認知症である母は、短期記憶障害が顕著なのですが、毎日同じことを繰り返すような生活をしていると、特に大きな問題は起こりません。
しかし、お盆期間中は人の出入りがあったため、母はいささか混乱しました。
短期記憶障害
母は、数分前の出来事を覚えていることができません。
認知症による短期記憶障害です。
同じことを何度も言ったり聞いたりするはもちろんですが、数分前の出来事もまるで覚えていないのです。
例えば、私の姉(母にとっては娘)が実家に遊びにくると、その時は普通に会話をしているのですが、姉が帰ったとたん、その事実は無いものとなってしまいます。
自分の目の前から姿が見えなくなると、もう覚えていないのです。
もっとも、認知症の場合は「忘れる」のではなく、「記憶に残らない」だけなのです。
だから、「忘れたの?」とか「覚えてないの?」と言うのはダメなんですよね。
これに気づくまで私は数年を要してしまいました。
母が覚えていなくて、トンチンカンなことを言ったとしても、テキトーに相槌を打っていれば、それで丸く収まります。
介護における会話は、テキトーで良いのです。
お盆期間中の母のエピソード
今年のお盆期間中は、次男と長女が帰省しました。
母は、孫たちとうれしそうに会話をしていましたが、数秒ごとに同じ質問をするのはいつものことなので、子どもたちも慣れたもの。
母とは上手に話を合わせてくれます。
しかし、子どもたちが部屋からいなくなると、母はすでに覚えていないのですよね。
私の姉夫婦とその息子一家が遊びに来た時も、みんなで一緒にケーキを食べたのですが、帰ったとたん覚えていませんでした。
そして、姉たちが仏壇にあげたお菓子をみて、「たくさんお菓子を(仏壇に)あげてくれてどうもありがとう」と、数分おきに私に言いにきました。
また、毎年欠かさずに行っていたお墓参りも、今年は母は行きませんでした。
「暑いし、歩くのも大変だから行かない」
「おとうさんによろしく伝えてきてね」
と言うので、今年は私と夫と次男と長女の4人で行ってきました。
ところが、2日後。
姉夫婦たちが来た日の夕方、突如「今年はお墓参りに行かないのか?」と言い出し「連れて行ってくれ」と言うのです。
「行ってきた(母は行っていないけれど)」と告げると、途端に母は安心し、それ以上言うことはありませんでした。
昔からお盆には姉一家が我が家に遊びにくるのが恒例行事となっていましたから、姉たちが来たことで母は混乱したのでしょう。
記憶障害
アルツハイマー型認知症の場合、短期記憶障害で発症するのが一般的だと言われていますが、進行すると日常生活にも支障をきたすようになり、次第に長期記憶障害(昔のことも忘れる)も出てきます。
母の場合は、短期記憶障害は顕著ですが、まだ私やヘルパーさんの手助けがあれば、なんとか日常生活は送れているという状態です。
また、母は昔のことはよく覚えているので、長期記憶障害はまだそれほど著明ではありません。
朝は定時に起床し、夜は定時に就寝します。
食事も3度、決まった時間に食べています。
もうこれで十分ではないですか。
自分の身の回りのことが出来て、自分でトイレにも行けて、ご飯も食べて、着替えもできる。
今の出来事を母が覚えていなくとも、私が覚えていれば十分です。
最近私のことをわからないのでは?と思う
2~3か月くらい前からでしょうか?
母の部屋に入ると、一瞬母がキョトンとした顔をしながら私に向かって
「ごくろうさまです」と言うことが多くなりました。
朝もなんとなく他人行儀に「おはようございます」と言う時があります。
私のことを、ヘルパーさんだと思っているのではないかと思うのです。
私がいつも通り母に声をかけると、次第に思い出してくるのか、私のことを認識しているのがわかります。
我が娘のこともわからないということは、長期記憶障害も出てきているではないかと思うのですよね。
グループホームなどの施設を探すことを、一時保留にしていましたが、これは本気で探さないとダメなのではないかと最近思っています。
コメント
こんにちは!
私の義父も記憶がしっかりていませんが、最近、よくトイレに籠もっています。
ちょうど そんな時にヘルパーさんが来られて 今日は 便が出ましたか とか聞くと朝の早い間にするすると出ました 毎日出ていますと言うのです ヘルパーさんが来られる時間は午後2時です どうして父はあんな 嘘 いつもつくのでしょうか それは自分の身を守るため でしょうか 便が出たか出ないか記憶にないのでしょうか 今さっきトイレで踏ん張っていたことが記憶から全て消えてしまうのでしょうか 年寄りの認知症の人の嘘は自分の身を守るためと言われています 父はヘルパーさんに対して 元気で 健康なところを見せたいのでしょうか ヘルパーさん が求めている 答えを自分で 作り上げているのでしょうか 健康な頃の自分の記憶をたどって話しているのでしょうか 今では1時間に4回ぐらい トイレに行っている父です
つぐいすさんへ
認知症の場合、取り繕いはよくありますよね。
自分は覚えていないのに、それを隠すために取り繕ってしまう。
お義父さんの場合も、数分前の出来事は覚えていないため、聞かれたことに対して覚えている風を装ってしまうのでしょうね。
それを正したところで、どうにもならないのですから、聞かなかったことにしてやり過ごすしています、私の場合(^-^;
お久しぶりです! でぶねこです^^
認知症の返事はテキトーでいい、そうなんですよね。
短期記憶がないのですから、いちいち何度も同じことを言うことは、介護する人の負担になりますから、それがベストだと思います。
でも主人はそれができなかったんですよね、真面目だというのもあります。
定年退職し、一年間介護に携わったわけですが、いちいち私に聞いてくるので、それが今度は私の負担になっていました^^;
自分のことをヘルパーさんだと勘違いするというの、わかります! もう何年もときどきそうなっていました。
心筋梗塞で手術、入院を経て、グループホームに入所し、現在義母はとても穏やかに過ごしています。(要介護2から要介護3になりました)
そらはなさんのお母様も、こうしてお聞きしていると、義母と同じような経過をたどっているように感じます。準備をしておくことは、大切かなと思います。
まだまだ暑さが続きますが、どうぞお体ご自愛くださいね♪
でぶねこさんへ
うちは、夫のほうがテキトーで(実の親でないというのもありますが)、かわし方が上手なんですよね~。
認知症は、いちいちまじめに答えていたら、こちらが疲れてしまいますよね。
適度にかわしながら、テキトーにこたえながら、でいいのだと思っています。
準備をしておくというのも、何か大きな転機がないと、なかなかできないものですね。
あわてないためにも、せめて自分だけは一歩先を見ていなかければと思っています。