昨年、父が亡くなったことで、少しずつ遺品整理を進めてきましたが、それも途中で断念しました。
父のものを片付けることに、母が反対したからです。
その代わり、家の中は無理でも外の庭の整理を始めました。
伸びた枝を切って、生えてくる草を刈って、少しずつ庭も片付いてきたところに、先日ようやく大量の鉢を処分しました。
そこに身の毛もよだつ光景を見ることになろうとは、思ってもいませんでしたが・・・。
実家の片づけ問題
親の住む実家の片づけ問題を時々耳にします。
私の親世代は、戦後の貧しい時代を生きてきたので、高度経済成長とともに日本が豊かになっていくのを目の当たりにし、モノは幸せの象徴だったのかもしれません。
また、そのモノにはこれまで生きてきた思い出が息づいているので、簡単には捨てることができないと思われます。
そのうえ、だんだん歳をとるとともに、体力の低下で片付けるのが億劫になったり、必要か否かを判断する能力が低下するため、ますますモノは捨てられなくなっていきます。
長男が大学進学で家を出たことをきっかけに、私も少しずつ断捨離を始めました。
まだ気力体力があるうちに、これからの老後の暮らしのためにも、少しでもコンパクトにシンプルに生活していきたいと思っていたからですが、そんな私をみて父と母は言いました。
「私たちが死んだら全部捨ててくれ」と。
実家の納戸には、何十年も使っていない食器や衣類がたくさん納められているし、押し入れの中には数組の客布団や何十枚もの座布団。
さらに引き出物などでいただいたシーツやタオルやその他諸々が、箱に入ったまま押し込められています。
親に「片付けてくれ」と言われたら、私は喜んでやっていたと思います。
けれども、親の考えは私とはちがっていたのですよね。
「そこに置いていても、誰のジャマにもならないのだから、そのまま入れておけばいい」という考え。
そのくせ「死んだら捨ててくれ」だなんて・・・。
父の遺品整理の断念
父が遺した大量の書籍類は、いまだそのままにしています。
昨年父が亡くなったことで、遺品整理をし片付けるよいタイミングだと思ったのですが、母の気持ちの整理がつかないため、途中で片付けるのをやめてしまいました。
最初は「四十九日が過ぎるまではこのままにしよう」と言い、次は「お盆が過ぎるまでは片付けられない」と言い、その次は「一周忌がくるまではダメだ」と言い、今は「三回忌がこないうちは片付けたらだめだ」と言う母。
もう母の気の済むようにしたいと思ったので、今後母から何か言われるまでは、手をつけないことにしました。
父がまとめた資料や旅行記、趣味で描いていた水彩画や書道、何十年とかかって集めた書籍やナントカ大全集の数々。
とっくにサポートが終了した父のパソコンも、壊れて使えないプリンターも、オーディオ機器もレコードもそのまんま。
母がそれでいいのなら、いいんです。
私も、片付けるための気力と体力がいつまであるかはわかりませんが。
庭の片づけ
その代わりと言ってはなんですが、庭の片づけを始めました。
枝はどんどん伸びるし、草はあっという間に生える。
足の悪い母には庭の管理は無理なので、私がやるしかないのですよね。
どんだけ木を植えたねんっ!ってくらい、うちの庭には木がたくさんあります。
父と母が何十年とかけて育てた庭なので、たくさんの思い出がありますが、父がいなくなった今は、生きている私たちが快適に暮らせるための庭でなくてはなりません。
そして管理のしやすい庭でなくてはならないのです。
鉢の中から出てきたもの
庭の片隅には、使わなくなった鉢がたくさん積まれていました。
いつのころからそこに置いていたのか、わからないくらい。
何十年も前には、父もいろんな植物を鉢で育てていて、玄関周囲にはたくさんの鉢植えが置かれていました。
冬になると、寒さから守るためにそれらの鉢をすべて家の中に入れて、手入れしていた父。
それもだんだん大変となり、徐々に鉢植えの植物はやめていったのでしょう。
残った鉢は、いつかまた使うかもしれないという理由で、父は取っておいたんでしょうね。
それとも、いつか私が鉢植えでもやる時のために、残しておいてくれたのかもしれません。
ごめんね、お父さん。
私は今、庭の手入れで精一杯で、鉢植えは今後もやらないと思う。
もしいつか、やろうと思う時があったとしても、その時は自分で好きな鉢を買うよ。
先日、ようやくこれらの鉢植えを撤去しました。
そして、積み重ねられた鉢をひとつひとつ処分するために仕分けていくと、内側に土がびっしりついたままになっている鉢があったのですよね。
なぜかその土は黒く湿っていて、何年も放置していたのに、なんで土が乾燥せずに湿ったままなんだ?と不思議に思っってまじまじと見た瞬間!!!!
ぎゃーーーーーーーっ!!!
土が動いているっっっ!!!!!
な、な、なんと!土ではなかったんです。
スキマなく密集していたアリの大群だったんですよねっ!!!!!
その瞬間、鉢を放り投げてダッシュして遠ざかる私の足の速さといったら、ああ、私まだこんなに走れるんだ・・・と感心したほど。
片付けなければならない理由
「そこに置いていても誰のジャマにもならないのなら、そのまま置いておけばいい」という親の考えは、私には理解できません。
使わないもの、それが2年以上も放置されているものならば、もう使うことはないと思います。
使わないモノを、長い間そこに放置しておくということは、”悪い気”がそこに停滞して、徐々に周囲の空気も悪化させていくような気がします。
風水とかはあまり信じているほうではないのですけどね。
誰のジャマにもならないけれど、放置しているモノはカビが生えたり腐敗したり、害虫が発生したりもするんです。
だから、やっぱり片付けることは大切なんです。
そして、片付けるということは、気力も体力も必要なんです。
だからこそ、歳をとって体力、気力、そして判断力が低下する前に、断捨離はしていかなければならないのです。
大量の鉢も、それが置かれていた棚も処分しました。
長い間、積み重ねていた枝や落ち葉を片付けたら、シダ植物が生き生きと伸びだしました。
ああ、シダの葉っぱってこんなに美しかったんだなぁ・・・。
実家の片づけって、親の気持ちも考えながらやっていかなければならないので、簡単には進められないのが困ったところ。
せめて私は、わが子たちが困らないよう、今後も片付けはすすめていこう。
ちなみに。
アリの大群の処分は、夫にやってもらいました。(嫌なものはすべて夫に押し付けるという・・・)
コメント
こんばんは。
今日のブログを人差し指を立てながら、そう!そう!そう!と激しく同意しながら拝見しました。
2年以上使わないものは、ずっと使わない。本当にその通りです。私もずっと捨てられない性格で、両親から「もったいない」と言われながら育ちました。
でも今回の大がかりな断捨離で、物に執着して快適に暮らせないのは本末転倒で、とても損な生き方なんだなと反省しました。
買い物の仕方も、自分が納得して、長く使い続ける物を吟味して選ばなければね。と気づかされました。気力、体力は確実に衰えてきているので、自分のできる範囲の生活形態に変えていこうと、改めて感じました。
昨日のブログも反省しながら拝見しました。
わたくし、どんぶりちゃんなので、赤字ではないけれど、かなりドキドキで暮らしてます。明日はとうとう国民年金のカード引き落とし日です。かなり綱渡りな取り置き貯金でした。毎年、払い終わって来年こそは、きちんとしようと反省いたしております。
ともさんへ♪
激しく同意していただきありがとうございます(#^^#)
昔はなんでも「もったいない」という時代でしたよね。そういえば「もったいないおばけ」っていうのもありましたねー。
必要なものとそうでないものをしっかり区別できるようになると、買い物をするときも衝動買いしなくなりますよね。
気力も体力もまだありますが、これもいつまで続くのか・・・。
今できることを、今やっていきたいと思います。
こんにちは。
同じことが起こっているんだな…とびっくりするしました。
縁の下から植木鉢がたんまり出てきました。
ぞっとすると言えば、3月頃か、池の水面が真っ黒で、よくみたらオタマジャクシの大量発生でした。すくって全部外に出しました。空家となってしまった庭の池です。油断大敵(^_^;)。
お金はモノに替えたら元に戻らない-今でも親のモノ狂いに情けなくなる時があります。死に金、生き金って本当なんだな、と思います。
「もったいなくて」もっていても、どうにもならないんですよね。学びます。自分はこどもに苦労させたくないです(笑)。
しまりすさんへ♪
うわわわわ~!
おたまじゃくしの大群!!これも身の毛がよだちます~。
必要のないものを放置していると、いらないものがそこに繁殖しますよね((+_+))
すっきりシンプルに暮らしていきたいものです。
子どもたちにも伝わるといいなぁ・・・。
ありの大群!想像するのも恐ろしです
私も父の遺品を整理しましたが、母と相談して決めたのに、今でもあんたが全部すてた!って言われます。
はぁーっとため息でるね
えりあママさんへ♪
アリも別に怖くはないのですが、大群で密集しているとぞっとします。
えりあママさんのお母さんは、忘れちゃったんですかねー。それとも、誰かのせいにすることで、自分を正当化したいのかなー。
「同じ土俵に立たない」
えりあママさんから教えてもらったこと、いつも心にとめています。
数日遅れで失礼します( ´ ▽ ` )ノ
うちの義実家もすごかったです。
庭ではなく台所が。何十年ものの果実酒とか、もう何が入ってるのかわからない得体のしれない物体を涙目で捨てましたよ。あとGくんの糞がね、、、ぎゃー!!
義母は健在で、転居の為の片付けでしてが、まあ口だけ出して自分ではやらないやらない(笑)
あの片付け業者に頼んだらん十万円じゃすまないなぁ(遠い目)
しっぽさんへ♪
あ~。
私の友達も、一人暮らしの叔母さんが亡くなって、家からわけのわからない瓶詰や液体がたくさん出てきたそうですが、その叔母さん、製薬会社に勤務していたとかで、謎の液体も薬とか危険物じゃないかって話になったそうで。
それらを処分するには「危険物処理」の加算もありン百万かかると言われたそうです。
ほんとに、遺された家族には迷惑をかけないよう、暮らしは徐々にコンパクトにしていかなければなりませんねぇ・・・。