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寄り添わない 理解しない 実家の片づけ洋服編

昭和一桁生まれの母は、モノを捨てられない世代。

クローゼットやタンスの中に詰め込まれた洋服は、何十年も着ていないもので溢れていましたが、この度ようやく処分することができました。

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穴の開いたカーディガン

母が着ているカーディガンの袖口が、ほつれている・・・ということに気づきました。
いや、ほつれているレベルを通り越して穴が開いています。

母には定期的に新しい洋服を買うのですが、それを着るのは最初の1日だけで、その後は再び穴の開いたカーディガンを着ています。

古い洋服を処分しようとすれば怒り出しますし、さりげなく「穴が開いてるよ」と伝えると、「まだ着れる」と言い張る母。

こんなやりとりを何度も繰り返すうちに、母に何を言っても無駄だと思うようになりました。

幸い母はまだ、季節に合わせた洋服を自分で選んで着ることはできます。
だったら、母が家の中で何を着てもいいではないですか。

そんな風に気持ちを切り替えたら、私のストレスはずいぶん減りました。

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さすがに穴の開いた下着では

しかし、母が病院受診の際には、私が洋服を選びます。

その日、母の着替えを手伝っていた時、母が身に着けている下着に穴が開いているのを見た時は、さすがの私もギョッとしました。

なぜなら、縫い目がほつれているのではなく、本当に穴が開いていたんですもの。

下着だって洋服だって、きれいなものはたくさんあるというのに、なんでわざわざ穴の開いた下着を身につけるのでしょう?

母には「まだ着られる」というもったいない精神があります。
また、視力の落ちた母は、洋服に穴が開いていようが汚れていようが見えません。
ましてや、認知症になってからは、同じ洋服を何日着ていても、気になりません。
新たに着るものを選ぶという判断力もありません。

下着の穴をきっかけに、ようやく私は母の古い洋服を本気で処分しようと決意しました。

「捨てていいよ」と拍子抜け

新しい肌着を買って母の部屋へ行き、「新しいの買ったからタンスの中を整理するねー」と母に伝えました。

抵抗するかな?と思いきや、母はあっさり承諾。

これ幸いと、まずは古い下着をどんどん処分。
新しいものをきれいに畳んで、母が選びやすいようにカゴの中に入れました。

ついでにクローゼットの中を開けてみたら、窒息しそうなくらい洋服がギュウギュウ詰め。
その大半は、もう何十年も着ていない洋服ばかりです。

すると母が言いました。
「もう要らないものは捨ててちょうだい」
「私は、もうわからないから」
と。

処分した衣類は40Lゴミ袋5個分

下着類だけの整理をするつもりでしたが、一気に洋服の整理まで事が運びました。

母の洋服の整理

古いデザインの服、重くて着にくい服、シミや汚れの付いた服などは、全部処分です。

母に「着るか?着ないか?」と、問うことはしません。
母は混乱するだけですし、判断もできませんから。

母が着やすい服を私が選んで
「これ着てね」と、言いながら、ハンガーラックに移す作業を黙々と続けました。

洋服は、母の目に触れる部屋の中(ハンガーラック)に出しておくことにしました。
そこへ掛けられる量の服を選びました。

箪笥の引き出しの中からは、私がこれまで母に買ってきた下着や洋服がたくさん出てきました。
中にはタグがついたまま、開封されないままのものも。

それら全部を出し、開封しタグを取り、着られるように表に出しました。

こうして、母のクローゼットやタンスの中は、すべて空っぽになりました。

「寄り添わない」「理解しない」

高齢の親の大量の洋服を整理できずに困っている方もたくさんいらっしゃると思います。
数年前の私がそうでした。

でも、時が経てば状況も変わりますし、気持ちも変わります。

親がモノを捨てるのに抵抗を示す時は、「親の気持ちに寄り添いましょう」とか「理解しましょう」と言いますが、私はその必要はないと思います。

それが自分の親であっても、年齢や生きてきた時代が違うのですから、価値観もちがって当たり前。
無理に「寄り添ったり」「理解しようとする」と、自分自身が苦しくなるばかりでしたから。

だから私は、完全に目を閉じることにしました。
母に危険がない限りは、母がなにをしようとかまわないことにしました。

それが母と私が平穏に暮らせる策でした。

あの時、母の洋服を無理やり処分しなくてよかったと思っています。
時が経って、母の承諾を得て、私も気持ちよく実家の母の洋服の処分をすることができました。

 

 

 

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