家庭菜園シーズン到来です。
お店にも、所せましとたくさんの苗が売られていますが、野菜の苗には接木苗と自根苗があるというのをご存知でしたか?
家庭菜園初心者であれば、おすすめしたいのは接木苗です。
接木苗とは
接木苗とは、上になる植物(穂木)と、下で根となる植物(台木)の茎をつなぎ合わせてできた苗のことを言います。
なんとっ!
上と下とでは植物が違うんです。
▲毎年苗を買う時が一番、夢と希望が最高潮のとき
トマトやナスなどナス科の苗の場合は、キュウリやスイカなどのウリ科の植物を台木として使っている場合が多いそうです。
なぜ、わざわざ2つの野菜を組み合わせて苗を作るかというと、病気に強い苗を作るためなのです。
台木に土壌病害に強いものを使えば、病気になりにくくなりますし、低温に強い台木を使えばまだ十分に気温が上がっていなくても、栽培がしやすくなります。
根張りのよい台木だと、多くの実が収穫できるようになります。
2種類の野菜のメリットを組み合わせた、まさにいいとこ取りです。
唯一のデメリットは、接木苗のお値段が高いということ。
接木苗を作るためには、それだけ手間がかかっているのですからしかたがありません。
自根苗とは
対する自根苗とは、種から蒔いて育てた苗のこと。
つまり接木はしていない苗のことです。
▲キュウリの苗も定植した時にはワクワクします
メリットはなんといっても値段が安いこと。
接木苗に比べたら1/2~1/3のお値段で売られています。
実や食感も、本来そのものの味なので、おいしいとされています。
デメリットは、連作障害が出やすいということ。
つまり病気になりやすいのです。
自根苗のナスを植えた結果
昨年、ナスの苗は自根苗を買いました。
連作障害が出やすいという自根苗のデメリットはわかっていましたが、昨年とは違う場所に植えるし大丈夫でしょう、と安易に考えていました。
そして何より、値段が安かった。
ナスの接木苗が200円~300円するのに対して、自根苗は100円でおつりがくるくらい。
なので安い値段につられました。
▲ナスは幼苗時は温かくして育てることが大事
だから、めちゃくちゃ気を遣って、苗が小さいうちは行灯型のビニールで保温して大切に育てました。
▲昨年は黒マルチを敷きまくったけれど、このあとナメクジ被害多発
肥料も適宜与えてきたし、 悪い虫がつかないか見回り強化してきました。
▲昨年はテントウムシの卵も大事に育てたのに
生物農薬として、テントウムシの卵も孵化させました。
それなのに!!
▲大ショック!葉っぱが枯れてきたよ
病気になりました。
ナスの半身萎凋病
良い感じに育っていると思っていたナスですが、ある日突然葉っぱが枯れてきました。
▲まだ収穫前なのに葉が枯れるなんて・・・
下葉から始まって、徐々に上の葉っぱに広がっていく感じです。
▲ぜんぜん元気のないナス・・・もう嫌(号泣)
どうやらこれは半身萎凋病でしょう。
糸状菌というカビによる土壌伝染病で、菌は数年から数十年は土壌中に生存するといいます。
そうえいば母も「うちの畑ではナスがうまく育たない」と、昔から言っていました。
うちの土壌は、どうやらナスとは相性が悪いようです。
だからといって、土壌全体を殺菌消毒することもできないし、土を入れ替えるなんてこともできません。
▲テントウムシたちは活躍してくれたけれど…
だから、せめて病気に強い接木苗で対抗するべきでした。
▲こんなにナスがなって食べきれないよ~・・・と言いたかった(泣)
結局、昨年のナスの収穫はイマイチどころかイマニもイマサンも!
もっとも、それ以前の年も、ナスがうまく育ったことがありません。
今年は4株全部接木苗のラインナップ
そんなわけで、もうナスなんて植えないーっ!きぃーっ!
という気持ちは、冬を越すとすっかり忘れるところが、私の良いところ。←ポジティブ♪
今年も4株のナスの苗を買いました。
もちろんすべて接木苗にしました。
どうだ、これで糸状菌に対抗だ。
さらに今年は、病気になりそうな気配があったらすぐに、殺菌剤を使ってやろうじゃないのさ!
丹精こめて育てている野菜が途中で病気になってしまったら、心のダメージはハンパないですものね。
そして、いつか自分で接木苗を作ってみたいという野望も生まれたことだしね。
家庭菜園の夢は果て無く続くのであります。
▲まだ行灯の中でぬくぬくしていてねー
さて、今年のナスの栽培はどうなることやら。
*この記事は2020年7月にアップしたものを加筆修正しました。
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