病院には絶対に行きたくない!と言う母にとってオロナイン軟膏は神

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二世帯住宅で暮らす母は、要介護1の認知症です。
とはいえ、まだ自分の身の回りのことは自分でなんとかできますし、私以外の人にはびっくりするくらいハキハキ、シャキシャキ受け答えしますから、他の人がみたら認知症とはわからないかもしれません。

そんな母が、ある日「足の指が痛い」と言いました。

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足の指のイボ

母の足の親指の裏側には0.5cm大の固くゴツゴツした腫瘤がありました。
おそらくイボでしょう。
私も20代の頃、足の指にイボができて皮膚科で治療をしたことがあるので、なんとなくわかりました。

とはいえ、素人判断は禁物です。
イボというのは、ウィルスが原因ですから、他の部位に感染する可能性もあります。

「たぶんイボだから、病院に行ってみてもらおう」と母に言うと

「病院は絶対いや!」と、声を大にして言う母。
そして
「こんなことで病院に行く人なんていない!オロナイン買ってきて!それを塗っておけば治るから!」と、のたまいました。

万能薬オロナイン軟膏

一家にひとつ、オロナイン軟膏。
昔は、どこの家庭でも常備していたのではないかと思われるオロナイン軟膏は、にきびや吹き出物、しもやけやあかぎれ、軽いやけどや擦り傷など、全般的な皮膚のトラブルに効く万能薬とされていました。
私も子どもの頃は、何かのたびにオロナインを塗っていた記憶があります。

そんなオロナイン軟膏も、今では多種多様の市販薬がありますから、私はわが子たちには使ったことがありません。
きっと、うちの3人の子どもたは「オロナイン」と言っても、わからないと思います。

だから、母から「オロナイン」というワードを聞いた時には、なつかしいな、と思うのと同時に、昭和な世代にはいまだにオロナインはなんにでも効く万能薬だと思っていることがわかりました。

餅は餅屋

「これはイボだからオロナインじゃ治らないの」と、母に何度も説明すると、渋々納得した母は
「じゃあ、今度病院へ行ったらT先生に診てもらって薬をもらう」と言うのです。

T先生は、かかりつけ医でもある循環器科の先生。
以前から高血圧のため薬を処方していただいているのですが、いやいや、循環器の先生にイボを診せたところで「皮膚科に行ってください」で終わりです。

餅は餅屋。
皮膚トラブルは皮膚科の先生じゃないと、診せられた循環器の先生だって困っちゃいますよね。

そういうことも母に説明したのですが、母は
「これくらい循環器の先生だって塗り薬出せるでしょ!」と、まるでわかってくれない。
そして最後には
「こんな程度で病院に行く人なんていない!」と断言。

やれやれ。
姉のお姑さんは、病院に行くほどでもない些細なことでも、すぐに病院に行きたがって困ったそうですが、うちの母のように病院嫌いにもほどがあります。

イボコロリ

しかたがないのでドラッグストアでイボコロリを買ってきました。
固くなった皮膚を軟らかくし、イボを取り除くというもの。

イボの程度によっては、あまり効果は期待できないと聞きますが、何もやらないよりはましです。
これを使ってみて治らなかったら、その時は母を説得できるかもしれません。

絆創膏タイプのイボコロリを、母の足の指に貼りました。

ずっと貼っておくことで効果があるから、剥がさないでね。
剥がれてきたら絆創膏取りかえるから、言ってね。

母も納得してくれました。

この時はね・・・。

オロナイン神軟膏

翌日、母のところへ行くと母は開口一番に言いました。

「オロナイン軟膏買ってきて!」と。

いやな予感・・・。
「オロナイン軟膏、どこに使うの?」と母に聞くと
「足の指が痛いんだよ」と、母。

ああああああ。
予想通りイボコロリの絆創膏は剥がされていて、代わりにティッシュが充てられていました。

「昨日、ここに貼った絆創膏は?」と母に聞いても、まるで覚えていません。
そして私は、再度昨日と同じ説明を母にすることになりました。

私の力説に、母は「へぇー」とか「そうなの?」とか、まるで初めて聞くという反応。

しかたがない。
母は認知症ですから。

しかしその翌日、母は私の顔をみて言いました。

「オロナイン軟膏買ってきて!」
3回めの朝の出来事でした。

母の足の指にイボコロリの絆創膏を貼りながら、私は心の中で毒づきました。

医者よりもオロナイン、神かよ

 

コメント

  1. とも より:

    こんばんは。お母様、お元気そうですね。
    我が家にもオロナインはありますよー。
    以前は金属のチューブでしたが、最近はソフトチューブになっていて。時代だわーと感心いたしました。
    私の母も、訓練的なデイサービスへの通所を医師から勧められましたが、当の本人が頑なに拒否。なんで通わないかん!と怒ります。
    義父の時もそうでしたが、入院やデイサービスに通うことを本人に納得させるのが、一番ストレスでした。

    • そらはな より:

      ともさんへ♪
      ふふふっ(#^^#)一家にひとつオロナインですね~。
      高齢になればなるほど、環境が変わるのを嫌いますよね。
      それをうまく誘導し、納得してもらったうえで、いろいろな介護サービスを受けてほしいというのが子の願いなのですが、私も時々、これは母のためにやっていることなのか、自分の安心のためにやっていることなのか、よくわからなくなります。
      そんな私自身も、いざ自分が歳をとって認知症になったとき、果たして素直にいろんなことを受け入れられるか・・・という不安もあります。
      親の言動は、自分の将来の姿をみているようで、そこから何を活かせるかということを、学ばなきゃなぁ・・・と常々思っています。