我が家の庭にラベンダーが咲いていたことを知ったのは、父が亡くなったあとのこと。
それ以前から植わっていたはずなのに、私はまったく気づいていませんでした。
というのも、庭のことはすべて父に任せきりだったから。
草木の手入れも、季節の植え替えも、私は見て見ぬふりをしていたのかもしれません。
けれど、父がいなくなってから──
私は初めて、庭に目を向けるようになりました。
初めての手入れは失敗だらけ
ラベンダーの存在を知っても、最初のうちはどう扱っていいのか分からず、ただ眺めるだけ。
花が咲き終わった茎をそのままにしていたら、冬には枯れ枝だけが異様に立ち並び、ちょっとした“廃墟風ガーデン”のようになってしまいました。
そんな失敗を繰り返しながら、少しずつ庭の手入れをするようになったのが7年前のこと。

ラベンダーは、バラの花壇の片隅へと移植しました。
「いつかラベンダーを束ねて、部屋に飾れたら…」
そんな夢を、いつしかぼんやりと思い描くようになっていました。
秋田でも元気に咲く、ラバンディン系ラベンダー
移植してもラベンダーは驚くほど元気で、秋田の厳しい冬を何度も越え、今では毎年美しい紫の花を咲かせてくれます。

今年もラベンダーが咲いた
どうやら品種は「ラバンディン系」の可能性が高いようです。
イングリッシュラベンダーよりも耐寒性が強く、香りも濃厚。寒冷地向きの品種です。
乾燥後も香りが長く続くため、ドライフラワーやポプリにも最適なんだとか。
そんな“たくましさ”も、なんだか父の背中と重なって見える気がします。
ラベンダーのドライフラワー作り|開花後でもOK?
本来、ドライフラワーにするなら、ラベンダーは花が咲ききる前──蕾の状態で収穫するのが良いとされています。
乾燥後も花が落ちにくく、色も香りも長持ちすると言われています。
私もそれにならって、毎年早めに摘んでいたのですが──
今年はうっかり収穫のタイミングを逃し、気がつけばほとんどの花が満開に。
「あ、しまった」と思いながらも、ハサミを手に取り、咲いた花を束ねてみました。

咲いたラベンダーも美しい!
すると…咲いた花も、香りも見た目も、思っていた以上に美しい。
それはそれで、十分に満足のいくラベンダー束となりました。
簡単!ラベンダーのドライフラワーの作り方
ドライフラワーづくりは、とてもシンプルです。
1. 晴れた日の午前中に収穫
香りがいちばん強くなるのは、太陽が昇り始めた時間帯です。
2. 茎を束ねてゴムや麻ひもでまとめる
あまり太くなりすぎないよう、10~20本程度ずつが扱いやすいです。
3. 風通しのよい日陰で、逆さ吊りにして2〜3週間乾燥
直射日光は色褪せの原因になるのでNG。
4. パリッと乾いたら完成!
花が落ちやすいので、取り扱いはやさしく。

昨年のもの(左側)は処分 右側:今年のもの
完成したラベンダーは、吊るして飾るのはもちろん、瓶に入れてインテリアにしたり、サシェにして香りを楽しんだり。

乾燥したらトイレにも飾ります
部屋にふわっと広がる優しい香りが、暮らしにそっと彩りを添えてくれます。
香りと記憶を束ねて
10年前の私には、こんな日が来るなんて想像もできませんでした。

とっ散らかっていますがラベンダーを束ねています
花を収穫し、束ねて、香りに包まれる──そんな暮らしを送っているなんて。
ラベンダーは今も、庭の片隅で静かに咲いています。
その香りに包まれながら、ふと父の背中を思い出すことがあります。

小さな花は束ねるとかわいい!
今年の収穫も、どこか感慨深いものでした。
「来年こそは、もっと早めに摘もう」
そう思いつつも、咲ききったラベンダーを手に、静かな初夏の一日を過ごしました。


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