母の暖房を見直すきっかけとなったのは、「炎が怖い」と石油ストーブを消すようになったことでした。
秋田のような寒冷地では、暖房は冬の生活を支える生命線とも言える重要な設備です。
しかし、母が石油ストーブに恐怖心を抱くようになり、部屋が寒い状態が続くリスクが増えてきました。
これを機に、母が安全で快適に冬を過ごせるよう、寒冷地対応のエアコンを導入することにしました。
これまでの暖房|FF式石油ストーブの特徴と課題
私の実家では、長年にわたりFF式の石油ストーブが暖房の主力でした。
このストーブは燃焼ガスを室外に排出するため空気が汚れにくく、寒冷地では一般的な暖房器具です。
母も「炎の揺らぎを見ると心が落ち着く」と気に入っていました。
しかし、変化が訪れたのは3年前。「炎が怖い」という理由で、母がストーブを頻繁に消すようになりました。
ヘルパーさんが訪問しても部屋が寒いままで、「部屋が肌寒く感じました」という記録が残ることも増えたのです。
認知機能の低下が影響しているのかもしれないと感じたと同時に、火災や低体温症などの健康リスクを考え、暖房をエアコンに切り替えることを決断しました。
新しい暖房機器|寒冷地用エアコン「スゴ暖」
購入したエアコンは、ダイキンの寒冷地用モデル「スゴ暖」です。
母の居間と隣接する寝室まで効率よく暖められるよう、大型モデルを選びました。
このエアコンは-15℃以下の厳寒地でも暖房性能を維持できる設計で、寒冷地の冬に適しています。
実際に使い始めると、その暖房性能の高さに驚きました。
スイッチを入れると短時間で部屋全体が暖まり、石油ストーブよりも均一で快適な温かさを実感できます。
また、スマートリモコンを導入したことで、私が遠隔操作で温度を管理できるようになり、母が直接操作する必要はありません。
これにより、安全性と快適性が大きく向上しました。
導入後の課題とその解決
エアコン導入後、最初の冬は母が新しい暖房に慣れるまで時間がかかりました。
母は部屋が暖かいのにもかかわらず「本当に暖房が入ってるの?」と何度も確認を求めてきました。
その都度説明しましたが、母が慣れるまでに1ヶ月ほどかかりました。
そして、3回目の冬を迎える今年、母の口からは「部屋が自動で暖まるから便利でいいねぇ」という言葉が出てきました。
朝は自動でスイッチがONとなり、就寝時にはOFFとなる。日中も常に快適な室温を提供してくれるエアコンが、母の日常に少しずつ溶け込んだ結果です。
暖房器具を見直す中で感じたこと
停電時のリスクは残るものの、エアコンへの切り替えは正解だったと感じています。
FF式石油ストーブも電力が必要なため、停電時に使えない点は同じですが、火を使わない暖房器具の安心感は何物にも代えがたいものです。
また、この経験をきっかけに、私たち夫婦のリビングにも寒冷地用エアコンを設置しました。

高齢者の冬の安全を考える
高齢者が冬を安全かつ快適に過ごすには、「使いやすさ」と「安心感」を兼ね備えた暖房器具が欠かせません。
エアコン導入という選択は、母の暮らしだけでなく、私自身の安心感も大きく向上させました。
厳しい冬がまた訪れますが、この選択が母に穏やかで暖かな日々をもたらしてくれると信じています。
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