亡くなった父の唯一の失敗は、エンディングノートの存在を家族の誰にも伝えていなかったということ。
もっとも父だって、まさかあの日に自分が亡くなるなんて思ってもいなかったことでしょうから、しかたがないのかもしれませんが。
父が亡くなってからの1か月間は、精神的にもとてもキツイ時期でもあるのに、多種多様の手続きに追われ、毎日途方に暮れていました。
もしあの時、父のエンディングノートの存在をわかっていれば、もう少しスムーズに事が運んだかもしれません。
父が亡くなった時に困ったこと
1.誰に連絡していいかわからない
父が病院で亡くなり、看護師から「葬儀屋さんに連絡してください」と言われた時が、まず最初の困ったことでした。
父が亡くなったことが信じられない状況なのに、葬儀屋をどこにすればいいかなんて頭がまわりません。
隣で呆然とする母が、”父が葬儀社の互助会に入っている”ということを思い出し、連絡をすることができました。
次に困ったのが、葬儀の連絡を父の友人・知人の誰に連絡すればいいかということ。
これは自宅の電話の横に、父の手書きの電話帳があり、友人関係、町内関係、親戚一同など一覧表にまとめていたので、これに従って連絡をしました。
2.財産・相続関係書類がわからない
人が一人亡くなると、それまで生きてきた社会的証をすべて消していかなければなりません。
マイナンバー制度がスタートしたばかりですが、手続き関係はまだ一本化されていないので、年金事務所、金融機関、市役所などそれぞれに出向いて、ひとつひとつやっていかなければならないのです。
それに伴い、必要な書類をそろえなければならないのですが、父の年金証書、実印、保険証、通帳などなど、一か所にまとまっているわけではなかったので、それらを集める作業が大変でした。
幸いそういった書類関係は、母が一括管理していたので、無くて探したということはありませんでしたが、古い書類から新しい書類までなんでもかんでも捨てずに保管していたものですから、何が必要で何が不必要かという仕分け作業に時間を要しました。


遺品整理で出てきたもの
葬儀も終わり、少しずつ父の遺品整理をしていたときのこと。
父の財布の中に、1枚の用紙が入っているのを見つけました。
自分の名前と住所、自宅の電話番号。
私と夫の名前と連絡先。それから姉の連絡先。
友人数名の名前と電話番号、町内関係者の名前と電話番号。
それらが書かれた紙がきれいに折りたたまれて財布の中に入っていたのです。
ああ、きっとこれは、自分が外出先で倒れた時に、知らせてほしい人の名前と電話番号を書いていたんだろうなぁ。
こんなのが財布に入っているなんて知らなかったよ・・・。
さらに、父の書斎の本棚の中には、10数年にわたって書かれた日記帳と、友人知人の住所と電話番号一覧表がファイルにまとめられていました。
これ、亡くなった時にわかっていれば、葬儀の連絡先に苦労しなくて済んだのになぁ。
そして、父が自分でファイリングした自分史も出てきました。
自分の履歴書(卒業した学校、勤務先など)と、さらには自分の父の履歴書まで。
そして父自身の改製原戸籍も!
父は自分のルーツをたどるべく、市役所から戸籍を取り寄せて調べていたんです。
“遺産相続”と書かれたファイルには、土地や建物の登記簿や昔この土地を買ったときの契約書などがまとめられていました。
あまりにも昔すぎて、その用紙はペラペラの変色した紙で、今にもパラパラと朽ち果てそうな古い古い用紙でした。
こんな大切なものが、こんなところに保管されていたなんて、家族の誰も知りませんでした。
いわゆるこれらが父のエンディングノートだったんですよね。
きちんと整理され、まとめられたエンディングノートも、遺された家族の目にふれることがなければ、なんの効力も発揮しないのです。
マイ・エンディングノートを用意する
2年前から私自身もエンディングノートを意識するようになり、一応作ってはみたものの、今なお中途半端のまま放置しています。
http://nettosyuunyuu2012.blog.fc2.com/blog-entry-719.html
父のこともあり、今一度エンディングノートに必要な項目を整理してみました。
1.自分のこと
生年月日、血液型、持病、飲んでいる薬など
2.自分史
出生から現在までの情報(学歴、職歴、これまで住んだ場所など)
3.親戚、友人、知人リスト
葬儀の時の連絡用
4.財産リスト
通帳、印鑑、暗証番号などの保管場所
加入している保険など
5.デジタル遺産
パソコン、スマホなどのデータ情報、ID、パスワード一覧
今のところ思い浮かぶのはこんなところです。
特に我が家の財産、通帳管理は私がすべて行っていて、夫はほとんど知らないので、このあたりは誰が見てもわかるようにしておかなければならないと思っています。
そして、エンディングノートとしてまとめたものは、家族にもその保管場所を知らせておかなければなりません。
エンディングノートは、自分のためにまとめるものではなく、遺された家族が困らないようにまとめるものですもんね。
それにしても・・・
父の本棚の中には、うちの3人の子どもたちの名前が書かれたファイルも保管されておりました。
その中には、これまで”孫からおじいちゃん・おばあちゃんへ”送った手紙や絵のすべて、そして若かりし頃の私が都会で子育て中に、父母宛に書いた何通もの手紙がきちんと残されていました。
ぎゃーーーーーーっ!
自分の書いた手紙に赤面!!!
こんなの残しておかなくていいよ!!!
コメント
お父様、本当にきちんとされてたかたなんですね。
我がふりを振り返り…あぁ、、、いろんなものがグチャグチャ。
なんとかしなければと反省中です。
なんとかした暁には、周知徹底も必要なのですね。
勉強になりました!
みみっこさんへ♪
グチャグチャは私も同じです。
いつも整理しようととりかかるのですが、途中でめんどうになり放置・・・を繰り返しています。
一度本気で取り掛からなくてはなぁ・・・。
そらはな様
最近のブログからの、私ですから、お父様のお亡くなりになった時のことは、すみません、読んでいません。大変ですけど、あんまり考えすぎないでね。エンディングノートは、京都コープで書き方の講習を@100円でしていまして、受講しました。深く構える必要はないですが、「ここにあるから!見てね!」が大事です。私も父死亡の時は、大変でした。突然でした。母は、蛻の殻状態。H8年当時は、本人確認云々言われなくて今よりは、楽でしたが、仕事の合間に関係各所に電話して、大変でした。私は、物を捨てながらの生活を心掛けています。父の物が、余りにも多かったので。
ルリネコさんへ♪
最近いろんなところで、エンディングノートの書き方の講習会を目にするようになりました。
型にはまったものでなくとも、家族がそれをみてわかればいいのですもんね。
「ここにあるから!」って常に家族に言いふらしておこう!(^^)!
物は本当に最小限でいいですね。
自分にとっても、遺された家族にとっても・・・。
2度目のコメントになります。
ゆきみと申します。
色々な話題のブログを書いてくださっているので、いつも参考にさせていただいています(^^)
私は27歳ですが、兄弟も多く、末っ子のため
両親は周りに比べると高齢で、
父が68,母が63です。
悲しい話ですが、本当に人っていつ亡くなるかわからないですよね。
数年前、伯父も65で、本当に突然亡くなってしまいました。
それから心の片隅で、両親もいつか…
と考えるようになりました。
でもら、実際にそのことに話をしたり、確認したりすることはしていませんでした。
娘からエンディングノートを勧められるのって複雑ですかね?
兄や姉よりも
まだ実家住まいの私が
両親を先導して準備してもらうのも
いつか来る日のためにはいいのかなぁ
と、そらはなさんのブログを読んでいて
感じました。
ゆきみさんへ♪
お父様もお母さまもまだ60代でお若いですが、本当にいつ何時どうなるかは、誰にもわかりませんものね。
私が、もし子どもたちにエンディングノートを書くように勧められたら、別に嫌な気はしませんけど、突然言われたら、なに?なに?どうした?ってなるかも(^-^;
何かの機会に・・・例えば伯父さんの〇回忌の法事の時などに、お話しするのはいい機会かもしれませんね。
最近はテレビなどでもエンディングノートについてみかけるようになりましたから、もしかしたらゆきみさんのお父様お母さまも準備しているかもしれませんね。
そらはなさん、こんにちは。
エンディングノートは本当に大切です。
気持ちが落ち着かなく、頭が回らない状態の時には何をどうすれば良いかの導きになりますよね。
私は1人娘のうえに実家が離れているので、何もかも1人で対応しないといけないと考えるだけで、頭が痛いです。
介護の時もでしたが、義父の相続事務はたいへん役立つ経験でした。必要な書類を整えるだけでも、労力いりますね。
シンプルに生きた方が、亡くなった後も楽にできますね。
ところで、相続の書類はどれくらいの期間保存されますか?五年くらいは保管した方が良いでしょうか?
今はストップされてますが、遺品整理で写真なんかはどうされますか?スライドなんかも大量にあって、全捨てしたいのですが、踏ん切りがつかず放置です。
ともさんへ♪
親の死は、経験しないとわからないことがたくさんあり、みんなそれぞれ手探りでやっていくしかないのだろうなぁ・・・と思いました。
相続の書類などは、一度自分がわかるようにきれいに整理して、子どもたちに引き継げる状態にしたいと思っています。
父が保管していたものは、あまりにもたくさんありすぎて、何が大事で何が必要ないのか、よくわからないので・・・。
父の写真類は、とりあえず段ボールに全部入れて、母へ預けました。
母が気のすむまで目を通したら・・・そのあとは処分するしかないと思っています。
父の写真は遺影だけで十分です。いろんな写真をみると、泣きたくなるんでね・・・。