先日、60歳を迎えました。
そして届いた「ねんきん定期便」。
それまでどこか他人事だった「年金」という存在が、急に自分の人生の中心に近づいてきたように感じました。
65歳から受け取るべきか。
繰り下げて増やすべきか。
損なのか、得なのか。
そんな迷いの中で、私は 「年金は70歳から受け取る」 という選択肢を真剣に考えるようになりました。
その背景には、自分自身の老後への思いだけでなく、両親が歩んできた道がありました。
年金を70歳から受け取るという選択
年金は1か月繰り下げるごとに0.7%増え、70歳まで待つと受給額は約42%増えると言われています。

以前の私は「何歳まで生きたら得なのか」という損得勘定で考えていました。
でも今は、年金を “安心をつくる仕組み” として捉えるようになりました。
・早くもらえば、今の安心につながる
・遅くもらえば、長生きしたときの安心につながる
この考え方に変わったのは、両親の年金手続きを経験したことが大きなきっかけでした。
両親も選んでいた「70歳受給」
父が亡くなり、母の年金や遺族年金の手続きをしたときのこと。
正直なところ、「昔の人って、けっこう年金をもらえるんだな…」と漠然と思っていました。
父は定年まで働き続けた人。
いわゆる「悠々自適世代」なのだろうと。
ところが後になって、母の口から出た一言で、すべてが腑に落ちました。
「年金は、繰り下げて70歳からもらったのよ」
ああ、そうだったのか、と。
繰り下げ受給が、母の暮らしを支えている
今、母は施設で暮らしています。
その費用はすべて、母自身の年金と遺族年金でまかなえています。
子どもである私たちが、経済的な心配をする必要はありません。
年金は、生きている限り、毎月必ず振り込まれるお金。
その安定した収入が、母の暮らしを支え続けています。
両親が「長生きしたときのために」と選んだ繰り下げ受給。
その判断が、今の母の安心につながり、私たち家族の心の負担を軽くしてくれているのだと、今になって強く感じます。
親から受け取った「先を見据える」というバトン
当時、年金を70歳から受け取るという選択は、きっと珍しかったはずです。
周囲から何か言われたこともあったかもしれません。
それでも両親は、自分たちの未来を見据えてその道を選んだ。
その姿勢こそが、私が今受け取った“バトン”なのだと思っています。
わが家の前提は「65歳まで働く」
夫の定年が60歳から65歳に延長されたことをきっかけに、私自身も「65歳くらいまでは働けたら」と考えるようになりました。
フルタイムでなくてもいい。
体力や暮らしに合わせて、無理のない働き方で。
収入のためだけでなく、生活リズムや社会とのつながりを保つためにも、働くことは大切な役割を果たしてくれます。
10年前からの積立投資が、今の安心につながっている
振り返ると、10年前に始めた投資信託の積立が、今の私に大きな安心をくれています。
派手なことは何もしていません。
子どもたちへの仕送りが終わったタイミングで、その分を淡々と積み立て続けただけ。
でも、10年という時間は確実に資産を育ててくれました。
「未来の自分を支える仕組み」をつくっていたのだと、今になって実感しています。
無年金の5年間は「我慢の時間」ではない
年金を70歳から受け取る場合、65〜70歳の5年間は無年金期間になります。
その間は貯蓄を少しずつ取り崩しながら生活することになります。
ただ私は、この5年間を「我慢の時間」とは考えていません。
・暮らすためのお金は貯蓄から
・楽しむためのお金は、株の売却益や配当金から
こうしてメリハリをつけることで、気持ちにも自然と余裕が生まれます。
旅行、観劇、趣味。
人生を楽しむ時間として、前向きに使っていきたいと思っています。
年金を待つ時間も、人生の一部
65歳まで働き、
積立投資を続け、
必要なところだけ貯蓄を使う。
そう考えると、年金を70歳まで待つという選択も、無理のない延長線上にあります。
もちろん、今後の経済情勢や健康状態によって、受給開始を早める可能性もあります。
早くもらうのも正解。
繰り下げるのも正解。
大切なのは、自分がどんな老後を送りたいかを、自分で選び取ること。
60歳は、これからの暮らしを“選び直せる”年齢。
私はようやく「これからの暮らしを自分で整えていく」という感覚を持てるようになりました。
両親から受け取った「先を見据える」というバトンを、今度は自分の人生へつないでいく。
焦らず、比べず、自分のペースで。
これからの暮らしを、丁寧に育てていこうと思います。



コメント
そらはなさん
こんにちは
一般的に男性より女性が長生きするとしたら、そらはなさんは厚生年金は繰り下げない方がよいですよ
繰下げて増えた分、税金のかからない遺族年金の支給額が下がるからです
もしこのはなさんの基礎年金が満額出なければ、60歳から65歳の間に任意加入して満額にしたほうがいいです、ただし60歳以降も厚生年金に加入している場合はこの手は使えません
サバイバルECさんへ
おっしゃる通り、遺族年金は非課税ですものね!
そうでした!そこまで考えが及びませんでした。
まだまだこれからの暮らし方は、検討すべきことがたくさんありますね。
アドバイスありがとうございました。