相手は変えられないけれど自分は変われる 認知症の始まりかもしれない母と関わってわかったこと

スポンサーリンク

数日前にわめき散らしたことが嘘のように、今はとても心穏やかでいられます。

母が認知症かもしれないとわかって、私も動揺や焦りがあり、ついつい母には辛く当たってしまったかもしれません。

相手の言動は簡単には変えられない。
でも、自分の考え方や態度は変えることができます。

母と関わってみて、この数日間で学んだことがたくさんありました。

 

スポンサーリンク

母に振り回される

「あんたは泥棒と同じだ」と母から言われた言葉は、今まで生きてきた中で最悪の出来事で、冷たい氷の破片が心臓に打ち込まれたような衝撃を受けました。

何度も何度も同じことを聞いてきたり、次の日には真逆のことを言う母の言動に、振り回されほとほと疲れていた私は、突然夫を亡くし精神的にも参っている母のことを、気遣う余裕などありませんでした。

そこへ泥棒呼ばわり。

もう無理だ!
母と顔を合わせるのはゴメンだ!
こんなに苦労していろんな手続きをしてきた私の苦労はなんだったの?

悔しさと怒りと悲しみで、このまま立ち直ることはできないのではないかと思われた私は、母と少し距離を置くことにしたのです。

翌日になっても、私のどす黒い感情はドロドロと渦巻いていたのに、しかし母は何事もなかったかのように話しかけてくる。
すっとぼけているんだろうか?認知症の始まりで本当に覚えていないんだろうか?

半信半疑だった私ですが、母が本当に認知症の始まりなんだと思わざるを得ないことがありました。

スポンサーリンク

認知症と決定付けたこと

いつまでも母のことを無視するわけにもいかないので、とりあえず手続き関係はいったん小休止として、母にはいつものように仕事へ行く前に「いってきます」と声をかけました。

すると母「大変なことになるよ!」と血相を変えて言うのです。

出勤前の時間のない時に、今度はなに?と内心思いながら、話を聞くと・・・。

凍結されていたA銀行の父の名義の定期預金は、いったん私の通帳に振り込まれたのですが、あくまでも母へ渡すお金だったので、通帳ごと母へ預けていたのです。

それが原因で、先日の「泥棒呼ばわり事件」へと発展したのですが、その日母はこんなことを言ってきたのです。

「あなたの通帳へお金が入っていると、莫大な相続税がかかるよ。どうするの!」と。

嗚呼・・・。
やっぱり全然覚えていなかったんです。

この通帳を見ながら私のことを「泥棒と同じだ」「相続争いしている」と吐き捨てたことを。

 

もちろん相続税なんぞ発生するような額ではないのですが、母は通帳の名義が私であることが気に入らない様子。

「だーかーらー!このお金は一時的に私の通帳に入っているだけだって、何回も説明したよね。
そうしたらお母さんが私のこと、泥棒だって言ったじゃん。
私、すごく傷ついたんだからね!
私のこと泥棒だって言ったこと覚えてる?」

母が泥棒呼ばわりしたことを、どう思っているのか聞きたくて、思い切って聞いてみたのです。

 

「泥棒だなんて言ってないよ」
母は真顔でそう答えました。

 

そうか・・・。

やっぱり言った言葉は覚えていなかったか。

母が認知症の始まりであるということを、確信した出来事でした。

スポンサーリンク

母の見方を変えた

「お母さんは、おまえに次々にいろんな説明をされて、どうするか選択を迫られて、パニックになったんじゃないかなぁ。子どもの喧嘩と一緒で、おまえにまくしたてられて、それに対抗できる言葉が”泥棒”だったんじゃないか?」

夫からそう言われて、ハッとしました。

賢い母も、高齢となり記憶力判断力ともに低下し、さらには夫の死で精神的ショックから、認知症が一気に加速することもあります。
そのことに一番ショックを受けているのは、母なんですよね。

また、ブログに多くの方からコメントをいただき、みなさんの経験談に気づかされることもたくさんありました。

認知症は病気なのです。
母は母ではあるけれど、もう以前の母ではないのです。

気の強い母、負けず嫌いの母、思ったことを遠慮なく言う母、自分の価値観が絶対であると思っている母、自分の意見を絶対に曲げない母。
私がいつまでもそんなフィルターで母を見ていたら、認知症の初期症状にも気づくことができないのです。

自分が言った言葉も覚えていないという母に、「この前こう言ったよね!」と責めてもなんの解決にもなりません。
自分が言った言葉を覚えていないのだから、それを責めても逆に不安をあおるだけなのです。

 

病院で診断を受けたわけではありませんが、母が認知症であるということを、私自身が認めることによって、少し気持ちが軽くなるのがわかりました。

これからは母に対して身構える必要はないのです。

我が子を愛情を持ってひとつひとつ教えながら育ててきたことを、今度は母にそのままやっていけばいいのですから。

何回も聞かれたら、何回でも答えればいい。
同じ話を何度もされたら、何度もうなづけばいい。

たったそれだけのことなんです。

 

2f35d356a261a5443e8b2a4ee0189c73_s

 

スポンサーリンク

足るを知る

今与えられているものに満足し、感謝して生きようという意味。

父は突然亡くなってしまい、母は認知症が始まってしまったけれど、私にはまだ元気に動ける体とあれこれ考えることができる頭があります。

健康上問題がなく普通に日常生活が送れる状態の健康寿命は、男性が71歳、女性は74歳だそうですが、父は85歳を過ぎて亡くなる前日まで普通に日常生活を送っていたのだから、なんて幸せなことだったんでしょう。

母は、自分が言った言葉を覚えていないけれども、自分の身の回りのことは出来るし、新聞だって毎日読んで、お金の計算にいたっては私よりも早い暗算ができるのです。

そして私は、母の見方を変えることで、とても穏やかに母と接することができるようになり、母もまた素直に話しを聞いてくれるようになったではありませんか。
たまにブツブツ文句は言ってくるけど、それだってかわいいもんです。

今私がおかれた状況は、自分を成長させてくれるチャンスなんだと思うのです。

そう思えるようになったら、心がとても満たされていく感じがします。

 

すごい!

私、なんだか悟りを開けそうだわ・・・。

 

コメント

  1. りんりん より:

    さすが!そらはなさん!!
    そんな気持ちになりながらも、行ったり来たりしている私です。
    それにしても、、、「たいへんなことになる!」この言葉。
    私の場合もこの言葉がキーワード。全然大変になるような事ではなかったのに、何回説明したことか、、、、、、。
    どうぞ無理をなされませんように。

    • そらはな より:

      りんりんさんへ♪
      ははははは(^◇^)
      たしかにうちの母も「たいへんなことになる」って言うことが、全然大変なことにはならない・・・ですねー。
      母が混乱して怒り出すキーワードがわかったので、「大丈夫、大丈夫。ちゃんとやってるよ」と言っておけば、とりあえずまるくおさまっています。
      子育てと一緒ですねぇ。その子の個性をわかって対応することが大事なんですね。
      今のところはこれでやっていけますが、この先はわかりませんから、常に手探りで進んでいこうと思っています。

  2. しろうさぎ より:

    そらはなさん、凄い!!
    仕事をしながら家事も完璧にこなし、これだけのクオリティのブログを更新し続けてコメントにも丁寧に返事を下さる。
    大変な手続きをしながら、色々な事を言ってくるお母さまとも対応して短い間に「悟り」の境地に至るなんてなかなかできる事ではありませんわ。

    クオリティにこだわらずに時にはとりとめない愚痴を吐き出してくださいね。
    感情的に吐き出したい時がある事はわかっている人ばかりですよ。
    毒をためると体に悪いです。
    これからも心ざわつく事があると思いますが、無理なさらずに後悔しないようにしてください。

    • そらはな より:

      しろうさぎさんへ♪
      いやはや・・・そんな持ち上げられても・・・(^-^;
      家事は完璧にやってませんし、仕事をしているほうが気がまぎれます。
      だけど、みなさんからのコメントで自分ではわからないいろんな情報を得ることができて、本当にここに吐いてよかったーと思いました。
      アドバイスありがとうございました(#^^#)

  3. しろみ より:

    そらはなさん
    一生懸命 お母様と向き合う姿すごいなあ
    でもね でもね
    あまり 無理はしないでね
    もしも 認知症だとしたら これは序の口かもしれません
    先が見えない分 もっと悩む日もあると思います。
    なので 人に任せられる事はどんどん任せて 1人では背負わないこと!
    理解ある娘 完璧な娘を演じない事!

    みんな 悩んで当たり前なのです(*^^*)
    周りの人みんなで 乗り越えてね

    生意気な事言ってゴメンね
    経験者の私から 言ってあげられる事だと思ってますp(^_^)q

    • そらはな より:

      しろみさんへ♪
      そうなんですよねー、まだ始まったばかり。序の口だと思っています。
      これで済むわけがないと思っていますが、とりあえず1日が穏やかに過ぎてくれれば、それが積み重なって連続して、1週間、1か月、1年と続いていってくれるといいなぁ。
      しろみさんのお母様は、病気のケアもあったから大変でしたよね。
      経験者からのアドバイスが一番心に染みます。
      ありがとうございます。

  4. とも より:

    そらはなさん、こんばんは。
    少し日が経って落ち着かれたようですね。
    うちの舅は高齢のうえ、入院するとせん妄を起こす人でした。いつもは退院すると戻るのですが、昨夏の入院の後は回復せず、そのまま認知症に移行しました。
    住んでるのは中部なのに、北海道にいると言い続けたり、毎早朝学校に行くと言いました。
    私は、あら?と思いながらも否定せず、きれいな所だねとか、お父さん何年生とはなしを合わせました。私のことおっかさんとも言ってました。

    義理の関係だから、少し冷静になれましたが、親子では精神的に大変だと思います。
    ケアマネさんやヘルパーさんに随分と助けられました。介護保険の範囲内で道具、人、使えるところは全部使いました。

    そらはなさんも今は、色んなことで私がやらなければと気が張ってると思いますが、介護は長いし、同じことの繰り返しの毎日です。お母様の症状もそらはなさんの気持ちもジグザグに進むと思いますが、時には大声で泣いてもいいし、愚痴ってもいいんですよ。私なんてしゅっちゅう爆発してました。
    ストレスを蓄積しないように、時には弾けるのも良い介護につながると思います。
    長々と書いてしまい、すみません。
    暑い日が続きますが、くれぐれもお元気でお過ごしくださいね。

    • そらはな より:

      ともさんへ♪
      あはははは(^◇^)
      失礼ですが「おっかさん」と呼ばれていたともさんに、笑ってしまいました。
      自分の親が、だんだんわけのわからないことを言ったり行動したりするようになるのは、とても悲しいことですね。
      親はいつまでも前を歩いていってくれるものだと思っていましたが、自分が親の手をひいて歩いていかなければならなくなったとき、やっぱりとまどうし、慣れないし、困惑してしまいます。
      ただ、物事はなるようにしかならないのですよねー。
      意外と自分がメンタル強いんだってこともわかりました(^-^;
      気が付けばもう7月なんですね!
      コメントありがとうございます。励まされました(#^^#)

  5. まりねづみ より:

    まりねづみです
    私はまだ、親の介護も死も経験していません
    だから、安直なコメントは出来ないのですが、
    私はいつも、そらはなさんのブログから、
    色んなことを沢山沢山学ぶのです
    あなたの発信で、どれだけ多くの方々が
    気づき、救われ、安心されているかと思うと…

    そんなそらはなさんは、絶賛偉大です!
    尊敬しています!!

    • そらはな より:

      まりねづみさんへ♪
      照れますがな・・・(;^ω^)
      でもありがとうございます。
      私もブログを書く上で、あーでもないこーでもないとものすごく考えてから書くので、自分でも勉強になっているのですよね。
      ボケないよう、そして大好きな劇団四季をまた観に行けるよう、日々体と頭を鍛えていきます。

  6. きのこ より:

    こんばんは、そらはなさんのポジティブさにブログを読んでる私も、元気が出できます。
    そう、すべては自分の気持ち考え方ひとつなんですよね。
    辛い事やピンチはチャンスなのですね。
    お母様と、きちんと向き合い、頑張られてる…そらはなさん、今の私には、まだわからない事だらけですが、そらはなさんを、コメントで応援する事ぐらいしかできませんが、
    どうか、お体、無理なさらず、末長くブログ、続けていただけると嬉しいです。

    • そらはな より:

      きのこさんへ♪
      母ときちんと向き合っているかどうかはわかりませんが、とりあえず母には難しいことは言わずにいることで、なとなく丸くおさまっています。
      今まで母が不安にならないよう、すべてのことを詳細に教えるのがいいのだと思っていましたが、そうではなかったということに気づきました。
      何か聞いてきたら、大丈夫大丈夫と言っておけば、とりあえずおさまります(^-^;
      これでいいんだなーって思いました。
      教育費のために節約を始めたブログでしたが、なんだか親の死とか介護とか・・・老後のブログになりつつありますねー。
      それだけ自分も歳をとったわけなんですよねぇ・・・。しみじみ・・・。

  7. ぼんきんかぼちゃ より:

    私の母は六年前に認知症になり、今は要介護3になりました。父は亡くなったけど、私一人で父と母の介護をしていました。認知症は内服薬を服用しても進行します。やはり自分だけで背負わずに 早めに認定を受け、ケアマネさんになんでも相談することがイイかも~。状態を拝見すると、今はほんの入り口だと思うけど、この先を考えて介護保険を利用することも大切だと思います。
    母はデイサービスも利用していますが、そこの看護師さんや職員さんにいつも助けてもらっています。

    • そらはな より:

      ぼんきんかぼちゃさんへ
      お久しぶりです(#^^#)
      お母さま、認知症になられたんですね。
      私も、ようやく母への対応をどうすれば一番いいのか、手探りながらわかりつつあります。
      最近は、母も落ち着いているのですが、私さえ「怒りのスイッチ」を押さなければ、大丈夫な感じです。
      何度も聞かれても、何度も答えるというのにもだいぶ慣れました。
      でも、いずれ自分一人ではどうにもできなくなる時が必ずきますもんね。
      いろんな方たちのお力を借りて、助けてもらいながらやっていきたいと思います。

  8. きこ より:

    今まさに母との生活に限界を感じてたどり着いて見させていただきました。私の場合、父が9年前に亡くなり、その頃から、そらはなさんの体験したような母の症状に悩み自分を責め結局何もやりきれなかったので今この状態になったのかな、と、また自分を責めています。母は81歳。私はバツイチ出戻りの50代、一人っ子です。誰にも相談もできず情けない毎日を過ごしています。息子(母からみればヒ孫)が1人、結婚して関東に住んでいますが私は、頼りないのがよいことだ、と、それだけは安心しています。

    • そらはな より:

      きこさんへ♪
      こんにちは(#^^#)
      コメントありがとうございます。
      同じような立場の方からのコメントは、本当に心強く感じます。
      自分の親だからこそ、なかなか外部に相談できなかったりしますよね。
      そして自分の親だから、こういう状況になっていくのが悲しかったり情けなかったり・・・。
      私も、母と話をするときは、ちょっと構えてしまいます。今はだいぶ落ち着いているのですが、なんだか義務的に接している自分が、情けなくて・・・。
      母が自らやりたいことをやって、もっと暮らしを楽しめばいいのに、父が亡くなったばかりでそれも難しいだろうし、でも、そんな母と接していると、こっちまで気持ちが滅入ってきて・・・本当にどうしてよいのかわからなくなります。
      毎日試行錯誤です。

タイトルとURLをコピーしました