母が要介護1と認定されてから10か月も過ぎてしまいました。
基本的に自分の身の回りのことは自分でできる母なので、要介護1となっても介護サービスをどのタイミングで利用していいか、まったくわからなかったのですが、先日ようやくケアマネさんに相談することができました。
母が実際に受けられる介護サービスの内容や、手続きの仕方をまとめています。
介護サービスとは
介護保険に加入していれば受けられる公的サービスが介護サービス。
母も、年金から介護保険料が天引きされているので、当然の権利として介護サービスが受けられるかと言えば、そうではありません。
要支援または要介護と認定されて初めて、介護サービスを利用することができるのです。
ちなみに私も40歳の誕生月から、介護保険料が給料から天引きされています。
しかし64歳までは、「加齢によって生じる特定疾病」と認定されなければ、介護サービスは受けることができません。
【加齢による特定疾病16種類】
がん末期(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)筋萎縮性側索硬化症
後縦靭帯骨化症
骨折を伴う骨粗しょう症
多系統萎縮症
初老期における認知症(アルツハイマー病、脳血管性認知症等)
脊髄小脳変性症
脊柱管狭窄症
早老症(ウェルナー症候群等)
糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
脳血管疾患(脳出血、脳梗塞等)
進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
閉塞性動脈硬化症
関節リウマチ
慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎等)
両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
もっとも、介護サービスを利用しなければならない状況には、まだまだなりたくないですが。
介護保険制度は2000年から始まった新しい制度なので、私自身もその概要はよくわかっておらず、しかも介護保険制度がちょいちょい改正されるので、ますますわけがわからないというのが現実。
まして、現在介護サービスを必要とする高齢者にとっては、まるでヒトゴトのように感じることでしょう。
つまり、高齢となって介護サービスが必要になっても、本人が手続きをすることは難しく、家族がやらなければならないのです。
しかも、本人は「自分には介護サービスなんて必要ない」と思っているのが、やっかいなところ。
だから初めて介護サービスを利用する時は、とまどいもためらいも生じるというわけなんです。
介護サービス利用するにはケアマネと契約しなければならない
昨年、要支援1から要介護1となった母。
要支援の時は、地域包括支援センターが窓口となりますが、要介護となると指定居宅介護支援事業者のケアマネジャーに依頼しなければなりません。
これが最初の大きなハードルなんです。
指定居宅介護支援事業者?はっ?ってなりますよね。
市からは、指定居宅介護支援事業者一覧表を渡されますが、いわゆる地域にある介護施設の中から、いったいどこを選べばよいのか、判断材料がわからないのですよ。
一覧表には、施設名と住所、電話番号が記載されているだけなので、ここから先は独自のリサーチになるんですよね。
今はたいていの施設でHPを開設しているので、そこからも情報を得ることができますが、この数年でどんどん介護施設が建設されている我が地域ですから、いったいどこから入っていけばいいのか悩むのです。
そんなわけで、特に切羽詰まって介護サービスを利用しなければならない状況じゃなかった母でしたから、ずるずると先延ばしにしていたんです。
そんな私の背中を押してくれたのは、信頼できる友人からケアマネジャーを紹介してもらったことでした。
せっかく紹介してもらったからには、まずは連絡をとってみようという気持になり、電話をして実際に会って相談してきました。
訪問介護サービスの生活援助
ケアマネさんは、1時間にわたり私の話をじっくりゆっくりと聞いてくれました。
母にとってどんなサービスを利用するのが一番いいのか、私たち家族が望むことは何なのか、いろいろ相談しながら介護サービスを決めていきました。
母の場合は、足が不自由なこともあり、外に出歩くのは嫌がること。
元々積極的に人と関わるほうではなかったので、デイサービスなどの通所は無理だと思われること。
日常生活はほぼ自立しているが、最近食事を作ることがめんどうになったのか、認知障害のせいでできなくなってきたのか、以前のように作らなくなってきていること。また、元来小食ではあったが、さらに食べなくなってきていること。
キッチンやトイレなどの水回りの汚れや、食器の汚れが目立つこと。
冷蔵庫の中に賞味期限の切れたものがあっても気が付かないこと。
そんなことを加味しながら、ケアマネさんが提案してくださったのは、掃除や食事などの生活援助という訪問介護サービスでした。
介護サービス利用料
介護保険サービスを利用した場合の利用者負担は、介護サービスにかかった費用の1割(一定以上所得者の場合は2割)です。
訪問サービスを利用する場合は、利用できるサービスの量が要介護度別に定められています。
要介護1の母の場合ですと、1か月あたりの限度額は166,920円なので、これの1割負担だと16,690円となります。
もしも限度額を超えてサービスを利用した場合は、超えた分だけ全額自己負担となります。
掃除や食事などの生活援助の場合、一般的なサービス費用は1回(20分以上45分未満)につき1,830円。1割負担であれば183円となります。
これを週に3回利用すれば
1,830円×3回×4週=21,960円で、自己負担は月額2,196円ということになります。
今のところはこのくらいの自己負担で済みそうですが、今後は他にサービスを利用することになれば、きっと限度額はすぐに届くことになるのかもしれません。
ところが、サービス費用というのは、事業者によって金額が違うんです。
それは事業所の規模や職員の人数、体制などにより、国から認められた介護報酬が違ってくるからなのです。
紹介されたケアマネさんが所属する事業所は、規模が大きく特定事業者として加算区分が該当しているとかで(細かいところはわかりません)、サービス料金もやや高め。
ケアマネさんと契約し、サービスを受ける事業者は他のところでもいいそうですが、私はそのままこの事業者のサービスを利用することにしました。
なぜなら、事業所を訪問したときに、そこにいたすべてのスタッフの対応がとてもよかったからです。
なお、介護支援事業者のサービス料金は、HPで明示されているところが多いので、事前に情報を得ておくのも大事なことだと思いました。
ケアマネジャーと契約書を交わす
サービスを利用することが決まれば、ケアマネジャーと契約書を交わすことになります。
提示された必要書類に記入して、印鑑を押して終了です。
個人情報使用同意書にもサインをしました。
個人情報は必要最小限の範囲内で使用することに同意するというもの。
あとは、ケアマネさんが市役所のほうへ提出する書類の手続きをしてくださるので、母の介護保険証をいったん預けることになります。
介護保険証には、契約したケアマネさんの名前が記載されることになります。
ヘルパーとの契約
さらに訪問介護をしてくださるヘルパーさんとも契約書を交わすことになるのですが、その日はヘルパーの責任者が不在で、後日改めて契約することになりました。
家にきてくださるヘルパーさんが、母と相性の良い方であることを願いたい。
母が、要支援1と認定されたのは2年前。
父が急逝し、記憶障害が著しくなったことで介護保険申請の手続きをしたわけですが、母には詳細は話していません。
説明しても理解することは難しいだろうし、ますます混乱するだけなので。
ただし今回、訪問介護を利用するにあたり、母にはヘルパーさんにきてもらうことを次のように説明しました。
・介護保険料を支払っているのだから、そのサービスが使えること
・足が悪いので、トイレやキッチンなどの水回りの掃除を、ヘルパーさんがしてくれること
最初は、必要ないと言っていた母でしたが、「せっかく介護保険料を払っているんだもの、サービス使わなければもったいないよ」と何度も説得したところ、次第にその気になってきました。
「足が悪いから、台所の床掃除なんかも頼めるかしらね」とも言うようになり、このままスムーズに介護サービスが使えたら、私もうれしい。
一日中テレビだけを見て過ごしている母に、少しでも外部の刺激が加わり、また家族が気づかないことも、プロの目で見ていただいて改善できるところがあればいいなと思っています。
母には、なるべく自宅で長く暮らしてもらいたいというのが、今の私の願いでもあるのです。
コメント
こんばんは。
お母様、ヘルパーさんのサービスを受け入れられて良かったですね。
うちも私が外出する日だけ、食事の配膳や服薬の介助をお願いしていました。帰省など、丸一日いない時は朝、昼、夜のそれぞれ1時間ずつ頼んでました。ベテランの方だったので、安心して任せられました。
義父も家族以外の会話が楽しかったようです。プロなので、身体がままならない愚痴や、昔の話などをしていたようです。
連絡ノートに、父の様子やトイレの回数、食事の量、体調など事細かに報告してくださいました。
逆に私も引き継ぎ事項を書いたりしてました。
生活や家事の介助でも、第三者の冷静な視点は、とても参考になりました。
ともさんへ♪
ヘルパーさんとの契約は、連休明けになりますが、母がスムーズに受け入れてくれることを願っています。
連絡ノートなんてものも活用してくださるんですか。
まるで保育園の連絡帳みたいですね(#^^#)
親がだんだん子どもに返っていくということが、こういうところでも実感しますね・・・。
なんだか複雑。
それを受け入れていかなければならないのでしょうけど。