お中元、お歳暮の時期になると、我が家では毎回繰り返されるエピソードがあります。
認知症で記憶障害の著しい母は、贈答品が届いたことを毎日、しかも1日に何度も私に伝えにくるのです。
そして必ず1万円をよこし「アンタがテキトーに何か返してやってちょうだい」と言います。
もう何年も続いているこのやり取りは、私も「テキトーに」かわせるようになったのですが、今回は思わず「もーっ!何回言ったらわかるのー!」と言ってしまった出来事がありました。
まさかの冷凍ウナギが仏壇に
毎回欠かさずお中元とお歳暮を贈ってくれる母方の親戚。

ハムとお菓子(夏はアイスクリーム)の詰め合わせと冷凍うなぎは、お中元でもお歳暮でも定番の贈り物となっています。
それらが宅配便で届くと、母は仏壇にお供えします。
もちろん冷凍保存しなければならないアイスや冷凍うなぎは、冷凍庫に入れるのですが、今回仏壇に冷凍ウナギがデーン!とあがっていた時には、さすがの私もびっくり!
実は、お歳暮を受けとったのは私であり、母には説明してうなぎは冷凍庫に入れたのですが、母はいつのまにやらそこから出してきて仏壇にお供えしていたのです。
「これは冷凍品だから冷凍庫に入れるね」と母に言うと、母は「あらまあ!そうなの?」と、まるですっとぼけた返事。
悲しいことに、母はすっとぼけているのではなく、もはや冷凍保存と室温保存の違いがわからなくなった模様。
さらに悲しいことに、うなぎを冷凍庫に入れても、翌日にはまた仏壇に登場しているうなぎよ…。
幸い、冬の寒さでウナギは溶けてはいなかったのですが、この冷凍うなぎはその後4回、仏壇にあがることになります。
そしてついに私も声を荒げてしまいました。
「もぉーっ!うなぎは冷凍庫だってば!何度言ったらわかるのー!」と。
だって手にしたうなぎは、少しだけ溶けてやわらかくなっていたんだもの。
忘れないようにメモをとる
夫は、母の目にふれないよう、全部こっちに持ってきたら?と言うけれど、母は何が届いたのかちゃんとメモしているのです。
そのメモを手に、母は毎日、多い時は1日に数回、私のところへやってきて、「ちょっと来て!今日、これが届いたのよ!」と、私を仏間へ連れて行くのです。
母は認知症で、記憶障害が著しいので、そういった行動はしかたがないこと。
だから私も、毎回母に従って仏壇の前まで行ってはみます。
そして、母からメモを受け取り(というよりメモを取りあげる)、この件はもう済んだことだから、気にしなくていいよと、母に言います。
だけど、翌日にはまたメモがあるのです。
しかも正確に品物の名前が書かれている。
この認識力はすごいと思うんですよね。
認知症といっても、すべてができないわけではなく、長けている部分とそうではない部分が混在しているんでしょうね。
だから、届いたお菓子は母に好きなように食べてもらい、ハムやうなぎは時間が経ってから私が持ってきて、料理して母に出します。
もちろん母は、それが親戚からいただいたものだということは、まったく覚えていません。
認知症の進行はゆるやかに確実に
母は、まだ自分の身の回りのことは自分でできます。
ヘルパーさんや私の手助けがあれば、日常生活もなんとか成り立つ状態です。
だけど、今年の夏までは冷凍品はちゃんと認識できていました。
なのに、今回はそれができなくなっていました。
母の認知症の進行は、ゆるやかではありますが、確実に進んでいるのだということなのでしょう。
事故なくケガなく危険なく、母が少しでも長く安心して安全に暮らせることを祈るばかりです。
コメント
鰻が仏壇にに笑ってしまいました^v^
でも何度も仏壇にあげられて、溶け始めてたら、誰でも言っちゃいますよ(笑
メモを書くのを忘れないようにできているということすね。
5分前のことを忘れるなら、3分前とかに書いてる訳ですものね、すごすぎる。
今までずっとそうしてきたことは、身についているっていうことなんですね、きっと。
私の義母も、かつてはメモ魔でした^^;
ここに来たとき、長い文章(私が睡眠薬を飲ませたという、空想話を延々と)を書いてあったのを見て、びっくりしました。最近はそういうこともなくなって、メモはほとんどしなくなりました。
そらはなさんのお母さんが冷凍と冷蔵がわからなくなるように、私の義母はエアコンの暖房と冷房がわからなくなっています。
認知症の症状も割とよく似ているなあ~といつも思いながら読ませていただいています。
少しずつ、進行していく感じも似ています。
事故なくケガなく、穏やかに過ごしてほしいですね、お互いに。
でぶねこさんへ♪
お義母さま・・・
空想話をメモしていて・・・すごいΣ(・ω・ノ)ノ!
考えてみると、書くということができるって、すごいことだと思うんですよね。
私は、パソコンやスマホが中心で、文字を書くと言うことがめっきり減ったので、歳をとったらますます書くことができなくなりそう(^-^;
本当に、事故なくケガなく、穏やかに・・・それが一番です。