「50代は老後の入り口」と聞いたとき、ちょっと焦った自分がいました。
気持ちは若いままでいたいけれど、体の変化は正直です。
突然のめまいや夜道が見づらくなったり、増える白髪に50肩――確実に歳を取っていくんだなと実感しました。
そんな中で悩んだのが「趣味がない」ということ。
子育ても終わり、50代は人生の新しいステージです。
これから何を楽しみに生きていけばいいのか、立ち止まって考える時期でもありました。
趣味がない50代の悩み
体を動かすのは得意じゃないし、手芸や編み物にも興味がありません。
読書や映画鑑賞も「趣味」と呼べるほど熱中しているわけではない。
そう思っていると、「仕事を辞めたら、私は何をして過ごすんだろう…?」という漠然とした不安が頭をよぎりました。
その上、90代の母の介護が始まって、「私の生きがいって何だろう?」と悩む日々が続きました。
人生の転機をくれた劇団四季
そんな時に観た劇団四季の『美女と野獣』。
これが、私の人生を大きく変えてくれました。
舞台の俳優たちの全力の演技に心を打たれ、「適当でいいや」と流していた自分の日常を見直すきっかけをもらったのです。
この体験がきっかけで、年に1〜2回は劇団四季の舞台を観に行くようになり、これが私の新しい趣味となりました。
まさかこんな形で趣味を見つけるとは思いませんでした。
新たな趣味の発見と生活の変化
劇団四季との出会いをきっかけに、趣味に対する考え方が変わりました。
同時期に、節約とシンプルな暮らしをテーマにブログを始め、書くことで自分の頭の中を整理していきました。
教育費のプレッシャーから始めた節約生活では、「無駄を省く暮らしが、実は生活を豊かにする」ことに気づきました。
そして、父の他界をきっかけに庭や畑を管理し始めると、これがまた楽しくてすっかり園芸にハマってしまいました。
今では花や野菜を育てるのが日課になっています。
その時々で与えられたものを一生懸命楽しむ――それが趣味になると気づいたとき、もう「趣味がない」と悩むことはなくなりました。
無駄だと思うことを楽しむ力
日常生活や仕事の中では「やりたくない」「無駄だな」と感じることも多々あります。
それでも、「これが自分にどう役立つんだろう?」と考え方を変えると、新たな発見があり、意外と楽しめることが増えます。
この考え方は、父から教わったものです。
趣味も生きがいも、考え方次第でいくらでも見つけられる――そう思うと、老後は意外と忙しくて、のんびりする暇なんてないかもしれません。
趣味に正解はいらない
50代という人生の節目で、悩みながらも「与えられた状況を楽しむ」ことを心がけています。
趣味や生きがいは立派である必要はありません。
些細なことでも、自分が楽しいと思えればそれで十分。
それが、私が見つけた老後を楽しく過ごすためのヒントです。
もし今、「趣味がない」「どう過ごしていけばいいのか分からない」と感じているなら、まずは今目の前にある日常を楽しむことから始めてみませんか?
たとえば、近所の公園を散歩してみる、久しぶりに本を読んでみる、ちょっと料理に挑戦してみる。
それぞれが、次第に自分の「楽しい」に繋がるはずです。
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