認知症の母の暴言にやりきれなさを感じた時

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自分の親が認知症だとわかっていても、その暴言には傷ついたり凹んだりするものです。
そんな暴言を吐いた母は、自分の言動をすでに忘れているというのに、私はいつまでたっても心が痛く、時としてやりきれなさを感じたりもします。

認知症って本当に嫌な病気。
体が傷つけられたら、薬などの治療で治るけれども、心の傷は奥深いところでいつまでも残り、それを治すのは自分自身の気持ちの持ち方でしかないのだから。

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母の暴言がやりきれない

3年前、父が急逝してから母の認知症は一気に加速しました。
現在は、要介護1と認定されていますが、自分の身の回りのことはまだ自分でできる状態です。

この3年間で、母の怒りのスイッチの場所はだいたいわかりましたので、私はひたすらそのスイッチを押さないように、母へ接してきました。
おかげでこの1年はお互いに穏やかに暮らしてきました。

ところが先日、母からひどい言われ方をして、心が折れそうになりました。

「あんたは私に、早く死んでほしいと思ってるんでしょ!」

こんな言葉を、実の母から言われた時のやりきれなさと言ったら!
胃が反転して口から出そうになるような吐き気を覚えました。

覚えていない 会ったこともない

事の発端は、夫のお兄さんから電話が入ったことから始まりました。
その電話を受けたのが母。
私が仕事から帰宅した直前に電話があったようで、母はすぐにそのことを私に伝えてきました。

「〇〇さん(←夫のこと)のお父さんから電話があったから、すぐに電話してやってちょうだい」と、母。
そのお父さんは、数日前に亡くなっています。
だから電話をかけてきたのは、夫のお兄さんでしょう。
お葬式に行ったことも母には伝えていましたが、母はすでに忘れていました。

「(お義父さんが亡くなったこと)覚えてないの?」と母に聞いたのがいけませんでした。
母は突然怒り出し、「〇〇さん(夫)のお父さんとお母さんになんて会ったこともないから覚えているわけない!」と言い放ったのです。

家にも遊びにきたことあるよね。
結婚式の時だって会ってるよね。

そんなことを母に言ったところで、無駄でした。
母は認知症です。
自分の生活と一切関係のない記憶は、すでにきれいさっぱり失われているのですから。

なのに私はなんだかとても腹が立って、言わずにはいられませんでした。
夫の両親に会ったこともないなんて、そんな失礼な言い方ってある?
忘れたなら忘れたって素直に言えばいいじゃない。

私の言葉に対して、母は鬼のような形相で言いました。
「あんたは私に、早く死んでほしいと思ってるんでしょ!」

なんでそうなるかなぁ・・・。

母の暴言に傷ついた時の対処法

母は認知症で、暴言を吐くのは病気のせいなんだ。
そうは頭の中でわかっていても、私だって人間です。

カッとしますし、泣きたくもなるし、言い返したくもなります。
だけど、それを母に言ったところで、話は堂々巡りになるだけだし、解決もしません。

私の傷ついた心を治すには、自分自身で気持ちを整理するしか方法はないのです。
そして、自分の気持ちを整理する最も良い方法が、誰かに吐露すること。

私の場合は、すぐに姉にメールをします。
事の次第を姉にメールで説明するうちに、第三者的に物事を考えられるようになってきて、少し落ち着いてきます。

そして極めつきは、帰ってきた夫に、まくしたてて聞いてもらうこと(笑)。
私の話を一通り聞いて、夫は言いました。

「また、親子喧嘩したのか」と。

そうか。
こんなにも腹が立ってムカついて泣きたくなっていたことも、夫からみればただの親子喧嘩に見えるんですね。

母も、夫のお父さんが亡くなったということをまるで忘れていて、それがショックだったのかもしれない。
私に「覚えていないの?」と言われ、自尊心が傷ついたのかもしれない。
歳をとって記憶がどんどん失われていくなかで、一番不安に思っているのは母でしょう。

だとしても。
「もう少し、言い方なんとかできないものかな!忘れちゃった!覚えてない!って素直に言ってくれれば、私も、笑って、そうかー!って言えるのにな」
そう夫に愚痴ると、夫は言いました。

「お母さんは、そういう生き方をしてこなかった人だから、しかたがないよ」と。

なんだか夫のほうが、母のことをよくわかっていて、びっくりしました。
同時に、夫もそう思っているということが、私の心の傷を少しふさいでくれたのです。

介護は1人で抱え込むなと言いますが、誰かに話を聞いてもらうだけでも、救われるものだと思いました。

気持が落ち着いたところで、母へ声をかけました。
「お風呂入っていいよー!」と。

「あら!ありがとう」と、母は言いました。
何事もなかったかのように。いつも通りに。

 

 

これでいいのだ。

 

コメント

  1. あべま より:

    こんにちは。

    父の生前、母はよく、父に○○さんって覚えてる? ○○したこと覚えてる?
    と私に聞かせました。

    私は答えられるわけないでしょと思いましたが、母は聞けと言います。

    仕方なく聞いてみましたが答えはいつも
    さぁわからんなぁ、とか、忘れた、というものでした。

    毎回毎回、答えられないものを聞かされる私、
    毎回毎回、わからない、と答える父。

    母に対する不信がぬぐえなくなっていきました。

    • そらはな より:

      あべまさんへ♪
      認知症だとわかっていても、どこかでそれを認めたくなくて、治ってほしくて、ついつい聞いちゃうんですよね。
      私はもう母に「正論を言っても無駄」だとわかりました。
      割り切って、一呼吸おいて、はいはい、と答えておきます。
      それが難しいときは、余計なことを言ってしまわないよう、母の元から立ち去るかな・・・?
      自分のことは自分で守らないと、この先やっていけないと悟りました。

  2. しーま より:

    こんにちは。

    早く死んでほしいと思ってるんでしょ!

    認知症でなくても、夫に先立たれた高齢の女性は心の底で吐き出したい気持ちだと思います。だから傷つかなくて大丈夫。そらはなさんが一生懸命介護していらっしゃるだけに、刺さるのだと思います。血のつながったこども(特に娘)には、一抹の遠慮もなく感情をぶつけてくるのですね。堪らないですね。

    わたしもサンドバック状態にされて眠れない程傷つき、これが自分の母親なのか、とショックを覚えたことがあります。気持ちを整理して立ち直るまで時間がかかりました。認知症でないので、恣意的に暴言のターゲットにされたわけです(笑)。

    親と言うのは自分を生んだだけあってしたたかですから、こどものやさしさにつけこんで、自分に都合よく行動を誘導したりします。こういうものにのらないように、物理的な距離が難しい場合でも、心の距離をおいて良いと個人的には思います。

    母は認知症でない85歳ですが、わたしは彼女に対し自分の心に蓋をしています。蓋をしているから冷酷なのではなく、蓋をするから関係を保てると言いましょうか。

    第三者的な視点から観察をもらうには、友人や夫がいいですね。

    認知症以前のお母さまとの親子関係、高齢未亡人で体が不自由になった母との親子関係は、元気なころとは全く違うものです。

    割り切りましょう。そらはなさんは充分していらっしゃいます。

    • そらはな より:

      しーまさんへ♪
      「認知症でなくても、夫に先立たれた高齢の女性は心の底で吐き出したい気持ち」というのは、なるほどなと思いました。
      親には尽くして当たり前、親のことは好きで当たり前、そんな世間の目が、自分を余計苦しめているのだと、自分でもわかっています。
      たぶん私も、母に対して「蓋」をしています。
      「心の距離」をとっています。
      それでも時々苦しくなります。
      母は正論の通じない「誰か」だと思うことにします。
      それが今の私にできる得策かなぁ・・・。
      しーまさんの言葉は、心に沁みました。

  3. かじゅ より:

    はじめまして。

    お母様、電話に出てご主人のお父様から…とお伝えしてくれたこと、すごいっ!です。
    関係ある人を伝えてくれたのですから。
    電話を取ったことさえ忘れてしまったり、全く見当違いではないんですもの。

    できたことに目を向ける…なかなか難しいかと思いますが、できることが残ってるのはすごいことですよ。

    いつの日か、あの時は…と懐かしく思える日が来ると思います。

    私は、寝たきりになってしまった母を見てると、言い合いしたり振り回された日々が今になると懐かしく思えます。

    …とは言っても、その場ではなかなかそんな風には思えないですよね。

    話を聞いてくれるダンナ様に愚痴ってサクッと忘れちゃいましょう!

    • そらはな より:

      かじゅさんへ♪
      はじめまして(#^^#)
      おっしゃる通りです。
      できることに目を向けて、できないことには目をつぶっていかなければならないのですよね。
      母がまだ自分の身の回りのことをできるおかげで、私は仕事にも行くことができるわけですしね。
      かじゅさんのお母様は、現在寝たきりになってしまわれたのですね。
      私も、いずれそんな日がくると思うので、今は嫌なことはサクっと忘れて、良いことだけ見つめていきたいと思います(#^^#)