人間は歳をとると最後には全員が認知症になる・・・と、ききました。
昔は、脳が老化する前に身体的寿命で亡くなっていたのでしょうけど、医療の発達、予防医学の浸透により、長生きする人が増えました。
80歳代の4人に1人は認知症だそうですが、寿命が延びれば延びるほど、認知症になる人は増えていくのでしょうね。
さてさて、軽度認知障害のある母の最近のエピソードです。
認知症との関わり方は、1に肯定、2に肯定、3・4がなくて5に・・・!?
わかっちゃいるけど、家族であるがゆえについつい余計なことを言ってしまい、後で激しく後悔するということを、繰り返しています、私。
日時の見当識障害
「今日、○子(←姉のこと)から電話があったんじゃなかったっけ・・・?」と、母。
姉が実家へ電話をしたことは、姉のメールで事前にわかっていたことでしたが、ここはあえて知らないふりをして、母の話を伺う。
「○子・・・、明日(実家に)来るって言ってなかったっけ・・・?」と、一生懸命自分の記憶を探る母。
「ああ、そうなんだ。明日お姉さん、来るんだ」と、私が言うと
首をかしげる母。
カレンダーには、明日の日付のところに姉の名前が記載されているので、母が姉から電話をもらった時に自分でメモしたのでしょう。
しかし、カレンダーをみても姉が来るという記憶が曖昧になっているのは、その時点で今日が何日かわからないから。
私に今日の日付を確認し、ようやく母は明日姉が来るということに納得したようでした。
母は、日時の見当識障害があります。
姉の話のあとに、私が”今月娘の修学旅行がある”ということを母に伝えると、その時点で日付は一気に娘の修学旅行前日へと進み、カレンダーに記載された姉の名前の日にちは、もう過ぎ去ったものになったようです。
「明日、お姉さん来るんだよね」と、私が話すと
「○子はもう来たよ」と、母。
姉が明日来ること、娘が今月修学旅行があること。
この2つを続けて母に話したことで、混乱したようです。
実行機能障害
「ちょっと来て!」と母に呼ばれて実家へ行くと、母が洗濯機の前で首を傾げています。
「洗濯機のやり方、わからなくなった」と母が話すので、手順を説明しました。
実は、1か月ほど前にも同じことがありました。
洗濯機の使いかたがわからないというので、スイッチを押す順番に数字のシールを貼ったのです。
実家の洗濯機は全自動なので、①電源を入れる ②スタートボタンを押す
この2つの動作で洗濯機は動くのですが、1か月前に母は”洗い時間が長くて嫌だ”と言って譲らず、手動で洗い時間を短くする手順を説明するために、スイッチに数字のシールを貼ったというわけです。
全自動の洗い時間12分がどうしても気に入らず、8分洗いにしたいんだそうで・・・。
シールを貼って教えたことで、その後母は自分で洗濯をしていたのですが、最近またやり方がわからなくなったようです。
ひとつひとつやり方を説明すると、今度は「前の洗濯機はこうじゃなかった」「前の洗濯機とちがうからわからなくなった」と何度も言い始めました。
あのー・・・・、この洗濯機を買い替えたのは、2年前なんですけどね。
その時からずーっとこの洗濯機で洗濯をしていたはずなんですけどね。
日常行為の手順がわからなくなる、実行機能障害です。
母が怒るポイント
最近、母がリビングのいろんなところを片付け始めました。
認知障害の症状が進めば、やる気、自発性が低下すると言われていますが、それに反して母はリビングの棚の置物の位置を変えたり、整理したりしています。
片付けるという目的を持てるようになったということは、母にとってはいい傾向です。
昨日、いつもならもう母が寝ている時間帯になっても、実家のリビングの灯りがついているので、覗いてみると、母が一生懸命引き出しの整理をしているところでした。
何十個というピンバッチの数々。
何かの記念か、はたまた旅行で買ってきたものか、おそらく何十年前のものと思われるピンバッチが、所々錆び付いて保管されていました。
「こんなもの、しまっておいて!」
「こんなの取っておいてどうするのよね!」
「要らないものばかりあって、ホントにどうしていいかわからなくて嫌になるわ!」
始めのうちは、私も「うん、うん、そうだね」と母の話しを聞いていたのですが、
「このバッチ、どうすればいいのよ!?」と母が聞くので
「燃えないゴミに出せばいいよ」と、私が答えると、にわかに母の顔色が変わり
「お父さんの物は、1年はとっておくもんだ!あんたはそうやってすぐに捨てるって言うけど。1年はとっておかなきゃならないでしょ!」と、母が怒り出しました。
やっべー・・・・。
母のスイッチ、押しちゃったよ。
母と関わる大原則
認知症の母と関わる大原則は、1に肯定、2に肯定。
母の話は、たとえ間違っていたとしても否定はしないこと。
母が、この前言ったことと今日言ったことが違っていても、その記憶は覚えていないのだから、黙って肯定することが大事なのです。
それで母の気持ちが穏やかになるのなら、それでいいのです。
そして父の遺品は、父と母が60年近い年月をかけて築き上げてきた財産。
だから、父の遺品整理の主導権のすべては母にあるのです。
錆びたピンバッチがたくさんあって、「どうすればいい?」と聞かれた場合でも、「どうしたいの?」と、母に振るべきでした。
捨てればいいじゃん。
誰も使わないから捨てればいいじゃん。
今までそこにあったことすらわからなかったのだから
捨てればいいじゃんっ!
むっきーーーーーーーーーーっ!!!
という私の心の声は押し殺して、どんな時でも笑顔でうなづく。
だから、1に肯定、2に肯定、3、4がなくて、5に忍耐なのだよーーーっ!
「このバッチ、誰か使わない?」と母に言われても、(誰が使うんだよ!)とは言わずに、笑顔で「お母さんが、しまっておいて」と答える。
「こうやってしまっておいても、全部要らないものなんだけどね。私が死んだら全部捨ててくれ」
という、捨てセリフのような母の言葉には、さすがに返事をせずに部屋を出ましたけどねっ!
嗚呼、忍耐、忍耐・・・。
コメント
とても参考になります。
認知症は遺伝性が強いものがあるので、お祖母さん&お母さんが認知症の友人のところは、
友人も、20代のお子さんも予防薬を服用しています。
河○メゾット療法だったかな。
どれがいいとかじゃなく、向き不向きで判断するんだと思いますが、
2025年のスーパー高齢化までに治療法が確立されたらいいですね。
2030年を過ぎると、今度はだんだん減ってくると思うので、
介護分野や老人施設も悩みどころですね。
17年後には3軒に1軒が空き家になりますし。
私は地方都市在住ですが、今は同年代ばかりで楽しいものの、
子供世代は都会に出ていくばかりなので、20年後はおそらく住みにくい地域になっているでしょう。
車不要で生活しやすい場所に、終の住処を探しているところです(^-^)
アラフィフ主婦さんへ♪
ひぃぃぃぃ~!
認知症は遺伝性が強いのですかー!!
うちの母、認知症に移行しつつあり、母の姉(伯母)は認知症中期レベル。
でも84歳で亡くなった母の母は、最期までしっかりしていたなぁ・・・。
認知症の予防薬ってあるんですか。脳の活性化を高める何かかな・・・?
私が住んでいる地域も、将来消滅都市だと言われています(^-^;
人は人に助けられて生きていくものだから、人口が減ったところではますます住みにくいでしょうね。
最近、将来的に施設に入ることも考えています。
友人に確認したところ、薬ではなくサプリだそうです。
https://athome-kaigo.jp/ferulic-supplement
この療法の認定医院は各県にあるそうです。
(私は詳細を把握していないので、お勧めで書いているわけでありません。
あくまでも、参考にしてくださいね♪)
私もゆくゆくは施設に入る事を視野に入れています。
今の持ち家の周囲環境が悪化しつつあるので、
ここの相続を機に、一旦、利便性のよい所に移り、
(ここは売却。最悪、買い取りでもいいので手放します)
施設入居の必要性が出てきたら、家の売却を同時進行で行う予定です。
(そこは何十年後でも速攻で買い手がつく場所です)
周りの環境が悪くなればなるほど
(売りに出す順番が遅くなればなるほど)
売れる可能性が低くなったり、値を叩かれるので、
持ち家の手放しは、決心のし時が難しいところですね。
アラフィフ主婦さんへ♪
サプリなんですね。情報ありがとうございます。
認知症の研究はこれからもっと進んでいくでしょうし、日本で承認される薬も増えてきましたから、今後に期待したいところです。
持ち家を売却して新たな土地へ引っ越すのは、エネルギーが必要ですね。
そういう意味では、家は持たずに借家で過ごすというのもアリでしょうね。
先のことはどうなるかわかりませんが、いろんなことを想定しておくと、いざというときあわてなくて済みますね。
こうやっていろんな方のお話しがきけるのは、ありがたいです(#^^#)
そらはな 様
短い5ヶ月でしたが、パートで近くのディサービスに行ってました。職員には、いい顔をみせると思いますが。ディには、行かれませんか?色々な特色を持ったディがあります。
私の母は、86歳で株をしてますが、春頃~弟(長男)に買いを止められ、売りだけOK
状態ですが、負けがこんでるので、売れないそうです。毎度、株の話をされて嫌でした。
ルリネコさんへ♪
他人にはよそ行きの顔を見せるんですよね、うちの母も。
ケアマネさんがそれとなくデイサービスの話をしましたが、「大丈夫ですよ~」と、母はさらりとかわしていました。
何かきっかけがないと難しいと思っています。
1~2か月に1度のお友達との食事会も、欠席したままなんです。
「今度は行く」と言っていたので、まずはそこから外に目を向ける機会になればいいなぁ。
ルリネコさんのお母様、すごいですね!株やってるなんて!
毎日脳が活性化されて、これだとボケないですね。
お若くてうらやましいです。
皆さんもおっしゃる通り、実に短期間に認知症の対応を上手く学んでおられ、感心します。頭で理解していても、実の親相手だと距離が近過ぎて難しいものです、もちろんわたしも。ずいぶん無用なバトルをやりました。
不要品について、あらそうね、じゃあもらって行くね、って流れにすると、目の届かないところでこっそり処分できますよ。ただし、翌日とかに、あれをどこにやった返してちょうだい、と言われかねないので難しい。本人が処分したくても自分で不可能になっているものの場合、もらって欲しいと言う形にして処分を任せる、そんなプライドの表れの時があります。有難くもらって差し上げるのもいいかもです。聞かれた場合は、目の届かないところで使ってるとの筋書きも考えておくと万全です。手元でしばらく寝かせて記憶から消えたのを確信してから処分、もありです。お気持ちさえ乱さなければ結構いろいろ出来ると思います。やはり演技力が大きいです!
やまこさんへ♪
全然、対応上手にできていないですよ~。
ほんとに、実の母だからこそ、むかつくこともたくさんあります(-_-;)
不用品をいったんもらうという手は、すごくいい!と思いました。
そうですよね。捨てることはできないけれど、かといって自分でも使わない。
ならば私が欲しいとなれば、母は喜んで私にくれると思いました。
そしてほとぼりが冷めたら捨てる。
これ、すごくいいアイディアです。
たぶん、母は私に渡したことも覚えていないと思うので、今度からこの作戦でいこうと思います。
要するに、「気持ちを乱さなければいい」ホントにその通りだと思いました。
ありがとうございます。
忍耐忍耐ですね
うちの母は今朝トイレが間に合わず、廊下から中まで洪水でした。
それを隠そうとするのでハラが立ちます!
トイレットペーパーで適当にざざっと拭いてお終いにしてるんです
漏らしたら漏らしたで言え!とキレそうになりました。それ踏んだ私の身にもなれや!
漏らしたパジャマもそのまま洗濯カゴに入れてたし、今後も新しい廊下やトイレを母の尿で汚されるかと思うと怒りが湧きます
こういうのはどう対処したら良いのか、未熟な私ですわ
えりあママさんへ♪
ははははは!笑っちゃ失礼だけど、えりあママさんの格闘ぶりが目に浮かんで、思わず笑ってしまいました。
踏んじゃったんですねー・・・。
トイレが間に合わないというのは、どういう状況なんだろう。
我慢している?トイレにいくのがめんどくさい?それとも直前まで忘れている?
そして汚したパジャマをそのまま洗濯カゴに入れるのは、なんでだろう。
隠そうとしている?濡らしたことを忘れている?覚えてない?
毎日、向き合う人にしかわからないことですもんね。
おうちがリフォームで新しくなるのに、これじゃあ怒りたくもなるし、哀しくもなっちゃいますねぇ・・・。
そらはなさん。こんばんは。
本当に、
くそっ!忍耐!はぁ。
くそっ!忍耐!はぁ。
の繰り返しですよね。介護って。
私も歩行器で歩く義父に付き添いながら、好き勝手を言われるたびに、後ろでギュッと拳を握りしめて怒りを我慢しました。
ケンカになって疲れるのも嫌だったし、へそを曲げて後々介護しにくいのも困るからです。
接するのがしんどい時は、目配りだけして自分の心が穏やかになるまで離れてました。
やはり、遺品整理は1年経たないといけないんですかね?実家の母もそんな風なことを言ってました。
細々したものはある程度捨てましたが、家具類の大物を早く処分したいのです。義父母のぶんだから多いので、捨てるとご近所に目立ちます。
やっぱりもう少し待ったほうがよいでしょうか?
早く捨てたいよー!
ともさんへ♪
YouTube見ました。
そしたら、認知症に関する動画がこんなにもたくさんあるのか!と驚きました。
自分の親の認知症の日常を記録的に撮っている方もいて、それを観たらみんなみんな、前向きにがんばっているんだって勇気をもらえました。
認知症は病気ですもんね。それに真っ向から勝負?しても自分が疲れるだけですもんね。
うまく距離を保ちながら、穏やかに暮らしたいものです。
遺品を1年はとっておくというのは、たぶん母の場合は1年経ったら「3回忌がくるまで」それが過ぎたら「7回忌が過ぎるまで」とか言いそうです(^-^;
父の衣類は処分したのですが、からっぽになったタンス、ベッド、壊れたステレオ、山のようにある書籍類・・・もう、何もやらないことにしました。
母が「1年も経たないのに」って怒るからね・・・。
物がなければ掃除だってしやすいし、すっきり片付いていれば気持ちだっていいのに、母とはその辺の感覚がちがうので、しかたがないかな・・・。