仙台松島観光名所として、仙台藩伊達家の菩提寺である瑞巌寺は有名ですが、今回はあえてそのお隣の円通院を訪ねました。
どうしてもここでやりたかったことが、数珠作り。
自分だけのオリジナル数珠が作れるというので、絶対に行きたかったのです。
さらに、円通院は美しい庭園もすばらしく、縁結び寺としても有名です。
癒しとパワーを存分に浴びてきました。
仙台松島【円通院】
仙台藩祖である伊達政宗の嫡孫(ちゃくそん)である光宗。
幼い頃から文武に優れていたといいますから、さぞかし期待されていたのでしょうが、彼は19歳という若さで早世します。毒殺説や病死説があり詳細はわかっておりません。
そんな彼の菩提寺が円通院。
円通院を建立したのは、彼の父である二代藩主忠宗ですから、その心情を察するとあまりにも切ない。
我が子に先に逝かれるなんて、どんなに哀しくどんなにつらかったでしょうね。
仙台松島観光名所の瑞巌寺の手前に円通院があります。
瑞巌寺は常に混んでいますが、円通院は比較的ゆっくりじっくり観ることができます。
入り口である山門は、立派な茅葺屋根で町の文化財に指定されています。
その横にあるのが受付。
拝観料大人300円ですが、数珠作り体験をする場合は拝観料が無料となるので、受付で最初にその旨をお話します。
御朱印受付もこちら。
御朱印帳を預けると番号札を渡してくれるので、帰りに受け取るという仕組み。
私の前には、外国人の方が御守りを求めて英語とカタコトの日本語でやりとりしていました。
円通院は、ミシュラン観光ガイドの二つ星にも選ばれていますから、外国人観光客も増えてきているんでしょうね。
冬の円通院庭園
円通院庭園は紅葉がすばらしいそうで、10月末から3週間ほどは夜間ライトアップもされています。
しかし、私が訪れたのは2月の真冬真っただ中。
葉っぱは落葉し、芝生も冬枯れの色。
でもね、あちこちに残る雪がまた風情あるんです。
七福神庭園と呼ばれるこの庭は、松島湾内に実在する七福神の島を表していて、置石に七福神の名前がつけられています。
池には氷が張っていて、こういう景色も冬ならではですよね。
庭の木は本当に丁寧に手入れがされているのがよくわかり、空気が浄化されている感じが伝わってくるんですよね。
奥に進むと、ゆるやかなスロープ。
人影もまばらで、静かな時間が流れます。
この場所、すごい好きだわ。
観光名所って、一度訪れたらあとは行かなくてもいいと思うのですが、円通院は季節の移り変わりの旅にまた訪れたいと思った場所でした。
竹をみると、気持ちがシャキッとするのはなぜだろう。
どこまでも天に向かってのびる一途な竹のように、命を全うしたいという気持になります。
新緑の季節には、緑にむせかえるだろうなぁ・・・とか、紅葉の時期には紅が迫ってくるのだろうなぁ・・・とか、そんな想像力を掻き立てられる冬の円通院庭園。
少し歩いていて気付いたのですが、円通院は苔も美しいお寺なのですね。
日が差してくるとさらに神秘的。
絶対、ここには精霊がいるよね・・・と思った瞬間です。
そして、円通院はバラの庭としても有名。
一画には、バラだけを植えたイタリア式庭園もあるんです。
仏教とキリスト教の出会いによって生まれたバロック的庭園。
バラの時期にも訪れたいなぁ。
円通院三彗殿
円通院の一番奥にあるのは、国指定重要文化財である三彗殿。
この中には、宮殿型厨子が納められており、中には白馬にまたがる光宗公と殉死された7人の像が祀られています。
おもしろいのが、洋バラや水仙、ハートやスペードなどの西洋的な模様が描かれているという点。
仏教にキリスト教を取り入れていこうとする、斬新で柔軟な頭の伊達家であったことが伺えますが、当時鎖国制度を実施していた徳川幕府に対しては「伊達家の霊廟」と申し立て、扉を開けることはしなかったそう。
自分が良いと思ったものは良いと貫く伊達家が、仙台藩の人々に今なお愛されているというのがよくわかったような気がします。
三彗殿の中を覗くと、まばゆい金色の中にある馬上光宗像を見ることができますが、三彗殿はガラス張りとなっていて光が反射して写真がうまく撮れませんでした。
ぜひ!実物をご覧になってくださいませ。
三彗殿は1646年建造。
時代のロマンを感じるなぁ。
さらに円通院の洞窟群にギョッとしました。
伊達宗高(政宗の七男)は、20歳の若さで天然痘を患い亡くなったそうですが、その時の殉死者は10名にもなり、彼らを供養するための供養塔は、約700年前のもの。
円通院が魅力的なのは、人の手で美しく整えられた庭園と反するように、ゴツゴツとした洞窟に掘られた供養塔。
仏教とキリスト教。
バラ園と苔生す庭。
こんな反するようなものが混在しているからなのかもしれません。
数珠作り
さて、円通院を訪ねた一番の目的は数珠を作ることでした。
円通院本堂隣にある場所で、数珠作り体験ができます。
予約は不要。ただし、10名以上で申し込む場合は要予約。
数珠作り体験のたいていの方は、このようなブレスレットタイプの数珠を作るそうで、所要時間20分ほど。
素材も、天然石、ガラス、プラスチックと選ぶことができ、これらの石は全て円通院のご本尊「聖観世音菩薩」(しょうかんぜおんぼさつ)で祈願、報恩の供養がされています。
しかし、私が作りたかったのは念仏を唱える時の数珠。念珠と呼ばれるもの。
実は、母から渡された念珠を持っているのですが、念珠は自分が自分のものを欲しいと思った時が買い時だそう。
私はもともと、占いとか石の力とかそういうものにはまったく疎いほうで、これまで興味もなければ関心もなかったのですが、今になって自分だけの数珠が欲しいと思うようになった背景には、やはり父の死の影響が大きいのだと思います。
念珠も、完成品が売られているのですが、どうせなら自分で作りたい。
自分で石を選んで、自分で糸を通す順番を決めて、自分の気持ちを込めたものを作りたい。
というわけで、天然石コース(7,500円)で作ることにしました。
水晶、紅水晶、ヒスイ、藤雲石、ソーダライト、メノウなどなどから、自分の好きな石を選んで作ります。
所用時間40分ほどだそうですが、何と私は1時間以上もかかってしまいました。
だってどの石を選んで、どのような並びと配置にするか、ものすごーく悩みましたから。
だけど、自分で考え自分で作った数珠は、どんな高価なものよりも自分にとっては最高の出来栄えとなり、世界にひとつだけのオリジナルMy数珠となるのです。
本当は、石の力とかそういうものよりも、作ったものに対する自分の気持ちの大きさが、最大のパワーとなることを、自分でもわかっているのだと思っています。
ブレスレットタイプのものは、その場でお持ち帰りができますが、念珠の場合は職人の方が紐を編んで房をつけてくれ、完成したものはご本尊で供養をしてくださってからの郵送になるので、1週間ほどかかるそう。
その場で現金で送料(360円)とともに支払いを済ませ、住所氏名、電話番号を記載した用紙を渡してきました。
念珠が届くのが楽しみです。
そして、次回円通院を訪ねた際は、ブレスレットタイプの数珠を作ろうと思いました。
円通院御朱印
女性らしい美しさを感じる円通院の御朱印。(300円)
円通院があまりにも楽しすぎて、興奮冷めやらぬ状態で出てきたので、御朱印帳を受け取るのを忘れたまましばらく歩いてから気が付くという有様。
縁結び寺
ところで、円通院は縁結び寺としても有名です。
山門をくぐったすぐ横には、縁結び観音があります。
1体500円の縁結びこけしに、ペンで願いと名前を書きご本尊様に祈願奉納します。
縁結びというと、なんとなく男女の出会いとか恋愛運などといったものをイメージしますが、縁とはなにも男女だけのものではありません。
自分に関わるすべての人が、なんらかの影響を及ぼすことを考えたら、良い出会い=良縁もまた人生にとっては大切なこと。
数珠作りがメインだったので、縁結び観音様のことはさほど気にしていなかったのですが、実はこのあと、びっくりするような出来事がありました。
円通院の帰り道、利府のイオンモールへ寄ったのです。
そこで、なんと秋田に住む友人とバッタリ遭遇!
「なんで?なんで?なんでーーーっ?なんでここにいるのー?」
と、お互い叫んでしまいました。
彼女は、学生時代の友人で昨年劇団四季アラジンを一緒に観に行ったのですが、同じ秋田に住んでいても、車で1時間以上も離れた場所にいるので、ふだんは会うこともありません。
それなのに宮城県で!しかも仙台市ではなく利府で!
そして、イオンモールは駐車場も入り口もたくさんある中で、私が車を停めて最寄りの入り口から入ったところに、彼女がいたんですよ。
こんなことってあります?
彼女は私に良い影響を及ぼしてくれる大切な友人だということを、再認識しました。
仙台松島の円通院は、美しい庭園と縁結びと数珠作りで1日中楽しめるそんなお寺です。
今度は秋に行ってブレスレットタイプの数珠を作りたい!
【松島 円通院】
住所:〒981-0213
宮城県松島町松島字町内67電話:022-354-3206
ホームページ:http://www.entuuin.or.jp/index.html
拝観料:大人300円 高校生150円 小中学生100円
拝観時間:4~11月 8:30~17:00
12月~3月 9:00~16:00駐車場:なし(近くの県営駐車場等利用)
電車でのアクセス:仙石線 JR松島海岸駅より徒歩5分
それにしてもこの時期、大学生と思われる若者たちグループがとても多かったです。
卒業旅行ですか?
もしくは、受験シーズンですから在学生は休み期間?
しかも松島海岸駅からぞろぞろと舗道に沿って歩いている様子は、まるでどこか有名な観光地のよう。
いえ、松島も立派な観光地なのですが、私が子どもの頃や20代の頃訪ねた時は、もっと閑散としていたイメージがありました。
神社仏閣巡りが若い方にもブームとなっていると聞きますが、東北の観光地がここまでにぎわっているなんてうれしい限りです。
私もまたこの賑わいに参加したい。
後日、作った数珠が届きました↓
さらに、円通院の紅葉ライトアップは思わず息をのむ美しさでした。
コメント
こんにちは。
なんて素敵!
今回も大興奮!
ぜひ友人にお知らせして行程に入れたいです。
苔、竹大好き。
しかもバラもあるなんて、季節的にもぴったりだわ。
そして、自分で作るお念珠がとっても魅力的。
ひとつひとつ石を通すたびに心が清められるような。。。
そらはなさんが悩みに悩んで作られたお念珠は素敵なんだろうなぁ。
偶然に会われたご友人、縁のある方って引き合わされるようになっているのね。
不思議だけど必然なのね(*´∀`*)
るり玉さんへ♪
でしょ、でしょ(#^^#)
るり玉さんなら、絶対に気に入ると思っていました。
私も行ってみたら想像以上に楽しくて、また来たいなと思った場所でした。
あ!
それと、松島観光では「牡蠣カレーパン」絶対に食べてみてください。
牡蠣が丸ごと入っているのはもちろんおいしいのですが、カレーパンの生地もカリッカリで本当においしかったです。
みんなが「牡蠣カレーパン」おいしいよ、って言っているのを聞いても、イマイチ、カレーパンかぁ・・・って感じだったのですが、食べて納得!
こりゃ、みんながおいしいっていうのがわかるわぁ・・・って感じでした。
騙されたと思って、ぜひ!食べてみてねー。
円通院
ステキなところですね!
そらはなさんの文や写真からプラスのパワーが伝わってきます。
お友達と会えたのもプラスの引き寄せが働いたかもですね。
私は庭でバラを育てているんですが、バラ庭園としても成立している寺があるなんて!!
近くにあったら通ってしまいます。
けーぽんさんへ♪
そうなのです。円通院、素敵なところでした。
けーぽんさん、お庭でバラを育てているんですね。
うちにも父が植えたバラが数本あるのですが、手入れの仕方がまったくわからない初心者なので、昨年もひょろひょろとしたバラの花が咲きました。
しかも、花びらがところどころシミになっていて汚いのですよね(;’∀’)
今年は、少しずつ勉強していかないとダメだなぁと思っています。
宮城県民として、とても嬉しくてついコメントしてしまいました。
そらはなさんのブログにめぐり会えたのも、
私にとっては『良縁』です。
暖かくなった頃に、是非また宮城にお越しください。
ままっちさんへ♪
宮城県民でしたか!
今回、何十年ぶりに松島を訪ねましたが、震災の影響などひとつも感じさせない復興ぶりに、大変うれしく思いました。
今年の秋、仙台で劇団四季のオペラ座の怪人が公演されるんですよ。
必ず観に行きますので、その時にはまた宮城で新たな発見ができるといいなぁ。
初めまして。
年代や親の状況、子供の年も近く、いつも大きく頷きながら読ませていただいています。
今回、大好きな松島のことが詳細に書かれていてコメントせずにはいられなくなりました。
仙台在住、松島が大好きで月に1度は訪れています。
円通院、是非紅葉の時期にいらしてください。
それも夜のライトアップが見事です。
池に映し出される木々は吸い込まれるような素晴らしさです。
こんな風に紹介していただいてとても嬉しかったです。
これからも楽しみに拝見させていただきますね。
haruさんへ♪
はじめまして(#^^#)
仙台はよいところですよね。私も大好きです。
松島に気軽に行くことができて、本当にうらやましいです。
円通院の紅葉、ますますみてみたくなりました。
楽しみが増えました!(^^)!