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認知症 忘れないようにとメモしていたことがアダとなっていたなんて

母の認知症の症状が顕著になったのは、父が亡くなってから。
記憶障害が著しく、何度も同じ話をしたり、出来事をすぐに忘れてしまう母に、記録に残すようにとノートを渡しました。

その後、母はカレンダーの余白にメモをするようになったのですが、今回はそのメモが逆にアダとなっていたということを知りました。

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冷凍ウナギの話

毎回、お中元・お歳暮を巡って繰り広げられる母と私の光景。
母の言動に慣れたとはいえ、今回は仏壇に何度もあがる冷凍ウナギに、私もイライラが募ります。

仏壇に冷凍うなぎが・・・!認知症の進行はゆるやかに確実に
お中元、お歳暮の時期になると、我が家では毎回繰り返されるエピソードがあります。 認知症で記憶障害の著しい母は、贈答品が届...

しかし、このやり取りは、親戚宅へお返しの品を送り、向こうから「届きました」というお礼の電話が来ると、一件落着します。

一件落着するはず・・・でした。

ところが今年は、そうは問屋が卸してくれませんでした。

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アンタが何にも言わないから知らなかったよ

親戚から届いたお歳暮のお返しを、ようやく送ることができたのは、3週間も過ぎてから。

その間は、毎日母が「今日、これが届いた」「何かテキトーにお返ししてやって」と言いにきて、ヘタをしたら1日に2度、3度と繰り返されるのですが、そんな母へもテキトーに返すことができるようになった私。

母は認知症だからしかたがない。
寛大な心を持って母に接することができるようになるまで、3~4年はかかったけれどね。

ようやく親戚宅へ送ったお歳暮は、翌日には配達されたようで、その日仕事から帰った私に母は言いました。
「さっき、(親戚から)届いたって電話があったよ」

「よかったね~」と母に言いながら、心底安心したのはこの私。
嗚呼、これでもう母から毎日お歳暮の話を聞かされることもなくなり、穏やかな毎日となるんだもの。

ところが、母が続けて言い放った言葉に、愕然としました。

「アンタが親戚に何か送ったなんて聞いていなかったから、電話がきたときびっくりしたよ。」

えええええええええっ!?

人って、あまりにも呆れると、本当に口がふさがらなくなるものなんですね。
その時の私ときたら、まるで酸欠状態の金魚のように、口をパクパクさせるしかなかったんだもの。

母は認知症だけど、まさかこうキタか。

あんなに毎日何度も、「お返しをしてくれ」「1万円でなにかやってくれ」と言っていた母なのに、私がお返しをすることを知らなかったですとっ!?

忘れないようにメモすることがアダとなっていた

さらに、この件はまだ続きます。

親戚から電話が来た翌日も、母は「親戚からコレが届いた」「アンタが何かテキトーに返してやって」と1万円を持ってきたのです。

電話がきたことも、母は忘れてしまったようで、母の手に握られた1枚のメモには「うなぎ、ハム、お菓子」と書かれていました。

もう何度も母のメモを取り上げて捨てているというのに、再びメモ登場。
しかも、何度言っても捨てようとしなかったお歳暮の伝票を、昨日やっと捨てたというのに、いったい母は何を見てメモしたんだろうか?

不思議に思って母の部屋へ探りにいくと、なんと母はカレンダーにお歳暮の品物をメモしていて、毎日そのカレンダーを見ては思い出し、あわててそれをメモして私に伝えにきていたというワケだったのです。

母が物忘れがひどくなり、毎日の出来事を忘れないためにもメモするように母へ言ったのは、父が亡くなった年の5年前のこと。

最初はノートに記していたものが、いつしかカレンダーにメモするようになり、何かあれば記してきた母。
最近は何かあっても、それ自体をすぐに忘れてしまうので、カレンダーに記されることもほとんどなかったのですが、お歳暮が届いた日にはちゃんとメモが残されていたのです。

忘れないようにと出来事をメモしても、その出来事はすぐに忘れてしまうし、メモしたことも忘れてしまう。
しかし、再びそのメモを目にすると、新たな出来事として認識してあわてる。

母の頭の中では、こうした断片的な記憶がグルグルと回っていたんでしょうね。
だから毎日、1日に何度も、そのメモを見るたびに母が私へ言いにきていたのでしょう。

忘れないようにメモをしたことが、逆にアダとなっていたなんてね。

認知症は、進行すると本人がメモしても意味がありません。
サポートする側がメモとして機能しなければならないということです。

もちろん母が自発的に行うことに関しては、好きなようにやらせておこうと思っています。

その日私は、母のカレンダーのお歳暮のメモの部分を赤線で消しておきました。
そして、電話があった日のことも母のカレンダーにメモしておきました。

母はそれを見ながら「これでケリがついたんだね?」と言うので

「そーだよっ!ケリがついたんだよっ!」と、語気を荒くして言ってしまったことを、今はちょっと反省中。

 

コメント

  1. でぶねこ より:

    なるほど、そういうことだったのですか(笑
    義母もカレンダーにそういえばメモしていたなあ^^;
    言ったことも忘れてしまうのですから、仕方のないことですが、ね~~~、そうは言っても、ね~~~~(苦笑
    今日、デイサービスに行かないと言った「喉の痛み」も、喉物過ぎればなんとかで、もうなんともないようです、加湿器慌てて買いに走ったのに、ね~~~、ま、なんともないのがよし、なんですが、ね~~~(爆笑

    • そらはな より:

      でぶねこさんへ♪
      仕方がないのですよ~~~
      そうとはわかっているんですけどね~~~
      お義母さんの咽頭痛も、すぐに治ってよかったですね~~~
      加湿器もいずれ役に立ちますよね~~~
      でも・・・・ね~~~(笑)