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認知症の母のお金の管理問題 買い物した分のお金を払わなくなって私がとった策

80代半ばの母は認知症です。
要介護1の認定で、週に3回在宅訪問看護でヘルパーさんに来てもらっています。
自分の身の回りのことは自分でできるのですが、記憶障害が著しく、お金の管理はとっくにできない状態です。
それでも母は、自分の通帳は自分でしっかりしまっているので、お金の管理も自分でやっていると思っています。

そんな母のお金の管理問題について。

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堅実な母のお金の管理のしかた

母は、倹約家で堅実。
父は給料を家に入れ、お金の管理は母がやっていました。
私が子どもの頃、母は家計簿を前にそろばんをはじいていた姿を今でも覚えています。

年金暮らしになってからも、お金の管理は母がやっていたと思うのですが、銀行へ行ってお金の出し入れをするのは父の役割でした。
足の悪い母に代わって、外回り的なことはすべて父がやっていたのです。

年金が振り込まれると、父がお金をおろしにいき、手渡された現金で母がやりくりをする。
だから母はATMでお金をおろすやり方を知りません。

父が亡くなってからは、お金をおろしにいくのは私の役目になりました。

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母のお金の使い道

母が現在、自分の財布の中からお金を支払う場面は2つのみです。

ひとつは、灯油代を支払う時。
そしてもうひとつが、美容院へ行った時です。

雪国ではよくある光景ですが、家の外に大きな灯油タンクを設置していて(たぶん200~300Lくらいのタンク?)灯油が少なくなってきたらお店に電話をして、そのタンクに給油してもらいます。
昔からお付き合いのある近所のガソリンスタンドからの配達で、そのつど灯油代は現金で支払います。

冬の期間は、ストーブとお風呂のボイラーの燃料として灯油の消費が多くなるので、1か月に1度は給油してもらいます。
1回に支払うお金は2万円を超えることも。

3か月に1度美容院へ行った際にも、母は自分の財布からお金を払ってきます。

よって、毎月母の財布から出ていくお金は、夏の間は1万円くらい。
冬の間は2~3万円くらいでしょうか。

買い物した分のお金を払わなくなる

父が生きていた頃、母に頼まれて買い物してくると、母は1円の果てまできっちりとお金をよこしていました。
また、生協の宅配をしていて、支払いは私の銀行口座から引落しだったので、毎週生協の食料品が届くたびに、母はきっちりとお金を私のところへ持ってきていました。

父が亡くなった当初も、母は買い物代金を私によこしていたのですが、何度か「(お金は)要らないよ」と私が言ううちに、母はお金をよこさなくなりました。

いろいろ気忙しく、お金をやりとりするのがめんどうだったのと、憔悴した母からお金をもらうのは申し訳ないな・・・という気持もありました。

しかし、母のために買い物をしてきた分も、積み重なってくると、そこそこのお金になります。
姉からは何度となく「ちゃんと買い物した分のお金をもらわなきゃダメだよ」と言われていましたが、私はどうしてもそれを母に言うことはできませんでした。

お金の話はタブー

なぜなら、父の死後お金に関する手続きの話をすると、母は必ず怒りスイッチが入るのです。
認知症なので、話の内容が理解できない。
それなのに、お金には執着していて、自分できっちり管理したいと思っている。
だから私が、あれこれ言うとパニックとなり、私を責め立てる。

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母と何度も衝突し、そのたびに私は情けなくて苦しくて悲しくて涙を流し、そして自分が悪いのだと反省する。

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もう二度と母にはお金の話はしない!と、その時は思うのですが、生きる上ではどうしてもお金の問題が出てくるものです。

しかし、この2年間で母と衝突するのは必ずお金絡みの話をしたとき。
だからもう母とお金の話をするのはタブーとしました。
ちょっとした手続きや支払いも、母に黙って私がやってしまいます。

それが私にとって一番穏やかに暮らせるための最善策だからです。
母を騙しているわけではありませんが、認知症の母になんでもすべて話す必要はないと思っています。

食費を払わない母に私がとった対策

母の買い物は、私がすべてやっています。
週に1度の生協宅配も、カタログから適当に選んで注文するのは私。
母はもうカタログをみたり、選んだりするという気力もありません。

週に1~2度は、生協で不足した分をスーパーで買ってきます。
例えば、母は「何かがもうすぐなくなりそうだから買ってきて」という予測のもとに、買い物を頼むことができません。

今、この瞬間、目の前にある使いたいものがないことに気が付き、初めてその時私に「〇〇がないから買ってきて」と言います。
次の日にはまた別のものがないことに気が付き、「□□がなくなったから買ってきて」と言いに来ます。
小出しに買い物を頼まれて、少しばかりイラっとしますが、しかたがありません。母は認知症なのですからね。

しかし、週に1度の生協の宅配と、週に1~2回の買い物で、母の分として買い物した金額は、月に2~3万円となるんです。
この2~3万円も、積もり積もって年間30万円ほど。

母はもう「買い物したものに対してお金を払う」という行為を忘れてしまったのかな。
それとも、いずれ自宅などの財産は私が引き継ぐのだから、お金は払わなくてもいいと思っているのかな。

だけど、大学生2人を抱えている我が家にとって、毎月2~3万円の肩代わりはけっこうキツイのですよね。
だからといって、母にお金の話をするのは、絶対に嫌。
過去のあんな嫌な思いは二度としたくないからね。

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というわけで、私がとった対策は、母に光熱費を払わないということ。
我が家は二世帯住宅で、電気、水道、ガス(我が家はガスは使っていませんが)、そして灯油代を折半してきました。
毎月15,000円を実家へ渡してきました。
父が亡くなってからは、母の通帳へ毎月入金していました。

それをいっさいやめることにしました。

きっと母は記帳した通帳をみても、気が付かないと思います。
もしも何か言われたら?
その時は、その時!と腹をくくろう。

それでもモヤっとする

それでも、買い物した分のお金を払わない母にモヤっとします。
私が、クソマジメすぎるのかもしれません。

だけど、大学生2人を抱える我が家ですから、お金の管理はきっちりしっかりしたいのですよね。
いずれ、子どもたちが完全に独立し、老後の生活も目途がついたら、家計簿なんてやめると思います。
たぶんその頃には、気力も失われていて、家計簿なんて興味もなくなっていると思うのですよね。

夫に相談しました。
母から買い物した分のお金をちゃんといただきたいこと。
そして光熱費は、母の通帳に入金したいこと。
それを母に説明したいこと。

「おまえが嫌な思いをするだけだから、やめておけ」
と、夫は即答しました。
私よりも夫の方が、母の性分をきちんと理解していました。

認知症である親のお金の管理問題は、教科書通りにはいかないものです。

 

コメント

  1. 白雪さくら より:

    そらはなさん、お疲れ様です。
    ブログ読んで、葛藤とご決断を読んで、私も「それでいいと思います」と申し上げますよ。

    本来のお母様もそらはなさんも、きっとお金のことにかけてはしっかりしていて、きっちりなさりたいご性分だと思います。けど、今のお母様は(気持ちはあっても)それを実行するのが難しくなってしまったんですよね…。そして気持ちと現実が追いつかない分、余計に空回りして、お金の話は怒りのスイッチになってしまうんだと思います。
    毎月のお母様の買い物をそらはなさんが肩代わりするのは大変だと思います。
    今でも、そらはなさんが肩代わりすることにはなるけれど、その額が少しでも減ることで、そらはなさんの(経済的だけじゃなく精神的なものも)ご負担が減ればいいなと思います。
    月1万~2万の経済的負担は、トラブルを避けるための必要経費、というところでしょうか…。実際、平穏な暮らしって何物にも代えがたい!って思うときありますよね。

    認知症の方でお金の管理が出来なくなって、いらない高額なものたくさん買わされた…とか、自分で欲しいと思うと制御できなくなってどんどん買ってきてしまう…とかいう話は実は身近にあります。
    そらはなさんのお母様の場合は、そういうことにはならなさそう、と思いました。
    それでも、大変なことは大変ですよね。
    でも、そらはなさんはいつも、考えて工夫して決断されて、本当によくやっていらっしゃると思いますよ!!
    お母様に黙ってすることに後ろめたさを感じていらっしゃるかもしれないけど、それ(後ろめたさ)も込みで「必要経費」と思えればいいんじゃないかな…と思います。
    断然、衝突しない方がいいですもの。

    • そらはな より:

      白雪さくらさんへ♪
      いつもアドバイスありがとうございます(#^^#)
      たぶん、母が全面的にお金の管理をまかせてくれるのなら、もっと私は気が楽になると思うんですよね。
      通帳など全部私が管理して、母にはおこづかいを渡すというやり方が、一番スムーズにいくと思うのですが、これがなかなか・・・ね。
      母一人分の買い物も、それくらいやれば?と思う方もいると思うのですが、人に頼まれた買い物が毎週毎週続くと、けっこう大変です。
      しかも、頼まれたものを買うのならまだしも、私が母の食べるものや量を考えて、買い物しなければならないので、ちょっとね、大変です。
      私も「必要経費」と割り切ることにしました。

  2. バタール より:

    こんにちは。

    私もそらはなさんが考えた対策を進めていけばいいのではないかと思います。

    少し離れた所から見させてもらうと、今からやるのか(既にやってらっしゃるのかしら)、もう少し後からやるのか(言ってみて揉めた後の決断)の違いのような気がします。

    ご主人はよくわかってらっしゃると思います^ ^
    平穏に過ごせる方法を選ぶ事に後ろめたさを感じる事はないと思います。

    • そらはな より:

      バタールさんへ♪
      最終的には、お互いが平穏に過ごせることなのですから、こういう方法も致し方ないかと思っています。
      でもね、本当は母とちゃんと話をしたうえで、お互いが納得したいんですよね。
      母が認知症となった今では、無理なんですけどね。
      年をとるって、寂しいものです。

  3. でぶねこ より:

    お金の管理、できなくなりますね。
    もやっとするも、よくわかります。
    認知症だから仕方がないんだと、頭ではわかっていても、お互いに納得したい。
    義母(86歳、要介護2)は、1か月前から今年のお正月に義妹や孫に自分の宝石類をあげたことを忘れ、1日に何度も何度も聞くのですが、嘘をつきたくない私は真実を話すようにしました。根気よく、同じことを言い続けたのですが、さすがに私もイラっとしてついうっかり「認知症だから仕方がない、忘れちゃうんだよ」と言ってしまったら、即答「私は認知症じゃない」と。あ~~、そう思っているんだよね、やっぱり。
    通帳も変なところにしまうようになり、つい最近、通帳を預かるねと言って保管していますが、今のところ通帳がないと騒がれないのが幸いです^^;
    私もそらはなさんのように働きたいのですが、今はそれはかないません。
    働けるようになったら、絶対にお金をいっぱい貯めてやる~と、今はそれを楽しみに、介護をしています。
    そらはなさんのブログは、自分の気持ちにとても正直で、読んでいてとても共感がもて、心が軽くなります。
    これからも、楽しみに記事を拝見させていただきますね♪

    • そらはな より:

      でぶねこさんへ♪
      何度も何度も同じことを聞かれるならまだいいのですが、私の母は血相を変えて怒ってくるんですよねぇ・・・(-_-;)
      その言い方がきつくて、いまだに慣れません。
      認知症は、まだらの症状のうちが一番大変なのかも・・・と思っています。

  4. すず より:

    そらはなさんこんにちは。
    親子なんだから・・・と細かなお金をなかったことにするとけっこうな金額になりますね
    私の母も叔母と叔父とで祖母の家に通ってそれぞれにお世話をしてたとき、共通のところからかかった分のお金をちゃんと徴収していました。その頃私はまだ学生や独身OLだったのでそういう風にするんだぁ程度だったのですが、近い将来きっと母があの頃の祖母のようになって私がお世話をするんだなぁ・・・とそらはなさんのとこに来るたび身近な問題として考えさせられます。お金って扱うときとてもストレスがかかるものだからそらはなさんのストレスが少しでも軽くなる方法があるといいなぁと思います。

    • そらはな より:

      すずさんへ♪
      お金のことは、例え親子であっても、一度生計を別にしたら、きちんと線引きするものだと、つくづく思います。
      今だから思うことですが、父が亡くなったときに、これからのお金の管理のことをきちんと話するべきでした。
      曖昧にしておくのが、一番ストレスになります。
      だけど、あの頃は、母も度々パニックとなり、私には手に負えない状態だったのですよねぇ。。。
      介護って、割り切りが大切だと思いました。

  5. とくこ より:

    そらはなさん、こんばんは。

    お金の問題、難しいですよね。
    でも客観的に見てる旦那さんの意見が丸く収まり、ストレスが少ないのかなと思います。

    私の母は物とられ妄想がひどく、自分が置いたり隠したりしたところが分からなくなり何度も呼び出されました。
    入院を機に通帳など預かりました。
    退院して、落ち着くと都合の悪いことはすっかり忘れて、返せ返せと言われてます。
    役所や、金融機関からの郵便物が届いても理解することが出来なくなってるのは明らかなのですが、自分で金銭的な管理をしたいようです。
    私が現金を渡してますが、それでも財布がないと騒ぐこともあり、結局見つかりますが…
    こっちも好きで預かってるんじゃないのにと思うときつく言ってしまいます。
    通ってるデーサービスも、同じ事ばかりで飽きたから辞めるといい、回数減らしてでも行ったほうが良くないかなと言うと、私の自由を奪う。もう死ねってことね。と言われて腹が立つやら情けないやら。
    認知症って、自分の主張だけしか考えられなくなるんでしょうかね。
    人の意見を聞けなくなるのかなと、母の態度を見てると思います。

    • そらはな より:

      とくこさんへ♪
      うちの母も、父が亡くなった直後はしょっちゅうモノをなくしていました。
      たいてい母が自分でどこかにしまっているので、一緒に探しましたが、いまだに行方不明なのが、父の車の鍵なんです。
      いったいどこにしまったのやら・・・。
      母はお金の管理はできないけれど、通帳だけはしっかり持っていたい気持ちもわからなくはないです。
      年をとったら、お金だけが頼りですもんね。
      だけど、通帳を母が持っていることで、けっこうめんどくさかったりするんですよねぇ。
      認知症は、自分の主張だけしか考えられなくなる・・・って、まさにその通りだと思います。
      相手の気持ちとか、相手がどう思うかなんて考える余地はないのですよね。
      時々、「認知症だからしかたがない」だけでは片付けられないモヤっとすることも多々あります。

  6. しま より:

    母は今ホームに入っていますが、自宅にいたときは自分で料理ができず、といいますか、歩行はヨロヨロでもなんらかのことはできたはずなのに、夫をなくしたらムスメに作ってもらうのが当然と、皿一枚洗わなくなりました。認知はありませんでした。こちらも家庭がある身ですが、煮物を作っていったり、冷凍の魚の開きを持っていったりしました。文句は言うけれどビタ一文払いませんでした。こちらから支払ってちょうだいと言うのも気が重く、そのうち同席していた息子から、こんな馬鹿馬鹿しいことはやめるべきだ、と言われて目が覚めました。月5000円でいいから、これでお願いね、と渡されていたらこちらの気持ちも随分違ったと思います。今は公正証書で財産管理は引き受けています。そもそも自分の足でお金をおろせない、インターネットバンキングもできない、という段階で自立した生活者ではないし、誰かに依存しなければ生存できない存在なのです。お金のことはクリアに、割り切りは大事だと思いますよ。厳しい表現かも知れませんが、生活不能者に情緒的に金銭を与えては駄目ですよ。

    • そらはな より:

      しまさんへ♪
      こんにちは(#^^#)
      ものすごーくお気持ちわかります。
      うちの母も、「自分でできる」とは言うものの、実際はできていないことが多く、結局は私がやることが多いです。
      私も以前は、おかずを取り分けて母に持っていっていましたし、今でも週に何回かはもっていきます。
      あと、スーパーのお弁当を買っていくこともあります。
      しまさんがおっしゃるように、月に〇万円とかお金を渡してくれたらどんなに気持ち的にスッキリするかと思います。
      こういうことって最初が肝心ですね。
      私も、父が亡くなった時に、きちんと母とお金のことを話し合うべきでした。
      「情緒的に金銭を与えては駄目」と言う言葉、痛いほど身に沁みます。