬時にできるんだな・・・。
もちろんそんな言葉は口には出しませんでしたが。

 

「このお金はどこにあるの?」と母が聞くので
「私がちゃんと管理してるから大丈夫。使う時は私が銀行にいってお金をおろしてくるからね」と言うと

「お金なんて使うことないよ」と母。

だったら、私にすべて運用をまかせてくれればいいものを、そうは問屋がおろさないんですねー。
そんなことを口にしたら、また「泥棒呼ばわり」されるわけです。

 

軽度認知障害・・・、いや、認知症の始まりかもしれない母には、新たに考えなければならないような不安材料は与えないこと
なんでもかんでもすべてを教える必要はないのだと思いました。

決して母を騙すとかそういうことではなく、私がきちんと管理するという意味です。

残高証明書が母の元にあることで、母は以前のように怒ったりすることもなくなり、今はとても落ち着いています。

何か母が言ってきても、私が「大丈夫だよ。ちゃんとやってるから大丈夫だよ」そう言うだけで、母はそれ以上聞いてくることもありません。

認知症の進行をやわらげるのは、家族がとにかく安心感を与えるということも大事なんだと思います。

明日はどうなるかわかりませんが、ひとつひとつ手探りで私も母と一緒に勉強していくしかないのだと思っています。

 

ちなみに、銀行で発行してもらう残高証明書って、お金がかかるんですねー。
銀行によって多少のちがいはありますが、だいたい500円前後でした。

うん、またひとつ勉強になりました。

コメント

  1. しろみ より:

    おはようございます(*^^*)
    そらはなさん偉いなぁ
    認知症の初期は自分でもおかしいなって思ったりして とっても不安になるそうです
    そらはなさんが 大丈夫大丈夫って
    不安を取り除いてあげたら
    きっと 安心して 今まで通りの生活が送れる様な気がします^ ^

    やっぱり お父様が亡くなったショックもあるんでしょうね
    知り合いにも一時的に不安定になった方がいます
    時間薬で落ち着かれたようですよ

    そらはなさんの様な娘さんがいたら
    幸せですね(*^^*)

    • そらはな より:

      しろみさんへ♪
      介護のプロのしろみさんに言われたら、なんだか心強いです(#^^#)
      私も、母と関わることで自分がイライラしたりするのが嫌なので、母が穏やかでいることが、私も穏やかでいられるんですよね。
      そのためにも、いかに母のスイッチを入れないような工夫が、これからも試行錯誤していかなければならないんでしょうね。
      うーん。
      介護って、子育てよりも道が険しいような気がします(^-^;

  2. しろうさぎ より:

    今日は猛暑で暑かったです。
    お母さまとの接し方をもう会得されたなんてすばらしいです。

    義母が介護認定を嫌がって子供たちをてこずらせたのを見ていた義父はサービスは使わなかったけど要支援の認定を更新し続けてくれました。
    結局施設に入るまで2か月程入院したので入院してから手続きしても間に合ったのですが認定がすんでいるというのは子供にとって一つ安心でした。

    脚がお悪いという事ですがトイレの手すりはついていますか?
    「デイサービスや家事援助は使わなくてもいいからL字のしっかりした手摺は便利だよ」などと言って介護認定を促す方法もあると思います。
    スイッチが入ってしまうと面倒なのでお母さまの様子を見ながら検討してみてください。
    転倒などで急に症状が進んでしまった時など1から認定と要支援から要介護では手間が違います。
    急に介護が必要になった場合は担当職員が経験から判断して判定会議の前にサービスを使えるようにしてくれる方法があるそうなので、介護認定をあせらなくても大丈夫ですよ。
    だけど子供としては要支援程度でも介護認定が出ていていざという時はケアマネさんに相談できるので安心です。
    うまくお母さまを納得してもらえるように頑張ってください。

    • そらはな より:

      しろうさぎさんへ♪
      ありがとうございます。
      介護認定はまだ未知の世界なので、情報助かります。
      介護認定にはある程度時間がかかるのですね。
      そして要支援認定を受けていれば、その後の要介護になるのもスムーズに移行できるのですね。
      私は、けっこう決断が早くて、なんでもすぐに決めたがるのですが、それで母との対応の仕方で失敗してしまったので、母を観察しつつ段取りをしていきたいと思っています。
      うーーん。
      母が納得するのが一番難しいですが、いろいろやってみたいと思います。

  3. とも より:

    こんにちは。またまた登場しました。
    うちは症状がひどくなった時、夕暮れになると不安が強くなりました。
    そらはなさんのお母様より、進行してたとは思いますが、空間認知ができず、とても不安がりました。理解できない自分自身がとても不安なようでした。
    いつものかかりつけ医に専門医の受診を本人に勧めてもらい、紹介状を持ってかかりました。
    MR画像で診断して頂き、不安の原因はセロトニン不足からくるものでした。朝はいっぱいあるセロトニンが夕暮れには足りなくなり、不安があらわれるそうです。うつ病に処方される薬を飲むと、安定してきました。高齢者なので、極少量の薬でした。
    専門医に受診させるのが、一番たいへんでした。
    プライドを傷つけないようにするのが。
    日頃、気になる症状を日記のようにメモして、持っていきました。本人を前におかしいと言うと、へそをまげるので。
    体調が悪くなる前に症状がよくでました。不安とか。1日1日違う対応が必要な時もありますが、
    そらはなさんがストレスが溜まらないように気をつけてくださいね。暑い毎日ですが、お元気で。

    • そらはな より:

      ともさんへ♪
      赤ちゃんも「黄昏泣き」ってありますよね。
      なんだか歳をとると、子どもに返っていくんでしょうね。
      セロトニン不足からくる不安症状ですか・・・。
      原因がわかれば、薬も納得して飲めそうですね。
      子どもが毎日成長し変化していったように、親も毎日同じではないのですよね。
      その辺も理解して関わらないと、家族も大変でしょうね。
      うまくストレス発散しながら、関わっていきたいと思います。
      ありがとうございます。

  4. あっちゃん より:

    初めまして。たまたまスマホで調べものをしていて読ませて頂きました。
    そらはなさん、すばらしいですね。ちゃんと理解しようと勉強なさって、すごいと思います。
    ウチの母は2年前にアルツハイマーの初期と言われました。
    介護認定には一ヶ月ほどかかりましたが、ケアマネさんがとても良い方で、必ず認定おりると思うからと先にデイの手配などをしてくれました。初めは泣き叫び嫌がりましたが、こちらの対応を変えたら、今では週二回のデイサービスが楽しみと言うようになりました。これからも色々あると思いますが、頑張りすぎないで下さいm(__)m

    • そらはな より:

      あっちゃんさんへ♪
      はじめまして(#^^#)
      お母さま、アルツハイマーと診断されたのですね。
      最初は泣き叫び嫌がったというところが、なんとも切ないです。
      一人では対応しきれないので、やはりたくさんの方のお力を借りてやっていくしかないのですよね。
      うちの母はデイサービスなど利用するタイプではないように思うのですが、これだって状況が変わってくればわかりませんものね。
      その時、その時の状況に合わせて、やっていこうと思います。
      情報ありがとうございます。