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認知機能を保つため高齢の母のボケナシロードを作る

 

黙々と草刈りをすること2時間。
額から汗がつーっと落ちてくるような運動をしたのは久しぶりです。

母が自分でできることは、どんどんやらせよう。
物忘れが多い母だけど、足も悪い母だけど、今できることは可能な限りまかせてみよう。

軽度認知障害と思われる母との接し方も、この2か月で少しずつ変わってきました。

 

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生ごみ塚

「生ごみを捨てに行こうと思ったら、草がいっぱいで行けなかったから、後で捨ててきて」と、母。

実家の畑の隅には、生ごみを捨てるための穴が掘ってあるのです。
貝塚ならぬ生ごみ塚です。

生ごみ塚に土をかぶせて時々混ぜ、春になったら畑の肥料としてその土を利用していたのですが、それも父が生きていたころの話。

今では畑を管理する父もいないし、夫や私も仕事が休みの日に手入れはするのですが、なんせ時間が限られているので、思うようにできないまま、夏がやってきました。

 

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我が家では、生ごみは市の燃えるゴミに出すのですが、母はいまだに畑の穴に捨てているのですよね。

そこへ続く道が草でいっぱいだ・・・と、言われても、私にすればそうでもないのですが、足の悪い母にとっては、ジャングルのように見えたのでしょうね。

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ゴミ出しは自分でやる

父が亡くなってからは、しばらくは私が母のところの燃えるゴミも生ごみも回収し、市のゴミステーションへ出していました。

少し経つと、「生ごみは自分で捨てにいくから」と母が言うので、母が好きなようにまかせていたのですが、ゴミ塚へ続く道が草ボーボーになっていることに気が付かなかったのですよね。

しかし、もうゴミ塚を管理する父はいません。
生ごみは燃えるゴミとして市に出したほうが、本当は私としても簡単です。

けれども何十年と生ごみは畑のゴミ塚へ捨てていた母。
その習慣を変えようとすれば、また混乱するかもなぁ。

母に黙って、私が先にゴミを捨ててこようか・・・とも思いましたが、母が自分でやると言ったことは、極力やらせようと思いました。

高齢であっても、足が少し悪くても、物忘れが多くても、今できる能力を活用し生活をすることが、母にとっては何よりも大切だと考えたからです。

伯母の認知症

伯母は認知症です。
もう私のことはわかりません。

私が伯母のところへ顔を出すと、ニコニコとよそ行きの笑顔を作って伯母は私に「こんにちは」と言います。

そして、横にいる伯父に「(この人)誰だ?」と聞くのです。

帰ろうとする私に、ソファーに座っていた伯母が杖をついて立とうとしたので、私はとっさに
「(見送らなくて)いいよ。座ってて」と言いました。

ところが伯父は「立て、立て。歩け、歩け」と、伯母を促します。

そして伯父は言いました。

「認知症であっても、今使える機能はどんどん使わないと、ますますダメになるからなぁ」と。

認知症は、認知機能は低下しても、感じる力は衰えないと言います。
喜怒哀楽もあるし、プライドだってあります

本人ができることには、極力手を出さない。
認知機能を保つためには、できる機能を使い続けることが大事なのです。

なんでもやってあげる、してあげることは必ずしも良いことではなく、本人が自分でするという意欲を持ち続けるような援助の仕方が一番なのです。

伯父は、それを一番よくわかっていたのですよね。

ボケナシロードを作る

母のゴミを私がすべて出すことは、決して良くないことだとわかりましたので、母が自分で生ごみを捨てると言っているからには、そのゴミ塚へ続く道を完備してやることが、私の務めだと思いました。

草刈り鎌を手に持って、黙々と作業すること2時間以上。

 

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母が一人でも歩けるくらいの道が完成しました。

 

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私は、この道を「ボケナシロード」と命名。

途中少しカーブがあるところは、「紫陽花横丁」。
その奥にゴミ塚があります。

このボケナシロードを管理維持することが私の役目。

夏の草刈りは暑いし、腰は痛いし、虫に刺されるしで大変だけど、これもいい運動になります。

父が生前、一生懸命畑仕事をする中、私が「後で私がやるから休めば」と言うと
「これはオレの健康のために体を動かしているんだから」と言って、決して手伝いを強要することも愚痴を吐くこともなかった父。

草刈りをしながら、そんな父を思い出したのでした。

 

 

しかし、昔から合理的な考えをする私。

本当は、管理しきれない畑の部分は、石を敷くとかコンクリートを流して、将来3人の子どもたちが家に遊びに来たときのための駐車場にしたらいいんじゃないの・・・?

なーんて思いを夫につぶやいたら、夫いわく
「絶対いやだ。オレが定年したら自給自足の生活をするんだ」そうで。

 

はい。はい。

実家の畑、あんたにまかせたよ。

私は、劇団四季を観に行くもんねっ!

コメント

  1. おれんじ より:

    こんにちわ
    暑くなって、草も勢いを増しますよね
    毎日歩くようにされたら、獣道になりますよ!
    まとめて捨てに行かれていたのでしょうか?
    しばらくはそれどころではなかったでしょうけれど、まさに日常!
    毎日踏み固めて!
    家にいたら、足が悪かったら、年を取ったら
    歩かなくなりますものね~良い機会ですね!ゴミ塚

    • そらはな より:

      おれんじさんへ♪
      おおお!獣道!
      毎日踏み固めたら、草も生えてこないですよね。
      生ごみは、2~3日まとめて捨てているようなんですよね。
      私も、自分のいい運動だと思って、獣道を作ります(^-^;

  2. ちかちか より:

    こんにちは。そらはなさん、草取りお疲れ様でした。2時間もえらいですね。足腰にきませんか。
    私は何が嫌いって草むしりが大嫌いなんです。芝生だった庭はもう草ボーボーです。木も剪定できないのでボーボーです。
    他にやる人がいないので毎日少しでもむしってますが、次から次ですもんね。だから義父の趣味だった庭なんかいらん、駐車場にしたいと思ってましたが、庭を潰し整地するだけでン百万、駐車場にして他人に貸したら宅地でなくなり固定資産税6倍になるらしい。貸しても駐車場代でペイできません。
    畑にするには庭木の太い根っこがはびこって掘り起こせないのです。(泣)
    うちの近所は庭なんて作らず敷地いっぱいに建てて、一階が駐車場の3階建てのうちばかりです。もう庭はぜいたくなんです。畑はもっとうらやましい。夫が定年迎えたら植木職人になってもらいます。
    うちの義母の認知症は施設に入って自分でやることが極端に少なくなったからだと思います。歩けなくて家での生活はどう考えても無理でしたが、認知症を進めないためには何でもいいから仕事がある方がいいですね。ボケナシロードにそらはなさんの愛を感じました。

    • そらはな より:

      ちかちかさんへ♪
      翌朝、腰が痛かったです(;^ω^)
      私も草取り、嫌いです。
      子どものころ、母に「草取り手伝いなさい」と言われ、嫌々やっていましたが、畑をやるのは親の趣味だと思うんです。
      その畑が手に負えなくなったら、管理しやすい方法を選べばいいのになぁ・・・と、ずっと思っていました。
      しかし、固定資産税のことは頭になかったですねぇ。6倍ですか!!それは考えちゃいますねぇ。
      これからどうなっていくかはわかりませんが、少なくとも私は自分たちが好きでやる畑ならば、それを子どもたちに手伝えとか強要はしません。
      だってやっぱり家庭菜園は趣味で楽しんでやるべきものであって、その趣味を興味ない子どもに押し付けてはいけないと思うんです。
      ボケナシロードも、決して母に強要されてやっているのではなく、自分が好きでロードを作っているんだと・・・そう思わなくては・・・(;’∀’)
      なんにせよ、これからもいろんなことが湧き起こりそうです・・・(@_@)

      • ちかちか より:

        そらはなさん、私の書き方が悪いのですが、土地に住宅があるということで固定資産税を6分の1位に軽減されてるそうです。駐車場などにして住宅地ではないと市役所に認定されると雑種地の税率になるようです。御宅の庭や畑を子供さんの車を停める駐車場にならしたところで市役所が見にきて税率変えるとは思えないので、大丈夫ではないかなと。他人に貸すために整地したりアスファルト入れたりしたら、という話です。素人には不動産の事は難しいですが、勉強しないと思わぬ税金掛かりそうで怖いです。

        • そらはな より:

          ちかちかさんへ♪
          再度ご説明ありがとうございます。
          本当に、土地のことは難しくてわかりませんねー。
          土地の評価額が単純な土地の値段になるわけではなく、そこに路線価などいろいろなものが絡んで評価されるんですよね。
          これも、父が亡くなって相続のことを考えなければならない状況になって初めてわかりました。
          土地の名義変更もいろいろめんどうなようですし、まだまだやらなければならないことがたくさんあります。
          ひとつひとつ勉強して、クリアしていかなければなりませんね。

  3. えりあママ より:

    ボケナシロード、いいですね〜
    それにしても広い!
    草取りが大変そうですね。
    旦那様に草取りも畑もお任せして、劇団四季に行きましょうね〜

    • そらはな より:

      えりあママさんへ♪
      畑に全部コンクリート敷き詰めたいですよ・・・(@_@)
      そうすると夫が「暑苦しいからダメだ」って言うんですよね・・・。
      せめて老後は、自分が楽に快適に過ごせる我が家が理想ですが、なかなか難しい問題が山積みです。
      でも、劇団四季にはどんな山を乗り越えても行くけどねっ!

  4. やじまっぷ より:

    そらはなさん、こんにちは

    暑い中、草刈り、お疲れ様でしたm(__)m
    読んでいて、胸が熱くなりました
    私も、いろんな意味で頑張らなきゃ‼って、思いました
    自分の母と接することに、頑張らなきゃ…って、変な表現ですが、今の私には、その気合いが必要で(笑)
    私も最近、父のことが思い出されて~お盆が近いからですね~

    暑さの折、ご自愛くださいね

    • そらはな より:

      やじまっぷさんへ♪
      ああーーー!すごくわかりますよぉー!
      自分の母と接することに頑張らなきゃって思うの・・・・私も同じですもん。
      今でも母と話しをするときは、構えてしまいます。緊張します。
      でも、私もムキになって意地を張っていた部分があったなぁ・・・と、最近思います。
      母も歳をとりました。
      私も歳をとりました。
      そういうことなんだと思います。

      • やじまっぷ より:

        そらはなさん、温かいお言葉を本当にありがとうございますm(__)m
        涙があふれでてきちゃいました(笑)
        梅雨あけした北陸です~気持ちを切り替えて、今日は、リフレッシユしたいと思います

        • そらはな より:

          やじまっぷさんへ♪
          なんとなく・・・ですが、やじまっぷさんのお母様とうちの母は似たところがあるんですかね(^-^;
          こちらは梅雨明けはまだなんです。
          でも、とても過ごしやすい日が続いているので、私も気持ちを切り替えてがんばっていきたいと思います。

  5. とも より:

    そらはなさん、こんばんは。
    暑いなかの草刈り、お疲れ様でした。お母様の為に一生懸命刈られたんですね。

    高齢者になっても、認知症になっても、自分の身の回りのことができるっていうのは、とても大切なことですね。
    うちは介護パンツははいてましたが、最後まで自分でお手洗いに行ってました。トイレが少し遠くにあったので、その往復が良い運動になっていたようです。介助の道具も杖⇨手すり⇨歩行器と変化はしましたが、自分で行くというのが本人の自信になりました。
    私もイライラすることもありましたが、本人が好きなように気ままに過ごすことが、心身ともに元気になる栄養だと思いました。

    その後体調はいかがですか?私は1日一回バカ笑いと二胡のCDを聞いて、リラックスに努めてます。
    バカ笑いはいいですよ。バカ笑いわではでは。

    • そらはな より:

      ともさんへ♪
      自分でトイレに行くことができるというのは、その人を尊重できる最高のことだと思います。
      私もボケてもトイレだけは一人で行きたいなぁ・・・。
      バカ笑いはほんとにいいですね(#^^#)
      私も仕事に行ってるからこそ、バカ笑いできています。
      介護のために仕事をやめたら・・・おそらく自分が病んでしまいそう(@_@)
      そうならないためにも、母にはまだまだ元気でいてもらわなくてはなりません。
      いろんな方の力を借りながら、いろんな方法でやっていくしかないのですよね。
      毎日バカ笑いしながら過ごせたら最高ですね。

  6. ぽんきんかぼちゃ より:

    お母さまのために、いろいろな工夫をされていて、すごいです。また、私も五年ほど前にはこんな感じだったかも、と思いました。
    今、母は自分の紙おむつが濡れると、尿とりパットとともにバラバラにして、トイレに流すことがあります。トイレは尿を吸ったポリマーだらけ(ゼリー状)になり、一度トイレが溢れました。私その時には泣き叫びました。トイレチェックの為に、日々過ぎる感じです。今朝も紙おむつがトイレでバラバラになっていて、焦りましたが、トイレは大丈夫でした。
    認知症も程度が様々ですが、無理しないでリラックスを心がけています。

    • そらはな より:

      ぽんきんかぼちゃさんへ♪
      嗚呼・・・。
      ぽんきんかぼちゃさんの経験談に胸が締め付けられます。
      認知症が進むと、こういう事態もあるんだなぁ・・・ということがわかり、心構えができます。
      私、リラックスできるかなぁ・・・。
      怒っても無意味だってわかっていながら、やっぱり私も泣き叫ぶかも・・・。
      介護の問題がニュースとなるのがよくわかります。