引っ越し前、人は静かにすり減っていく

引っ越しは、当日が大変だと思っていました。
けれど実際にしんどいのは、その前の1週間です。

荷物は車で運べます。
問題は、どこまで運ぶか、何を残すかです。

ひとつひとつは小さな判断なのに、終わりがありません。
気づけばずっと、何かを決め続けています。
その積み重ねが、じわじわと体力を削っていきます。

決めてばかりの1週間

今回はさらに、冷蔵庫と洗濯機だけが先に新居へ行きます。
数日間は、“文明の利器なし生活”です。

そう決めたのに、今度は別の現実が押し寄せてきます。
いつにも増して洗濯物は増え、食事の段取りもなんか狂う。

ひとつ決めれば終わり、ではないのですよね。

ひとつ決めると、また次が来る

インフラの手続きも同じでした。

電気とガスはネットで終わります。
一方で、水道は紙に記入でした。
「まだ紙なんだ」と思いながらも、やるしかありません。

ガスの立ち会い時間はいつにするか。
Wi-Fiの切り替えはいつにするか。
郵便物の転送は?

どれも大したことではありません。
でも、“決めること”は確実に増えていきます。

生活は、無数の小さな判断でできているのだと、こんなときに思い知らされます。

食料品問題

生鮮食品は買わないと決めました。
残っているのは、卵と長ネギです。
これをどう使い切るか。
これもまた、小さな判断です。

冷凍庫の中身は職場へ避難させる。
調味料はクーラーボックスに入れて車庫で保管。

「無駄にしない」と決めるたびに、またひとつ考えることが増えます。

それでも、不思議と気持ちは少し整います。
決めることで、前に進めるからです。

「一度も使わなかったもの」と向き合う

仮住まいで一度も使わなかったものも、手放しました。

持っていくか、捨てるか。
その選択を繰り返しながら、45Lの袋ひとつ分を処分しました。

私は、仮住まいに捨てるものをわざわざ運んできたのか。
そう思うと少し情けなくなります。

でも、手放したあとの軽さは、はっきりしていました。

決めることは、削ることでもあるのだと思います。

 想定外は、必ず起きる

さて、先に旅立つ冷蔵庫と洗濯機。

冷蔵庫なし・洗濯機なしの1週間。これはもう“旅行”だと思おう
冷蔵庫と洗濯機が、私たちより先に家を出ていきます。リノベーションの完工がまた遅れ、私たち人間が引っ越すのは、さらに1週間...

搬出は午後だと思い込んでいました。
でも実際は、「朝8時に伺います」との連絡。

歯医者の予約は、迷う時間もなく、キャンセルを選びました。
こういうときは、人は一瞬で決められるんですね。。

でも、常に判断、決断、その繰り返しが、さらに疲れを積み上げていきます。

なんとかなる、なるようにしかならないんですけどね。

何もない部屋で最初の夜

新居の鍵を受け取ったら、なにはなくとも布団だけは運び入れて、そのまま新居生活をスタートします。

カーテンもない、まだ何も整っていない家。

それでも今回は、1日でも長くこの家で暮らしたい。

お風呂にも入って、暖かさや空気の違いを、体で確かめたい。

湯船に浸かったとき、私はどんな言葉を吐き出すのでしょうか。(きっと言葉にならない唸り)

2日後、完全引っ越し

仮住まいの退去立ち会いと鍵の返却は、新居の鍵をもらって2日後。

なるべくきれいに使ったつもりですが、不動産屋さんのジャッジは、やっぱり少し気になります。

それが終わって、ようやく「終わった」と言えるのかもしれません。

それでも、前に進んでいく

しばらくは段ボールだらけの生活が続きます。
でも、それでいいのだと思っています。

一気に整えようとしない。
1日ひとつ、それで十分です。

昨年11月小春日和 仮住まい生活がスタートした

長いと思っていた仮住まいも、振り返ればあっという間でした。
これからの時間は、きっともっと早く流れていきます。

だからこそ。
この家での暮らしを、ちゃんと味わっていきたい。
そう思いながら、今日もまたひとつ、決めています。

 

 

引っ越しの最中、業者さんが差し出した“千円札”を受け取れなかったわけ
引っ越しの最中、業者さんが差し出したのは千円札でした。「すみません」と言われても、私はそのお金を受け取れませんでした。—...

 

 

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