3人の子どもたちは全員成人となり、子育ては終了した私ですが、このたび縁あってペアレントトレーニング勉強会へ参加してきました。
ペアレントトレーニングとは、主に発達障害児を持つ親向けに採り入れられることが多いのですが、子育てのさまざまな場面で有効活用できます。
30年前の自分へペアレントトレーニングを受けさせて、1から子育てをやってみたいとさえ思えた勉強会でした。
ありのままに子どもの行動を観るということ
今回の勉強会は、子どもの行動を客観的に見るということからスタートしました。
例えば「子どもが、寝転んでテレビを観ながらお菓子を食べている」
そんな我が子の行動を見た時、親であるあなたはどう思いますか?
・宿題もせずにさぼっている
・行儀が悪い
・だらしがない
なんて、思ってしまいがちですよね。(←私)
実はこれ、親の主観が入った見方なんです。
ありのままに子どもの行動を見ると
・寝転んでいる
・テレビを観ている
・お菓子を食べている
それだけなんです。
子どもの行動を客観的に見ることができると、感情的にならずに済みます。
つまり、必要以上に叱らずに済むということです。
だけどこれって、第三者ではなく親であるからこそ難しかったりするんですよね。
子どもの行動には理由がある
子どもの行動を客観的に見て、なぜそのような行動をとるのか分析し、子どもの問題行動を親がポジティブ行動支援できるようにするのがペアレントトレーニングです。
いくつか例の具体策を説明していたので、印象に残ったものを紹介します。
朝、ぐずぐずして着替えをしない子ども
朝、母がキッチンから「早く着替えなさい!」と何度も言うが、着替えない子ども。
最終的に母が部屋に来て怒鳴り、ようやく着替える。
子どもが着替えないでいるのは、母に近くまできて怒鳴られることで、かまってもらえると思っているから。
これでは、何度やっても同じことの繰り返しになってしまいます。
この場合の有効な方法は、一緒に着替えるのを手伝ってあげること。
そして、何かひとつできたら褒めること。靴下がはけたね、シャツを一人で着られたね、など。
その後、徐々に支援を減らしていくことで、子どもは一人で着替えられるようになります。
おもちゃを何度も投げる子ども
母が近くにいると、おもちゃを投げる子ども。
母は「投げたらダメ」と言っておもちゃをとってあげる。
子どもは、おもちゃを投げることで母が反応するのをおもしろがっているのです。
この場合は、おもちゃを投げても母は反応しないこと。
子どもがおもちゃを投げるという行動を起こしても、何も変化がなければ、その行動は機能しなくなります。
上の子が下の子をたたいた
下の子が上の子のおもちゃを取った。
上の子は下の子をたたく。
こんな時、もっとも悪い対処の仕方は、母が上の子を叱る(罰を与える)ということ。
これにより、上の子は下の子へ恨みを抱くばかりか、母との関係も悪化し、この問題は繰り返し長期に渡ることになります。
最善の対応の仕方は、たたいた上の子を無視して、ひたすら下の子を介抱する(なぐさめる)こと。
上の子は、母の愛情を失うことに危機感を覚え、下の子をたたくという行動をしなくなるといいます。
さらに、上の子と下の子が仲良く遊んでいたら、褒めること。
これにより、兄弟間の適切行動を強化することができるようになります。
親の在り方は誰も教えてくれなかった
私はすでに子育ては終了していますが、子育て真っ最中だった当時は、誰も親としての心構えとかあり方なんて教えてくれませんでした。
ましてや子どもの問題行動への対応の仕方なんぞ、学べるところもありませんでした。
では、子育てで困ったときはどうしていたかというと、主に育児情報誌が唯一の教材でした。
実家の両親のアドバイスも参考にはしましたが、ン十年前の育児方法とは時代も変わればやり方も変わっていたこともあり、逆にストレスにもなりました。
子どもが生まれたら、自然に親としての在り方が身につくものだと思っていましたが、そうではありませんでした。
親も、子育て初心者です。
常に手探り状態でやっていたと思います。
子育てが終わった今は、あんなに大変だと思っていた育児も、すでに忘れつつあります。
だけど、どんなにがんばっても「育てにくい」と感じるお子さんっているんですよね。
子育てに悩んだ時、親側の接し方を変えることで状況の改善を目指すプログラム「ペアレント・トレーニング」は、秋田ではまだ始まったばかりですが、子育てに悩む人たちの支援の輪がもっともっと広がるといいなぁと思いました。
子どもは世の中の宝物ですもんね。
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