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介護サービスを嫌がる母を説得したキメ台詞

高齢の親に介護サービスを利用してもらおうにも、当人がなかなか理解できなかったり、拒否反応を示したりと、最初のハードルはかなり高いものです。

私の母も、現在は週3回の訪問介護サービスを利用していますが、当初は「必要ない」の一点張りで、私も途方に暮れました。

そんな母を説得することができたキメ台詞があります。

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介護サービスを嫌がる母

父が急逝し、母の認知症の症状が顕著になったのは今から6年前。
母の言動があまりにもおかしいので、かかりつけ医に相談すると、すぐに市役所へ行って介護申請の手続きをするようにと、勧められました。

最初は「要支援1」と認定された母ですが、翌年には「要介護1」となりました。

日中は私も夫も仕事で不在となるため、母は一人で過ごすことになります。
母へは何度か、訪問介護サービスやデイサービスの話をしたのですが、母は断固拒否。

「なんでそんなものを利用しなければならないのか」
「自分でなんでもできるから必要ない」
と言う母へは、それ以上強く勧めることもできませんでした。

家の中へこもりっきりの母が、週1回でもデイサービスを利用して、社会との繋がりを持ってくれたらいいのに。
とか。
認知症の母が、デイサービスでおしゃべりを楽しんでくれたらいいのに。
とか。
脚の悪い母が、少しでもリハビリができたらいいのに。
とか。

そんな風に思っているのは私だけなのです。
買い物も、お風呂も、社会の中の手続き関係もすべて私がやっているのですから、母が日常生活で困ることはひとつもありません。

ただし、私の精神的負担は増える一方でした。

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訪問介護サービスを利用する

母はもともと脚が悪く、外を出歩くのは困難です。
そんな母が、いきなりデイサービスを利用するのはまず無理でしょう。

それならば、訪問介護サービスを利用してもらうのはどうかと、ケアマネさんからの提案がありました。

日中ヘルパーさんに来ていただき、母の様子を見守りつつ、昼食の準備と掃除をしていただく。
これならば、私もとても助かります。

さっそくケアマネさんが、母の訪問介護プランを作成してくださったのですが、問題は母です。

堅実でプライドもある母が、果たして家の中に他人(ヘルパーさん)を入れることができるのか。
なんでも自分でできると思っている母が、食事作りや掃除をしてもらうことには非常に抵抗があるはずです。

どうやって母に理解してもらおうか。
そして閃いたのが「もったいない」でした。

介護保険料を払ってきたよね

昭和一桁世代の母は、子どもの頃戦争を経験し、貧しい時代を生き抜いてきた人です。
人に頼ることをせずに、自分でできることは自分で行うというプライドも持っています。
つつましやかに堅実に暮らし、モノを大事に大切に使い、決して捨てることができません。

そんな母の口癖は「もったいない」。
モノは無駄にせずに最後まで使わないと、そのモノが「かわいそうだ」と言います。

私が母に介護サービスを利用してもらうために言った言葉は「もったいない」でした。

母がもらう年金から介護保険料を支払っていること。
これまで長い間、保険料を納めてきていること。
なのに介護サービスを利用しないなんて、もったいないよね

母は、もったいないという言葉に、ようやく理解を示してくれたのです。

「そうだよねぇ。保険料払っているんだもんねぇ。」
「そのサービスを利用する手続き、私は何もわからないから、あんたがみんなやってちょうだい」

母がそう話した時には、ケアマネさんとも相談済みで、ヘルパーさんが訪問する日も決まっていました。

親へのアプローチの仕方はそれぞれ

母が訪問介護サービスを利用するようになって、最初の1~2年は、まぁいろいろありました。

「なんで人の冷蔵庫勝手に開けてるんだ」
「食事なんて作ってもらわなくてもいい」
「お皿にかけるラップが大きすぎる」
「勝手にお湯を出して使っている」
「もう来なくてもいい」

定期的に母は私に不満をぶちまけるので、私もそのたびに困り果てました。

結局のところ、母はヘルパーさんに慣れるまでの自分の不安を、私にぶつけることで解消していたのでしょうね。
第一、ヘルパーさんが日中来ていたことも、母はすぐに忘れてしまっていましたから。
ヘルパーさんが作ってくれた昼食を、自分もしくは私が作ったと思っていましたから。

だから母が感情任せに怒ってきても、聞き流すのが一番なんです。

高齢の親が、特に認知症であれば、最初に介護サービスを導入することは、なかなか難しいです。
親世代が若い頃はなかったサービスで、親の面倒は子どもが看るのが当たり前だった時代でしたから。

けれども、親の特性に合わせて介護サービスを理解してもらうアプローチの仕方は、どこかしらに糸口はあるはずです。

あれから5年の月日が流れ、今ではヘルパーさんが来ることも日常の一部となり、母は穏やかに過ごせています。

 

コメント

  1. ねこあつめ より:

    もったいない・・・本当に高齢者を説得するのには一番ですよね(笑)

    私の親は認知症ではないのですが、考え方の違いでイライラすることが多々あります。
    そらはなさんのお母様の話を読んでると、皆さん親の介護で色々あるな~とつくづく思います。変な話ですが、心が穏やかになります。ありがとうございます。

    • そらはな より:

      ねこあつめさんへ♪
      自分の親であっても、考え方って違いますよね。
      老いては子に従えなんて言葉もありますが、私の母はいくつになっても、認知症になっても、自分は親で私は子ども・・・という意識が強いです。
      だけど、私のほうが一歩オトナになって、まるで子どもを諭すように親に接するのが一番ゴタゴタがなく過ごせる方法だと、ようやくわかりました。
      お互い心穏やかに過ごせるのが一番ですもんね(#^^#)

  2. れいもあ より:

    そらはなさん、こんばんは。
    たま~にお邪魔してる、れいもあ です。

    父や母にイライラしてしまう自分に更にイライラして、
    癒やされに来ました。

    余命1,2ヶ月と言われている父の介護認定がやっと下りて安心。
    …する間もなく、転院先の病院から、
    「来週には、自宅療養を…」と促され、
    慌てて、ケアマネージャー捜しやら、
    【介護サービスって、何を申し込むの??】から調べまくった一日でした。

    本日の進捗をメールで母に伝えるも、「分かりました。ありがとう!(ハートマーク)」だけ。
    「私は風邪気味でしんどくても、急いで調べたのに、テレビばかり観て、脳天気だなぁ。」と心で愚痴ってる私。

    このブログを参考に、父を説得してやっと下りた要介護5。
    イライラしててもしょうがない。
    出来るだけ、自宅に帰りたがっている父の希望を聞いてあげたい。

    来月1ヶ月は、ほぼ、仕事入れずに介護に専念しようと思います。

    そらはなさん、噂には聞いてましたが、介護って、ホントに大変ですね(@_@;)

    • そらはな より:

      れいもあさんへ♪
      こんにちは(#^^#)
      親にイライラする自分に更にイライラするお気持ち、よーくわかります。
      親に対して、こうでなくてはならない・・・みたいに勝手に自分で課題を課しているのではないでしょうか。
      私がそうでした。
      お父さん、介護認定がおりて少し安心ですね。
      要介護5とは、これまでかなり苦労されたのでは、とお察しいたします。
      お父さんに出来るだけ寄り添おうとしているれいもあさんのお気持ちをご両親は感じているでしょうから、幸せですね。
      だけど、自分の身体はひとつであり、体力にも限界はありますから、介護サービスを上手に利用して、行政に頼るべきところは大いに甘えていいと思います。
      親には親の人生があるように、子どもには子どもの人生がありますもんね。
      どうか、れいもあさんが納得できる介護ができますように。