身内が亡くなったあとの手続きと相続が大変だと言われるのは、ほとんどの人が初めて行うことであるからです。
また、人生の中でこのような手続きを行うのは、せいぜい2回。親が亡くなった時くらいでしょう。
誰もが通る道だけど、何回も通る道ではない。
父がなくなって、父名義の不動産の相続登記の準備を始めました。
故人の不動産の名義変更に期限はないが
父が亡くなってからやらばければならない手続きは多種多様でありました。
預貯金やクレジットカードの解約、遺族年金の手続きと未支給年金の請求、埋葬料支給の申請、光熱費などの口座引き落としの名義変更、運転免許証の返却、車の廃車手続きなどなど。
母は何一つやらない(できない)ので、すべて私が手続きをしました。
これらはなるべく早く手続きをしたほうが、その後の生活にも支障がありません。
しかし、土地などの不動産の名義変更は、特に期日が決められているわけではないので、何年もそのままにしておく方もいるようです。
土地の名義を亡くなった父のままにしていても、日常生活でなんら困ることはないのですが、父の名義のまま私や夫が亡くなった場合、その手続きをする我が家の子どもたちが、とてもややこしい手続きをしなければならなくなります。
なので、土地などの不動産の名義変更も、日常が落ち着いたらなるべく早く行うのが望ましいのです。
不動産の名義変更手続きの準備
不動産の登記名義変更は、司法書士に依頼するのが一般的ですが、この場合は当然数万円の費用がかかります。
しかし、自分で書類を作成し、申請することもできるのです。
ならばやってみよう。うん。
何事も自分でやってみなければ、わからないことがたくさんありますものね。
1.相続登記に必要な書類
相続登記は、法務局で申請しますが、その前に自分でそろえる書類があります。
①故人の生まれてから死亡するまでの戸籍謄本(改正原戸籍)
②相続人全員の戸籍謄本または抄本
③相続人全員の印鑑証明書
④相続する者の住民票抄本または謄本
以上を市役所でもらいます。
これらの書類は、銀行の預貯金の相続の手続きなどで取り寄せていたものでしたが、一部原本を提出してしまったこともあり、再度取り寄せることになったものもありました。
銀行などではほとんどの書類をコピーして原本を返してくれますが、こちらから言わないと原本を返してくれないところもありました。
不動産の登記の手続きに使う書類(印鑑証明書や住民票など)は、発行から3カ月以上を経過したものでも良いそうなので、可能な限り原本は返してもらうべきだと、今更ながら思いました。
⑤固定資産の評価証明書
登録免許税算定のために添付するのに必要となるため、市役所の税務課で取り寄せます。
⑥遺産分割協議書
不動産を相続するかしないかは別として、相続の権利のある全員の署名・実印の押印のある遺産分割協議書が必要となります。
⑥委任状
相続登記は、相続人自身が窓口で申請することになりますが、例えばうちの母のように窓口に直接行けない場合は、母に委任状を書いてもらい、それを持って私が窓口で手続きをします。
⑦登記簿謄本
自宅に登記簿が見当たらない・・・という場合は、法務局で登記簿謄本を取り寄せることができます。
父は登記簿をきちんと保管していたのですが、なんせ40年以上も前のもので、いまにも朽ち果てそうなペラペラの透けた用紙に書かれたものだったので、このたび登記簿謄本を取り寄せました。
昔は縦書きだったものが、横書きにきれいに印字されておりました。
2.申請書記載上の注意事項
法務局で登記申請書をもらいました。
記入の際には、黒インクまたは黒ボールペンを使用すること。
記載ミスがあったときのために、自宅で申請書をコピーしましたが、このコピー用紙もA4判の上質紙という指定がありました。
しかし・・・。
記入の見本をいただいても、細かいところがわからない。用語も何を言っているのかがわからない。
ある程度記入したところで、法務局で書き方を相談しました。
この場合も、30分程度の時間は要するので、前もって予約をしてから来てくださいとのことでした。
3.登記に必要な費用
相続登記に必要な登録免許税は、不動産の固定資産評価額の0.4%です。(評価額が1,000万円であれば4万円)
不動産の評価額が多くても少なくても、事務手続きは同じだと思われるのに、財産に応じて免許税がちがってくるなんて・・・、いずれにせよなんの手続きをするにもお金ってかかるのですね。
相続登記のために市役所などで取り寄せた書類も、全部で5,000円近くかかりました。
改正原戸籍の枚数が多ければ多いほど、発行手数料が加算されるので、戸籍が複雑な方はもっと大きな費用がかかるんでしょうね。
自分で不動産登記申請をするということ
ある程度、相続登記の情報を集めてから、法務局へ出向きました。
この時に、相続登記申請の用紙とマニュアルをいただき、それを参考にしながら帰りに市役所へ寄って、必要な書類を取り寄せました。
これが相続登記のために出向いた1回目。
自宅でわからないなりにも自分でひな形をみながら、相続登記のための書類を記入し、法務局へ2回目の訪問。
わからなかった細かい部分の書き方を教えていただき、登記簿謄本も取り寄せました。
そして現在、これから完成しなければならない相続登記の用紙が目の前にあります。
次回、3回目の法務局で、相続登記の手続きをすべて終わらせたいのですが、果たしてどうなることやら。
司法書士へ依頼すれば、おそらく1回出向くだけで終わっていたかもしれない相続登記の申請。
これを自分でやるのですから、何回も法務局や市役所へ通うのは覚悟の上でした。
しかし、手続きはひとつひとつをやっていけば、必ずできるものだと確信しました。
そして何より、自分で手続きをすることにより、全体の流れを把握することができますし、次に同じようなことがあっても、二度手間三度手間にならないようにすることが、自分でやって学び得た財産となります。
また、あらためて土地の評価額や面積などを知ることができ、これも父が遺してくれた財産なんだよなぁ・・・と、しみじみと思ったのです。
まだ自分の頭が使えるうちは、そして自分で車を運転してあちこち出歩けるうちは、可能な限りは自分でなんでもやってみることが、これからも生きていくうえでは大切なことなんだと思いました。
コメント
初めまして。大学でのお金について調べていたらそらはなさんのブログにたどり着きました。
イオンの活用方法など楽しく読ませていただいてます。
私は司法書士の事務所で働いているのですが、⑤の固定資産の評価証明で足りる場合もありますが、ここには非課税の土地や墓地は載ってきません。もし不安な場合には、市役所で名寄せをとってみると名前(そらはなさんの場合はお父様の御名前)で管理されてるので漏れがなくお持ちの地番が載ってきます。他の市町村にある場合には、その市町村で取り寄せる必要があります。
余計なことかと思いましたが、一度に終わった方が良いと思いますので、コメントさせていただきました。
Rifakoさんへ♪
こんにちは(#^^#)
非課税の土地や墓地って・・・まったく考えもしませんでした。そういうのもあるんですね。
名寄せというのも、情報収集をするどこかの過程で耳にしたことがありますが、こういう場合に使うのかと、勉強になりました。
名寄せについても少し調べてみたいと思います。
本当に、こういうのはなるべく早く一度に終わらせたいものですね。
情報ありがとうございました。
そらはなさん、こんにちは!!
さすが、そらはなさん
そらはなさんなら本人申請できると思ってました。
そうそう、自分でやると手続きの流れがわかるし、勉強になる。そしてそれが自分の財産になるんですよね。
ネットで検索すればわかるようになって便利な時代になったものです。
私の場合は数回通う覚悟で行ったら担当の方が親切でその場で終了。「○○円の印紙をあちらの窓口で買って提出してください」と言われて持ち合わせが少なかったので帰りは500円ほどしかない財布でかえってきました。
尚、申請して出来上がりは数週間後になるので最低もう一回は出来上がりをとりに法務局へ行かないといけなくなると思いますよ(笑)
しろうさぎさんへ♪
いつもいろいろな情報をありがとうございます。
しろうさぎさんのアドバイスのおかげもあり、不動産の名義変更手続きも自分でやってみようという気になりました。
たしかに書類をそろえたり、用紙に記載することもわからないことだらけですが、ひとつひとつやっていけば、いつかは必ず完了することができますもんね。
あ!申請が終わったら、登記簿を取りにいかなければならないんですね。そりゃそうか・・・。
法務局に通うのは、あと2回で終わりにしたいなぁ・・・。
あら、そういえば相続関係説明図の記載がないけど法務局からもらった書類にありましたか?
相続関係説明図(簡易家系図みたいなもの)を添付すると提出した戸籍等を返却してもらえるそうなので、一緒に提出した方がいいみたいですよ。
終わったと思ってもまた戸籍がいる事があるかもしれないし(NTT?)
出来上がった登記簿と一緒に戸籍関係を製本してドラマに出てくるような「登記簿」を作ってもいいですしね。
ワード・エクセルが苦手な私が表作りに四苦八苦していたら娘に「ワードでそれっぽい位置に名前を打って、線引きで線を引けばいいじゃん」とアドバイスしてくれました。
さすが生まれた時からファミコンがあったデジタルネイティブはデジタル・アナログを柔軟に使いこなします。(笑)
しろうさぎさんへ♪
はい、相続関係説明図、入っていました。
そういえば、法務局の方が、この関係図があるので戸籍謄本などはコピーしてお返しします・・・と言っていたような・・・。(話をきちんと聞いていない・・・(;・∀・))
父が、登記簿をきちんとまとめて自分で表紙を作っていました。
私もすべての相続関係が終わったら、一度書類をすべて整理し、誰がみてもわかるようにまとめたいと思います。
あ・・・、相続関係説明図は、手書きです(^-^;
こんにちは!いつも楽しく読んでいます。
私もやりましたよ、義父から夫への名義変更。ダンナは平日時間が取れないので私が代理。司法書士にお金を払うくらいなら私がやったる!と。
私は図書館から本を借りて勉強しました。相続する人が近くにいて、印鑑をもらえて相続争い(笑)にならない限り割とスムーズにいくと思います。それに我が家は猫の額ほどの土地しかないですから。あちこちに不動産がある人や相続する人がたくさんいる人は大変なのかもしれません。
リン子さんへ♪
こんにちは(#^^#)
そうそう、結局、夫も平日は仕事なので、名義変更の手続きは私しかやる人がいないのですよね。
司法書士さんへお金を払うのは5万円くらいだとも聞きましたが、自分でやれば時間と労力はかかれども、お金は節約できますもんね。
我が家も、不動産の相続はそんなにめんどうなことはないので、大丈夫かと思います。
こんにちは。
そらはなさん、前頭葉フル活用ですね!
登記を自分でされるのは、すごいです。
うちは家の仕事関係のこともあったので、司法書士さんにお任せしました。
まだ完了していないので、費用がどれくらいなんだろうとドキドキです。
手続きももう少し簡略化されると楽ですが、このめんどくささに依って、法的に守られてると考えると仕方ないかなと思うんところです。
義父が亡くなった後の手続きも、あと少しです。
やはり1年はかかってしまいますね。
月日の経つのは、早いです。
冬のせいか、前頭葉はちょいちょいフリーズします。意識しないと、忘れ物、勘違いが多くなります。刺激を与えないといけませんね。
ともさんへ♪
あ!たしかに前頭葉フル活用だ!
お仕事のことも絡むと、もっと複雑でしょうから、私も自分では無理だなぁと思います。
たしかに、こういうめんどうな手続きがあるからこそ、簡単に土地は人手に渡らないようになってるんですよね。
いろんな手続きが毎日できるわけではなく、仕事の合間にやっていくのですから、本当に気づけば1年かかるかもしれませんね。
寒くて、前頭葉も凍りそうです(;・∀・)
初めまして。いつも楽しく拝見しています。
私の家も数年前に亡くなった祖父の名義のままです。
変更しなきゃなぁ~なんて父はのんびりしていますが、もし父が亡くなった場合、私たちが大変になるのですね(゜o゜;)
そろそろ重い腰を上げさせようかと思います。。。
秋田は雪は大丈夫ですか?
年末帰省した際は本当に穏やかで、おじいちゃんと雪遊びする!と張り切っていた娘達は残念そうでした。
寒い日が続くようなので風邪などにはお気を付け下さい(^-^)
ウミぽんさんへ♪
こんにちは(#^^#)
不動産の名義変更で大変なのは、必要な書類をすべてそろえることから始まります。
なので、おじいさんの名義のままであれば、相続権のあるおじいさんの子ども(ウミぽんさんのお父さんとその兄弟など)の戸籍謄本や住民票が必要になると思うので、単純に親から子供へ相続する以上に準備しなければならない書類が多くなりますよね。
遠方に住んでいる方なら、なおさら書類がそろうまでは時間を要しますし。
私もわが子には迷惑をかけないよう、いろんなことをすすめていきたいと思っています。
お正月にはまったく雪のなかった秋田ですが、今週の寒波の影響で雪もだいぶ積もりました。
歳をとってくると、雪かきも大変なんですよね~。
腰を痛めないようにほどほどにがんばります(^-^;