介護認定の申請をしてから約1か月。
市から封書にて介護認定の審査結果が届きました。
日常生活は自立しているけれど、物忘れがひどくなった母の認定結果は、要支援1。
せっかく認定されたので、母はどんなサービスが利用できるのか、考えてみました。
介護保険制度
2000年に導入された介護保険制度。
それまでは、老人福祉法と老人保健法の二本立てであったため、介護サービス面は市町村が担当し、医療面は病院が担当していたため、いろいろな問題点がありました。
例えば、介護サービスの種類や提供機関は市町村が決定していたので、介護を受ける本人が自分で選択できない。
また、サービス内容も画一的(いわゆるお役所仕事的な)。
本人と扶養義務者の所得に応じてサービスの金額が決められていたので、所得が多い世帯ほど、ものすごく高額になる。
そのため、介護福祉サービスを利用して施設に入所するよりも、一般病院へ入院したほうが医療費が安いという状況が生まれ、介護を理由とする長期入院が増え、国が負担する医療費が増加しました。
老人保健法では、介護の費用が支えきれなくなったんですね。
そんなわけで介護保険制度が設立されたのですが、設立されてから16年という年月はまだまだ若く、その内容については実際に利用する側にならなければ、わからないというのが実情です。
私も、40歳になると給料から介護保険料が天引きされるようになったのですが、やっぱりどこか他人事であったし、介護保険制度を知ろうともしませんでした。
要支援1で受けられるサービス
父の死後、物忘れ置き忘れが顕著になり、不安が増すと攻撃的な態度となる母に辟易していたところ、かかりつけ医から介護保険認定の申請をするように勧められました。
日常生活は自立している母の場合は、認知症と呼ばれる手前の軽度認知障害なのでしょう。
いずれ認知症に移行していく確率はとても高いと思われますが、それでも早期に認知症の薬を内服し、対応の仕方によっては症状の進行をマイルドにすることができるのですから、介護認定も要支援1と決定したようです。
渡されたパンフレットをみながら、要支援1で母が利用できるサービスは何があるのか検討しました。
1.訪問介護・訪問入浴介護・訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅療養管理指導
すべて不要。
だって母は食事も自分で作るし、日常生活も自立しています。
2.デイサービス・デイケア・ショートステイ
行くわけがない。
だいたい母は、介護認定のために市から調査訪問に来たことも、主治医から意見書を書いてもらったことも知らないのですから。
市からは健康調査、かかりつけ医ではいつもの定期健診と話していたのです。
まだまだ気丈にふるまう母が、今の段階でデイサービスなどに行くことは絶対に嫌がるのは目に見えています。
3.福祉用具の利用
要支援1の場合、貸与される福祉用具は
- 手すり(工事不要のもの)
- スロープ(工事不要のもの)
- 歩行器
- 歩行補助つえ
ですが、トイレやお風呂場には手すりがありますし、つえも持っているので、今の時点では借りるものがありません。
特定福祉用具の購入では、1年につき10万円を上限に、払った金額の9割が払い戻しされますが、対象となる用具は
- 腰掛便座
- 簡易浴槽
- 移動用リフトのつり具
- 入浴補助用具
- 自動排泄処理装置の交換可能部品
これらの中で利用したいと思ったのが、入浴補助用具。
お風呂場に置く介護用のイスがあればいいなぁと思いました。
今使っているのは、普通のプラスチックの入浴用いすなのでね・・・。
高さが調節でき、足も滑り止めがついているシャワーイスです。
5,000千円くらいで買えるので、1割負担ならば500円程度で購入できるってことですよね。
事前に市役所へ申請手続きをすること、介護保険の指定事業者からの購入でなければ対象とならないことなど決まりがあるので、後日市役所へ問い合わせをしてみようと思います。
自分のためにできること
父は年金から介護保険料が引かれていましたが、結局一度も介護サービスを使うことなく逝ってしまいました。
だから損をした・・・とか、そういうことではないのですが、2060年には65歳以上の高齢者が全人口の4割に達すると言われています。
その時私、94歳。←生きてるのか?
平均寿命が延びたがゆえに、昔はあまりなかった認知症の患者さんも増加の一途をたどっているといいます。
理想的なのは、父のように最期まで介護保険に頼ることなく逝くことですが、こればっかりはどうなるかわかりませんものね。
心も体も、そして頭も健康でいるために、今からできる健康法とかボケない予防法とかいろいろありますし、同じ時間を過ごすのならやっぱり毎日笑っていたいものです。
そして現在、第2号被保険者として介護保険料を払っている以上、介護保険についてももっとわかろうとしなければならないのだ・・・と、つくづく思いました。
母の件で、あまりにも何も知らない自分に愕然としたからです。
母のためでもあり、いずれその道を歩く自分のためでもあります。
コメント
そらはなさん。こんにちは。
認定がきて、色々とサービスが受けれますね。
直接肌に触れる用具、排泄と入浴関係はレンタルはできないようです。
うちは介護保険サービスをうける前に、ポータブルトイレを実費購入しました。義父本人は寝込んでも、あんまり使いたがりませんでしたが、緊急時にはとても助かりました。今は物置きに入ってますが、災害用に残してあります。手すりつきで、蓋を閉めるとイスのようになるタイプです。
介護サービスは、決まりが細かく複雑で、サービスを受ける方も色々と事前に調べた方がいいですね。
義父が誤嚥性肺炎で入院し、3日間絶飲食の結果、嚥下障害と足が立たなくなりました。
食事もクリーム状のものになったため、家での介護は難しく、リハビリのための老健施設に入所しました。
私が一番後悔しているのは、施設では投薬の点数(金額)の上限が決まっていて、持病の薬も制限されるそうです。結果、心臓と腎臓に持病があったので、利尿剤を長年服用してましたが、それを止めた為に浮腫が出て、一月も経たないうちに再入院になりました。その入院中にまた肺炎を起こして、そのまま亡くなりました。
もう少し勉強して、一番ベストな選択ができればと思うこともありますが、どれがベストかは??です。
介護サービスを受ける時は、緊急時もあります。
その方が多いです。家族は藁をつかむ気持ちで、選択します。あらかじめ、何があっても良いようにシュミレーションと研究をおすすめします。
ではでは。
ともさんへ♪
なるほどー。排泄と入浴関係はレンタルダメなんですねー。
うちもいつかポータブルトイレが必要となる時がくるんだろうか・・・。
それにしても、施設で投薬の上限が決まっているなんて、初めて知りました!
この辺が、介護と医療の谷間なんでしょうね。
介護は緊急時もあるということを念頭において、いろいろシュミレーションしてみたいと思います。
ありがとうございます。
はじめまして。
余りにもウチの母(姑)に似ているのでコメントさせてください。
あっという間にいろんな事が出来なくなりました。デイサービスもさんざ嫌がっていましたが、いつしかお風呂を目当てに進んで行くようになり、今ではデイサービスだけが楽しみです。デイサービスが無ければ、着替えもせず、食事もせず、風呂も入らず、歩きもせず、誰とも口もきかず、笑いもしない、生活不活発病まっしぐらです。
いまでも気分が落ち込んだりすると、もうデイサービスには行かない!と言い張ったりもしますが「せっかく介護保険料払ってるんだから元取って来てよ♪」と宥めすかし励まして行ってもらっています。
母の事をわかってくれる人が居るという安心感で家族の気持ちも和らぎました。老いは残酷なものです。子どもの成長をみるのとは真逆の、どんどん出来なくなりついには命の火が消えてしまうのを近くで見守ることしかできません。どうぞこれから長く続く老いの過程をお一人で背負うことのないように万全の体制をひいてください。
のやならさんへ♪
はじめまして(#^^#)
実体験は本当に参考になります。
今は全然大丈夫な母ですが、いずれどんどん悪化していくんだろうか・・・?
それでも、こうやって教えていただけると、心構えもできます。
老いは残酷・・・。
そしていつか自分も通る道。
介護は家族だけでは絶対に無理だというのがよくわかるので、いろんな方のお力を借りながらやっていきたいと思います。
地域包括支援センターの職員です。要支援の方の介護保険サービスは使えないものが多いと感じるかもしれませんが、地域支援事業として行われる介護予防事業などは要支援の方に合うものがあると思います。内容は自治体により違いますので、お近くの地域包括支援センターにぜひ相談を‼ちなみに、介護予防事業は一般高齢者対象のものもあり、介護保険料も財源としてますので、介護が必要にならないために、支払った保険料分の恩恵をみなさんにぜひ受けていただきたいと思います。
みかさんへ♪
介護予防事業もいろいろあるんですね。
母の状態をみながら、検討したいと思います。
財源は本来であれば、介護が必要のない状態に保つために使うのが一番なんでしょうね。
情報ありがとうございます。
要介護3の認知症の母を介護しています。私の母も認定を受けた当初は、サービスを利用しませんでした。しなくても大丈夫でした。それから5年。今は介護保険のサービスなしでは生活できなくなりました。
利用しなくてもいいかも、と思っていた自分を、その時期を懐かしく思い出しました。
そらはなさんのお母さまは まだ症状が軽いのですね。とても幸せな時期だと思います。
認知症の進行は、各自違います。やはりケアマネさんを信頼してなんでも相談してみるのがいいと思います。
ぽんきんかぼちゃさんへ♪
認定を受けてから5年ですか・・・。
老化は確実に進むのですから、うちの母もいずれ介護サービスは利用することになるんでしょうね。
せめて認知症の進行がゆっくりでありますように、そして相性の合うケアマネさんと出会えるといいなぁ・・・。
通知がきたんですね。症状が軽くて「自立」でなく介護認定が認められる「要支援1」は一番ベストな判定だと思います。
母は一人暮らしをしていた家ではホームセンターで買った手摺をトイレにつけていたのですが、同居を始めた我が家は手摺無し。気を使ってか言わなかったのですがケアマネさんとの話で手摺が欲しい事がわかり設置。
さすがプロ。体格や体の状態などを聞いてベストな位置に手摺をつけてくれました。
右にL字左が横一本。介護施設にあるような丈夫手摺はホームセンターとは比べ物にならないぐらい使いやすいそうです。
何と言ってもプロが話を聞いてくれるのが良かったらしいです。
歩行器と言ってもシルバーカーのような見た目の歩行車もレンタル対象なので杖よりも使いやすいかもしれません。
島製作所シンフォニーなど(昔はバーバリ風チェックで本家からクレームが来てチェックが変わったと業者が言ってました。ネットを探すと古い画像も見つかります。笑っちゃうぐらいソックリ)
業者さんを呼んで話を聞くのは無料なのでシャワー椅子のついでに色々お話しをしてもらうと「実は〇〇が不便だと思っていた」とお母さまもお話しになるかもしれませんよ。
しろうさぎさんんへ♪
手すりといってもいろいろあるんでしょうね。
素人にはわからないことも多いので、やっぱり専門家のお話しを聞くのが一番ですね。
子育て中にいろいろな情報を育児雑誌で得ていたように、介護専門雑誌なんていうのもあるのかな?
杖は○○メーカーのこのタイプがおススメとか、シルバーカーは××メーカーが使い勝手が良いとか・・・。
餅は餅屋のように、専門家にお話しを聞くのが一番ですね。
ケアマネさんの主な収入源はケアプランの作成。
サービスを利用しないと報酬はゼロ
歩行車や4点杖のレンタルだけでもケアプラン作成になる。
ケアプラン作成のために担当のケアマネさんがついて月1回訪問があり様子を見てくれる。
そうは言ってもお母さまが「介護保険なんていらない!」と切れてしまうと元も子もないし、そらはなさんもフルタイムでお勤めならケアマネさんとの時間調整も大変だと思うのでお母さまの様子を見ながら考えていってください。
1回目は半年後の更新で次から年1回だったかな?
ご実家の贈答品は一人暮らしの息子さんに送りたいと言ってみてもダメですか?
娘に処分されるのは嫌でも孫が使ってくれるならと手放す事が多いようです。
断捨離できないまでもバスタオルはバスタオル、寝具は寝具と分類されているだけでも助かります。二男さんも一人暮らしになるかもしれないからと言って機嫌のいい時に見せてもらうのから始めてみてはいかがでしょう?
しろうさぎさんへ♪
ケアマネさんの報酬ってそのような形になっているんですか。
今後、長寿大国ゆえに、介護サービスを必要とする人口はもっと増えるでしょうね。
まだまだ介護の分野は、スタートしたばかりで整っていない面も多いと感じますが、これからもっともっと暮らしやすい日本になっていけばいいなぁ。
そうそう、私が言うと母が怒るのに、孫が言うと穏やかなんですよね。
その手をつかって、少しずつ攻めていきたいとおもいます(#^^#)