羽黒山神社の参道である2446段の石段を、ひぃひぃ言いながら登ること1時間。
羽黒山山頂大鳥居の手前にある「羽黒山参籠所 斎館(はぐろさんさんろうじょ さいかん)」にたどりつきました。
ここで、松尾芭蕉をもてなしたといわれる精進料理をいただいてきましたよ。
山伏の食文化から独自の発展をしたといわれる精進料理です。
参籠所とは
参籠所(さんろうじょ)とは、一定の期間籠って神仏に祈願する場所のことをいいます。
羽黒山にある参籠所は、元は華蔵院(けぞういん)というお寺でしたが、明治時代の神仏分離の際、神社の「斎館」として残ったところです。
斎館は、羽黒山山頂大鳥居の手前に位置します。
予定では、羽黒山神社を参拝した後に斎館で精進料理をいただこうと思っていたのですが、五重塔の特別拝観に喜び、参道の石段にヘロヘロになり、ようやくたどりついた時には、精進料理の予約時間のお昼12時ちょうどだったわけです。
門の奥に建物が見えますが、ランチののぼりもなければ、看板もない。
なぜなら、ここは斎館。
三山の様々な祭事や山伏百日行のお籠もり所としても使われている場所で精進料理をいただくのですから、神聖な気持ちになります。
建物はものすごく古いですが、ここで宿泊もできます。
1泊2日 8,640円だそうですが・・・私はちょっと怖くて無理です。
予約をしていた精進料理ですが、斎館の玄関を入っても、誰かが出迎えてくれるわけでもないし、案内もない。
なので、勝手に奥へ進んでいくと、事務所らしき場所にようやく人影が。
声をかけると「はい!予約の方ですね?」とのことで、奥のお座敷に案内されました。
芭蕉が食した精進料理
案内されたお部屋は、20畳以上はある広い畳のお部屋。
私たちの他に2組のお客さんがいて、お膳に並んだ精進料理をいただいておりました。
お部屋の窓からは杉並木が見えます。
お茶はセルフなのですね。
なんの説明もなかったけれど、勝手にお茶をいただきました。
精進料理のお膳は、7品2,160円。
12時頃に伺うと電話予約していましたので、すでにお部屋には料理が並べられていました。
お膳の前に座ると、ご飯と味噌汁が運ばれてきました。
羽黒山の精進料理は、野山で採取してきた山菜や筍、きのこなど自然の素材の良さを生かす料理です。
鎌倉でいただいた精進料理は、肉や魚に見せかける「もどき」というのがありましたが、羽黒山の精進料理はまさに今が旬の山菜が中心。
山菜を、いろんな味付けで工夫しています。
でもね、こういう山菜って下処理が大変なんですよね。
山に生えている山菜を採りにいくのだって大変です。
だから、山菜が本当の「ご馳走」だということは、よくわかってます。
動物性たんぱく質は一切ないのに、ものすごく満腹になりました。
肉や魚なんかなくても、こういう食事に満足感を覚えるようになったのは、年をとったせいですかねぇ。
本当においしかったです。
住所:山形県鶴岡市羽黒町手向羽黒山33
電話:0235-62-2357 FAX:0235-62-2352
*精進料理は完全予約制 季節により料理内容が変わります
さて、お腹も満腹となりましたので、いよいよ羽黒山神社へ参拝です。
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