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介護保険負担割合証と世帯分離と亡き父のこと

自分でも忘れていた出来事を、ふとしたキーワードで一気に甦ることってありませんか?
今回は、母の介護保険負担割合証が届いたことで、父と世帯分離の話をしたことを思い出しました。

父はいつも真剣に話を聞いてくれ、本当に良き相談相手でした。
悩んだり困ったりしたときは、父に聞いてみることにしています。

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介護保険負担割合区分

母の介護保険負担割合証が届きました。
介護サービスを利用する時は、実際にかかった費用の一部を利用者が負担するのですが、金額は「利用者の負担割合」で決まります。

母の負担割合は1割。
これは、個人ごとに違い、本人の合計所得金額や同一世帯にいる65歳以上の人の所得金額によって決まります。

母は週に3回、在宅訪問介護サービスを利用していて、1か月にかかる自己負担額は約5,000円。
1割負担で5,000円ですから、実際には5万円がかかっているということです。
仮に2割負担になると、毎月1万円がかかりますから、費用は2倍となります。
介護保険負担割合は、1割と2割では大きな差となるんですよね。

2018年8月からは、新たに3割負担の区分も加わりました。
65歳以上で特に所得の高い方が対象です。

しかし。
3割区分が加わったからといっても、昨年の負担割合も1割だった母にとってはなんら関係ないこと。
厚生労働省の資料によれば、合計所得が160万円以上、つまり負担割合区分が2割に該当する被保険者は、上位20%だそうなので、多くの庶民は1割負担ということになりますよね。

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世帯分離

友人のお母さんが、介護サービスを利用しているという話を聞いたのは、5年くらい前のこと。
当時、私の両親はまだそういったサービスを必要としていなかったので、友人から聞くエピソードも介護にまつわる単語も、私にとってはちんぷんかんぷんでした。

その話の中で、「世帯分離」という言葉を初めて聞きました。

友人によると、母親の介護にかかる費用は、同一世帯であるか別世帯であるかによりちがってくるそうで。
彼女もうちと同じく、二世帯住宅で両親と暮らしていますが、生計は別だと言います。
ところが、二世帯住宅を建てて暮らすことになった時、特に何も考えずに親と世帯を同一にしました。

いざ母親が介護が必要となった時、親と同一世帯では世帯全体の収入で介護にかかる費用が計算されるため、彼女は世帯分離をしました。
もともと生計は別なのですから、最初から世帯分離をしていればよかったのですよね。

彼女から世帯分離の話を聞いて、我が家も世帯分離しなくてはと、その時思いました。

なお、世帯分離することで軽減できる費用は「高額介護サービス費」。
一カ月に支払う自己負担の上限額が、世帯全体の所得によって定められているので、上限を超えた費用が返還されます。
介護保険負担割合には影響はありません。

また、世帯分離は介護保険の負担を軽くする制度ではないので、同居で同一生計であれば、世帯分離は難しいでしょう。
あくまでも自治体の判断によるのでしょうけど。

父に相談すると

友人から話を聞いてしばらく経ったある時、何かの話のついでに、父に世帯分離の話をしました。
我が家も二世帯住宅ですが、親とは生活も生計もまったく別々にしています。
友人のエピソードを話しながら、「今後(父や母が)介護が必要となった時に、世帯分離していたほうが費用も安くなるから、そのように手続きしたい」と、父へ説明しました。

父は私の話に真剣に耳を傾けてから、言いました。

「おまえたちがここで暮らすことになった時、同一世帯にしたのは特に何か考えがあったわけではない。住所が同じなんだから世帯も同じにしなければならないと思っていた。
いずれオレたちに介護が必要となった時は、おまえが最もやりやすい方法でやってくれればいいから、すべて任せるよ。世帯分離の手続きも、いつでもやってくれ。」

うん。わかった。ありがとう。
たぶん私は、こんな風に返事をしたと思います。

まさかこの話をした翌月、父が亡くなるなんて思ってもいませんでした。

父だったらどうする?

父が急逝し、母の認知症が進行し、介護保険の申請手続きをしたのは、父が亡くなってから2か月後。
この時、市役所で世帯分離の手続きも済ませました。

「世帯分離してきたよ」と報告したかった父は、もういません。

そして、こういった手続き関係の話は、母には一切していません。
言ったところで、母はますます混乱し怒り出すことが目に見えています。
なんでもかんでも母にすべてを話すことが良いことではないというのは、この2年で学んだこと。
介護保険の負担割合も世帯分離のことも、母がいつも通り暮らしていく上では、なんら関係ないことですからね。

だけど、時々家の中のことを決める時、自分ひとりでは心細い時があります。
夫は話を聞いてくれるけれど、結局は夫にとってもこの家のことは、他所の出来事。
波風立てないよう暮らしていけたらそれでいいのだと思っています。

あの時「おまえにすべて任せるよ」と言ってくれた父の言葉を、今頃になって急に思い出したのも、父が「大丈夫だ」と言ってくれているような気がして、なんだか力が湧いてきました。

父だったらどうする?

このタイミングで父との出来事を思い出したのも、お盆が近いせいですかね。

 

 

コメント

  1. あべま より:

    「お前にすべて任せるよ」
    重たいけど、うれしい言葉ですね。
    いつもきっちり、しっかりしているそらはなさんだからこそですね。

    • そらはな より:

      あべまさんへ♪
      母も「あんたにまかせるよ」とは言うのですよ。
      言うんだけど、私がやると怒る・・・この繰り返し((+_+))
      父だったら、どうかわしていたかなーなんて思います。

  2. オコジョ より:

    世帯分離、初めて知りました。
    そらはなさんのブログは、無知な私にとって役にたつ情報源であります_φ( ̄ー ̄ )
    いつもありがとうございます。

    こんなにしっかりした娘さんを、お父さんは空から誇らしく見守ってくださっている
    と思います。
    何だか、今日の記事はジーンとしてしまいました。

    • そらはな より:

      オコジョさんへ♪
      私も友人に話しを聞くまでは、まったく世帯分離のことは知りませんでした。
      家のことを決めるとき、相談相手が欲しいなぁ・・・と思うんです。
      最終的には、自分がなんとかするしかないのですけどね・・・。

  3. まき より:

    世帯分離については、お住まいの自治体によって違うようですね。玄関、電気、ガス、水道等の公共料金の支払等の実態を見るようです。住民票上は別世帯となっていても実態が同一世帯ならそのようになります。私は、離婚して戻ってきた時に別世帯で住民登録しましたが、世帯分離してもしなくても同じ、と言われました。(母子家庭の関係での質問の答え)

    そらはなさん、夫さん共に社会保険だったら、どこまで関係してくるんでしょうね。
    我が家の場合、母のみが単独で国民健康保険でしたので、入院費等も低所得者とカウントされて高額療養費制度での最低金額でした。私の収入が扶養義務者になれない金額だったからかもしれませんので、それなりの収入のある世帯ではまた違うかもしれません。逆に社会保険の扶養に入れていたら、またどうなるんでしょう。

    お父様の形式にこだわらない柔軟な姿勢は、すごいと感じます。
    なかなかこんな風にできないんですよね。

    • そらはな より:

      まきさんへ♪
      自治体によって、対応が違うようですね。
      結局、世帯の年齢構成や所得、その他いろんな要素が絡んでの判定ですから、それぞれの家庭でちがってくるんでしょうね。
      扶養のことも関係ありますしね。
      何が一番いいのかというのは、やはり自分で調べるしかないんでしょうかねぇ。
      言葉が難しくて、わかりにくいですよね・・・。