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「認知障害がけっこう進んでいます」訪問介護サービスプランは生活援助に加え身体介護も追加となる

ケアマネさんと契約を交わしてから数日後、ヘルパーの責任者ともお会いして正式に契約をしてきました。
要介護1である母が受ける訪問介護サービスは、身体介護と生活援助が組み合わさったもので、さらに所要時間やその他の加算されるものが絡み、複雑すぎて1回では理解しがたい内容です。

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訪問介護とは

訪問介護とは、訪問介護員いわゆるヘルパーさんに、自宅に直接きていただき、食事・入浴・排泄など直接身体に触れる身体介助、掃除・洗濯・調理などの家事面における生活援助、通院時の外出移動サポートをしていただくものです。
自宅にいても自立した日常生活を送れるように生活を支援してもらうことが目的なので、頼めばなんでもやってくれる家政婦さんではありません。
ヘルパーさんができることとできないことがあるのです。

例えば、身体介助の面で食事に関してならば、飲食の援助や口腔ケアの援助、医師が指導した献立調理はできますが、胃チューブやカテーテルの挿入といった医療行為はできません。
排泄面では、トイレへの移動や介助、おむつ交換などはできますが、摘便や導尿、膀胱洗浄といったものもできません。

生活援助サービスでは、家庭料理の調理や食後の後片付けなどはできますが、サービスを受ける利用者以外の人のための調理はできないことになっています。
最近は、ヘルパーさんができることとできないことといった内容も浸透してきていますが、以前は利用者が「ついでに家族の弁当も作ってくれ」などという無茶な要求もあり、それを断ると「私の食事を作るのに、一人分も二人分も一緒だろ!」と逆切れされるという話もよく聞きました。

2000年に始まった介護保険制度は、実際に利用してみなければその内容はまだまだわからないことが多いと思われます。

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生活援助でヘルパーができること・できないこと

ケアマネさんに母の状況を伝えたところ、まずは生活援助としてキッチンやトイレの掃除をするという目的でヘルパーさんに入ってもらう提案がされました。
母は足が悪く、床拭きなどの掃除が困難であるため、それをサポートしてくれるためのヘルパーさんだと私が説明したところ、比較的スムーズに受け入れる姿勢がみられたからです。

「そうだよね、私しゃがんだりできないから、台所の床を掃除してもらいたいわ」と母も乗り気。
そう話したかと思えば
「なんでわざわざ家にきてもらうの?きてもらって何するの?」という母の言葉は軽く受け流します。

母が利用する施設の生活援助サービスの主な内容です。
掃除に関しては、キッチンやトイレなど母が使っている場所の掃除の他、寝具やシーツ交換、ゴミ捨てなどもしてくれるのですね。
ヘルパーさんができることとできないことを明確にしてくれると、利用する側もわかりやすいなと思いました。

もしも私が近くに住んでいなければ、庭の草取りなどはシルバー人材さんにお願いしたり、家事代行サービスなどを利用するしかないのだろうなぁ・・・なんてことも思いました。

生活援助サービスの時間と費用

生活援助を受ける基本時間は、①20~45分未満、②45分以上、となっていて、一般的な介護報酬額は①の場合1,830円、②の場合は2,250円となります。
母は1割負担なので、①だと183円、②だと225円となり、これらを週に何回利用するかで金額が変わってきます。

また、要介護1の場合はサービス支給限度額が月額166,920円までなので、1割負担だと16,692円分まで利用できることになります。
仮に生活援助45分以上を週に3回利用するならば、225円×3回=675円
1か月では2,700円となるので、限度額まではまだまだ余裕があります。

もしも限度額を超えてサービスを利用した場合は、超えた分だけ10割負担となります。
もっとも、別に無理して限度額まで利用しなくともいいわけで、いくら1割負担でも利用すればするほど自己負担は増えるわけです。

ケアマネさんとヘルパーさんが自宅へやってきた

契約は私が事業所へ出向いて行ったので、後日ケアマネさんとヘルパーさんが自宅へ訪ねてきました。
母へ挨拶をしながら母の状態をみるためでもあり、自宅の中の様子と掃除道具などの確認のためでもありました。

母は朗らかににこやかに応対し、「あなたたちもわざわざ大変ですねぇ」とケアマネさんたちを気遣い、非常にシャキシャキとしていました。
〇日からヘルパーが来ること、その際キッチンとトイレを掃除などを行うことなど、ケアマネさんたちはとても上手に説明し、常に母の話に耳を傾け温かく見守る様子は、本当にすばらしい。
わずか30分足らずの時間でしたが、母も穏やかに受け入れることができたようなので、まずは一安心しました。

サービス内容に身体介護も加わる

翌日、ケアマネさんから電話がありました。
ケアマネさんいわく、母の状態は思っていた以上に認知障害が進んでいるという印象を受け、それは同行したヘルパーさんも同じ意見だったとのこと。
掃除面の援助はもちろんのこと、このままだと一人で食事も作らない、食べないといったことが心配なので、生活援助に身体介護サービスも加えたいとのこと。
また、最初は週に2回の訪問介護の計画を立てていたが、週3回にしたい。
掃除のサポートから入って、母の様子をみながら徐々に食事援助へ入っていけるようにしたい。
一緒に調理をしながら、食べることのサポートも必要であるといった提案がされました。

母が徐々に料理をしなくなってきていること、最近はご飯を炊くこともしなくなり、昼はミニカップ麺ですませているようなので、私がご飯を1食分ずつ冷凍したものをまとめて母へ届けていること、賞味期限切れのものもたくさんあり破棄したこと、聞けば「食べてるよ!」と言うが冷蔵庫の中の食材が全然減っていないことなどなど、ケアマネさんには話していました。

理解してくれる人がいるという安心感

わずか30分という短い時間で母に接したプロの目は、母の認知障害を見逃しませんでした。
「10時に来ますね。時間は45分なのでよろしくお願いしますね」とヘルパーさんが言うと、母は笑って「45分!?30分とか40分とかキリのいい時間でいいですよ」と話し、その5分後には「では、何時に来るのですか?」と聞く。
ヘルパーさんが「10時ですよ。10時から45分間です」と答えると、「45分!!?なんでそんな中途半端な時間?30分とかでいいですよ」と笑顔で言う母。
そして数分後にまた同じ質問。そして「45分!!!?」とびっくりしたように声をあげる母。

母のこういった言動に、私はすっかり慢性化していて、これが当たり前だと思っていたので、プロの方から「相当認知症が進んでいる」と言われたことで、少しショックだったのと同時に実はホッと安堵もしました。
私の苦労がわかっていただけた安心感。
「そのために私たちがいるのです」という力強いケアマネさんの言葉。

介護サービスが本当に必要だったのは母ですが、精神的に救われたのは私自身だったのかもしれません。

 

コメント

  1. とも より:

    こんばんは。
    一歩進んだという感じですね。
    そらはなさん自身が精神的に救われたと思われたこと、私も全く同じでした。
    いつまでこの状態が続くのか、これ以上進んだらどうなるのか?など、先への不安でいっぱいでした。でも、毎日の生活をこなしていかなくてはならないし。
    肉体的よりも精神的疲労の方が大きかったですね。
    お母様の状況を共有できる人が近くにいるというのは、とても心強いと思います。困った時に頼れるところがあることは、本当に心が穏やかになります。
    プロの視点は的確ですし、色んな状況を経験されているので、安心できますね。

    • そらはな より:

      ともさんへ♪
      日中、私が仕事で不在の時に、ヘルパーさんが来てくれるということは、私も精神的にとても助けられているのだということがわかりました。
      第三者が介入してくれることで、母の頭の中も活性化されるといいなぁ。

  2. バタール より:

    こんにちは^ ^

    この記事を読んで、私も、ケアマネさんから母の要介護1の認定理由が「問題行動」だと聞いて気持ちが軽くなった事を思い出しました。

    母が、昼夜構わず、不安になると私や親戚に何度も何度も電話してくるのは、私の対応の悪さなのかと思っていたのですが、「問題行動」と認めてもらえたので、肩の力が抜けました。

    この事から、医療と介護を組み合わせたプランを立ててくれて、今は落ち着いています。
    プロに見てもらう事は、家族や周りの人のためでもあるのですね。

    • そらはな より:

      バタールさんへ♪
      そうなんですよね。
      親の言動がおかしいのは、私の接し方が悪いのでは?と、私も思ってました。
      認知症は、まだまだわからないことだらけですが、母を通して私も学ばせてもらっているのだと思います。
      行政を利用したほうがいいというのは、十分わかっていても、そこに至るまでの過程が大変なんですよね。
      まだまだ手探り状態です。