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庭木の伐採 父が遺した庭を変えていく決意

庭の木を伐採しました。
柿の木と梅の木と松の木。

父が長い時間をかけて育ててきた庭木でしたので、もちろんためらいはありました。
いろいろな葛藤の中、気持を整理し決断するまで2年が過ぎてしまいましたが、ようやく伐採することができたのは、理由がありました。

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父が遺した庭木

庭にある木は、人間の手を加えて管理していかなければなりません。
山の中にある自然にまかせた木々の成長とちがって、住宅地にある庭木は、自然のままでいたら無法地帯のように生い茂ってしまいます。
害虫も発生しやすくなるので、ご近所にも迷惑がかかります。

私は自分の家の庭があまり好きではありませんでした。
父が長年かけて植えて育ててきた木々は、父が思い描く理想をめざして、自分ですべて剪定をしていました。
手間暇かけて育てた庭は、父にとっては理想的な場所だったかもしれませんが、私にとっては鬱蒼と生い茂るジャングルのようで、近くに寄るのはなるべく避けていました。

父が急逝してからは、ますます伸び放題となった庭木。
いっそのこと、バッサリと根こそぎ切ってしまえばどんなに楽になるだろう。何度そう思ったかわかりません。
でも、父が何十年とかけて育てた庭を、亡くなったからといってすぐに変えることはできませんでした。

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庭木の管理を自分でやってみた結果

本屋で立ち読みをし、図書館で本を借り、ネットを駆使して見様見真似で始めた庭仕事は、仕事の合間の休日に行うのでは、追いつくはずがありません。
自分なりに手入れをしたつもりでも、やっぱり害虫は大量発生し、葉っぱは病気になってしまう。

もちろん自分でやってみることで、これまで知らなかったいろんなことがわかり、庭仕事が楽しくなってきたのも事実。
すると、自分が思い描く庭の形が見えてきて、それに近づけるべくあれこれ作業をするようになりました。地面を掘って防草シートを敷いたり、砂利で敷き詰めたり、平板ブロックを並べてみたり。
同時に脚立に登って枝の剪定をしてみたり、ついには電動チェーンソーを使って太い枝を切り落としたり。

あれ?
やってみると庭仕事も嫌いじゃない。
以前は毛虫を見ただけで大騒ぎをしていた私ですが、完全防備をして庭に出れば多少の虫には動じなくなりました。(あくまでも多少の)

「父が遺した庭」から「自分の庭」になると、ここを自分の理想の庭にしていきたいと思うようになったのです。
最初は、全部コンクリートを流して、草取りなんてしなくてもいいようにしたい!と思っていたのですが、自分で手をかけ管理するようになると、愛情を持って育ててみたいという気持が芽生えてきたのですから、不思議なものです。

理想の庭の形

公園のような庭。
これが私の理想です。

歩道があって、芝生があって、畑に仕切られた部分もあって、花壇も区切られていて。
整然と整った庭の木陰で、ベンチで読書できるような、そんな庭。

理想があればこれからの庭造りも楽しくなるではありませんか。

田舎なので広い敷地だけはありますが、数分庭に出ただけで、あっという間に手足が蚊にさされる鬱蒼としたジャングルのような庭は、もう嫌なんです。

そして、畑やお花は自分で管理できるくらいの量とスペースがあれば十分です。
今後は歳もとりますし、体力もなくなりますので、なるべく手のかからないローメンテナンスな庭を目指したい。

庭木の伐採費用

昨年、木の伐採を依頼していたシルバー人材さんが、一冬待ってようやく来てくれました。
伐採する木は、全部で5本。

■梅の木
老木となりほとんど実をつけなくなった。昨年は、ウメエダシャクが大量発生して本当に困った。

■柿の木
数年前から円星落葉病(まるほしらくようびょう)になっていました。
昨年は枝を切り、風通しをよくし、なるべく害虫がつかないようこまめに手入れをしたつもりでしたが、やっぱり害虫は発生し、実はあまり大きくなりませんでした。

最後の1本 ついに柿の木を伐採する決断に至りました
今年の春、柿の木を2本伐採しました。いつからそこにあったのか記憶にないほど古い柿の木で、近年はあまり実が成らなくなったも...

■松の木

松の木の剪定は素人には難しい。
それでも父は自分でやっていたようですが、私には無理でした。
もちろんトライはしてみました。
しかし、松の木にむらがる害虫を見たら、ダメでしたねぇ。

松毛虫物語 見て見ぬふりはできなかったのよ
見てしまったんです。見なけりゃいいものを、ひとつ見つけてしまうと、目で探してしまうんです。そして見つけると、ぎゃーっ!っ...

 

伐採する木を下見にきたシルバー人材さんは、「このくらいなら今日中にできます」とのことで、その日のうちに3人のシルバー人材さんがやってきて、あっという間に伐採していただきました。

梅の木1本、柿の木1本、松の木は大小合わせて5本。
これらの伐採にかかった時間は4時間半。
費用は13,100円でした。

自分の気持ちが最優先

どこかに遠慮がありました。
父が遺した庭木を、今度は私が管理しやすいように変えていく。
果たしてそれでいいのかどうか、迷いもありました。

父に対して?
母に文句を言われるのが嫌だから?

そんな時、本屋で手に取った「神様貯金」という文庫本。
神社仏閣の本を探していて、目にとまったものでしたが、パラパラと中をめくっていると、ある文章に惹きつけられました。

親兄弟のような親密な関係の方が亡くなると、その魂はずっと守護霊のような形で、自分のそばにいるんじゃないか。そう考えている方がよくいます。
でも、果てしない時間の流れの中では、私たちは何度も生まれ変わって、自分のテーマを追い続けることになっています。

(略)

あなたが亡き人のことを思うなら、むしろ次の世で頑張っている魂を、応援してあげてほしいのです。

いいことが次々やってくる!「神様貯金」/王様文庫

そうだ。
好奇心旺盛だった父は、もう次の世界で新たな役割を持って、楽しんで暮らしているんだよ。
だったら、私は私で今、自分がいる世界を楽しく暮らさなくては。
そう思ったら、今までモヤモヤと心につかえていたものが、スーッと楽になりました。

 

父を思う気持は変わりませんが、自分はどうしたいのかという気持を最優先に、これからは生きていかなければ。

松の木を伐採した跡地には、畑の真ん中に生えているタチアオイを移植する予定。
門から真正面に見えるタチアオイは、すばらしくきれいであるにちがいありません。

私は私の生き方をしていく。
父のようにそっくり同じことをやる必要もないし、誰かを真似る必要もないのです。
自分の生きる場所は、自分で作り上げていきたいから。

 

コメント

  1. ルイコ より:

    こんばんは。
    桜の開花も始まりましたね。
    お嬢さまの受験や引っ越しなど、お仕事をされながらこなし、次は庭仕事の準備。パワフルなそらはなさんの、元気のもとはなんなのかとても興味深いです。
    父の庭は、母が植木屋さんに頼んでいるので綺麗ですが、私の代になったら更に老木になる木々の管理は無理。
    そらはなさんのように自分流の庭にするもよし、形を変えても良しと、今から心づもりしておけば気が楽ですね。
    それにしても、亡くなった人は次の世を一生懸命生きているという話は面白い。なんだか父に、おまえもしっかりやれよ、オレも忙しいからなといわれたような気がしました。しゃんとしよ、私(^_^)ノ

    • そらはな より:

      ルイコさんへ♪
      東京は桜開花しましたね。
      こちらはまだまだ肌寒い日が続いています。
      私は、父が亡くなってからずーっと後悔していることがあって、いつもなんだか心苦しかった。
      だけど、父が今は新しい世界で役割を持って生きているとしたら、すごくうれしいな・・・と思ったのです。
      たぶんそれは亡くなった人でも生きている人でも一緒で、例えば子どもが遠くで離れて暮らしても、お互いが自分の人生を楽しく暮らしていれば、お互いにとってうれしいことなんだよなぁ・・・と思いました。
      私も、しゃんとしなきゃ(^^♪

  2. タートル より:

    共感できます。
    そうなんですよね、次の世を生きる人が、楽しんでいきる…ってそれでいいんですよね。
    私も、17歳で母が亡くなり、母は私にどう生きてほしかったのかばかりが気になり、「私はどうしたいか」が二の次だった期間が数年ありました。
    故人の思いや希望を替わって…って思うけど、次の世の人の思いも本当に大事って思います。
    お父様の思いも見え隠れするような、すてきなそらはなさんのお庭になるんでしょうね~。また見せてくださいね~!!

    • そらはな より:

      タートルさんへ♪
      お母様、17歳の時にお亡くなりになったのですね。
      たくさんたくさん想うことがあったでしょうね。
      亡くなった人を思う気持はずーっと大切にしていきたいものですが、今生きている現実の世界は、自分がどうしていきたいかが最優先されるべきなんだと思います。
      もしも私が亡くなっても、子どもたちが楽しく暮らしていることが何よりの救いかなぁ・・・なんて思います。

  3. るり玉 より:

    お庭も生きていて、
    そのお庭を楽しむ人の気持ちに添って育っていくもの。
    お父さんがお父さんの癒しの庭を造られていたように、
    これからは、そらはなさんの気持ちが癒されたり満たされたりするお庭に育てていけばいいのだと思います。

    あ、タチアオイは根が垂直に伸びるので、移植に弱いといいます。
    気をつけてくださいね~( ´ー`)

    • そらはな より:

      るり玉さんへ♪
      ありがとうございます~。
      るり玉さんから、タチアオイは移植に弱いと聞き、いろいろ調べたら、どうしてもやってみたくなり、ダメ元で移植しました。
      おっしゃる通り、アチアオイの根は長く長くどこまでも地中にもぐりこんでいて、自然薯のように掘り起こすのが大変でした。(自然薯掘ったことないけど)
      根付かなかったら、また別の策を考えようと思います。

  4. ぽん より:

    松毛虫、今回なぜか検索して画像確認してしまいました。
    ひゃあーーー。
    旦那様はこれを袋に沢山つめたんですね?

    本当に松の木が伐採されて良かったです。
    庭木って本当にお金がかかるものですね。
    業者に頼むともっとかかるはず。
    昔ならこういう庭木は売却してたものですけど、今の時代は買う人もいないのでしょうね。
    主人の実家にも松や桜や栗があったと思うので、しかるべき時にまた参考にさせていただきます(^^)/

    • そらはな より:

      ぽんさんへ♪
      なんと!松毛虫、検索しましたかー(^-^;
      これが団体で袋に入っている姿は、想像しただけで怖ろしい・・・。
      大きな木はだいたい伐採したので、これで落ち葉に悩まされることもなく、虫たちの冬ごもりの寝床になることもないと思えば、うれしい限り。
      これから少しずつ、好きなように庭を作っていきたいと思います。

  5. おじこ より:

    おじこ(@東京在住)です。週末に親戚の結婚式があり、1年半ぶりに会う父を始め、70代後半から80代半ばおじ・おばの全員(@新潟在住)に会ったばかりです。

    そらはなさんのお父様への思い、(申し訳ないのですが)とっても参考にさせて頂き、生きているうちに出来ることをしっかりやっていければと思いました。

    • そらはな より:

      おじこさんへ♪
      結婚式やお葬式、そういう機会でもなければ、なかなか親戚一同顔を買わせることもないですよね。
      私は、父のことを尊敬もしていましたし、感謝しかありませんが、私がした苦労は子どもたちには負わせたくないなぁというのが正直な気持ちです。
      自分が大事にしていたものも、子どもたちにとってはなんの思い入れもないのですから、(言い方悪いけど)ゴミと一緒なんですよね。
      今後はいろいろなものを厳選して、暮らしていかなければとつくづく思います。

  6. コンチャン より:

    お父様の育てた庭をご自分の思うような庭に作り変える事、成程そうだと思います。
    ご自分が楽しんでお世話して作り上げること大切ですよね。お父様も納得して応援してくれていると思いますよ。

    • そらはな より:

      コンチャンさんへ
      親の遺したものを、そのまま維持するのが子どもの努めだと思っていました。
      でも大事なのは今を生きている自分なんですよね。
      快適な暮らしができるよう、今後も自分好みに変えていきたいと思います。